■厚生年金保険法 標準報酬・標準賞与まとめ
- 筒井

- 4月2日
- 読了時間: 7分
更新日:7月3日
ここでは厚生年金保険法 標準報酬・標準賞与まとめについてお伝えします。
【厚生年金|報酬・賞与】
<報酬>
報酬とは、賃金、給料、俸給、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が労働の対償として受けるすべてのものをいう。
ただし、臨時に受けるもの及び3月を超える期間ごとに受けるものは、報酬に含まれない。
<賞与(法3条)>
賞与とは、賃金、給料、俸給、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が労働の対償として受けるもののうち、3月を超える期間ごとに受けるものをいう。
<標準報酬月額(法20条)>
標準報酬月額は、被保険者の報酬月額に基づいて決定され、保険料や年金額の計算に用いられる。
厚生年金保険の標準報酬月額は、1等級88,000円から32等級650,000円までの32等級。
<健康保険との違い>
健康保険と仕組みはほぼ同じだが、等級範囲が異なる。
厚生年金保険
→ 88,000円から650,000円、32等級
健康保険
→ 58,000円から1,390,000円、50等級
<標準賞与額(法24条)>
標準賞与額は、実際の賞与額から1,000円未満を切り捨てた額。
厚生年金保険の標準賞与額は、1月につき150万円が上限。
同一月に受けた賞与額が150万円を超えるときは、150万円を標準賞与額とする。
【資格取得時決定と定時決定の関係】
<資格取得時決定>
被保険者の資格を取得したときは、資格取得時の報酬により標準報酬月額を決定する。
資格取得時決定による標準報酬月額は、原則として、次の定時決定まで使用される。
<定時決定>
毎年7月1日現在の被保険者について、4月・5月・6月の報酬をもとに標準報酬月額を決定する。
定時決定で決定された標準報酬月額は、その年の9月から翌年8月まで使用される。
<取得時期による違い(法22条)>
1月1日から5月31日までに資格取得した者
→ その年の定時決定の対象となる
→ 資格取得時決定は、その年の8月まで使用
→ 9月から定時決定による標準報酬月額を使用
6月1日から12月31日までに資格取得した者
→ その年の定時決定の対象外
→ 資格取得時決定は、翌年8月まで使用
<資格取得時決定の報酬月額>
月給・週給など、一定期間により報酬が定められる場合
→ その報酬額を期間の総日数で割って30倍する。
日給・時間給・出来高給・請負給の場合
→ 資格取得月前1月間に、同じ事業所で同じような業務に従事し、同じような報酬を受ける者の報酬額を平均する。
上記の方法で算定することが困難な場合
→ 資格取得月前1月間に、その地方で同じような業務に従事し、同じような報酬を受ける者の報酬額を用いる。
複数に該当する場合
→ それぞれ算定した額を合算する。
【随時改定・月額変更届】
<随時改定(法23条)>
固定的賃金の変動があり、継続した3月間に受けた報酬の平均により算定した標準報酬月額と従前の標準報酬月額との間に著しい高低が生じた場合、標準報酬月額を改定する。
各月の支払基礎日数は17日以上であることを要する。
短時間労働者等については、各月の支払基礎日数が11日以上であることを要する。
改定後の標準報酬月額は、固定的賃金の変動月から起算して4月目から適用される。
<月額変更届(則19条)>
随時改定に該当する場合、事業主は、速やかに月額変更届を機構に提出する。
<月額変更届の併記(則19条)>
第1号厚生年金被保険者又は70歳以上被用者が、協会けんぽの健康保険の被保険者でもある場合、月額変更届は、健康保険の届書等に併記又は記録して提出することができる。
<賞与支払届(則19条の5)>
事業主は、賞与を支払ったときは、支払日から5日以内に、賞与支払届を機構に提出する。
【育児休業等終了時改定・産前産後休業終了時改定・養育特例】
<育児休業等終了時改定(法23条の2)>
育児休業等終了後、継続した3月間の報酬の平均により標準報酬月額を改定する。支払基礎日数17日未満(短時間労働者等は11日未満)の月は除いて算定する。
<産前産後休業終了時改定(法23条の3)>
産前産後休業終了後、継続した3月間の報酬の平均により標準報酬月額を改定する。支払基礎日数17日未満(短時間労働者等は11日未満)の月は除いて算定する。
<改定時期(法23条の2・法23条の3)>
育児休業等終了時改定及び産前産後休業終了時改定は、休業終了日の翌日から起算して2月を経過した日の属する月の翌月から改定する。
<養育期間の従前標準報酬月額のみなし措置(法26条)>
3歳未満の子を養育する被保険者又は被保険者であった者について、各月の標準報酬月額が子の養育を開始した月の前月の標準報酬月額を下回る場合には、申出により、年金額の計算上、その低下した期間については、従前標準報酬月額をその期間の標準報酬月額とみなす。ただし、保険料は、実際に低下した標準報酬月額に基づいて計算する。
【厚生年金 標準報酬月額の等級区分改定(法20条2項)】
<趣旨>
実際の賃金水準が上がり、最高等級では対応できなくなる場合に、標準報酬月額の等級区分を上に追加できる制度。
<要件>
毎年3月31日における全被保険者の標準報酬月額を平均した額の100分の200に相当する額が、最高等級の標準報酬月額を超える場合で、その状態が継続すると認められるとき。
<効果>
健康保険法に規定する標準報酬月額の等級区分を参酌して、政令で、最高等級の上にさらに等級を加える改定を行うことができる。
<改定時期>
その年の9月1日から改定することができる。
【標準報酬月額・標準賞与額の算定の特例】
<算定困難・著しく不当(法24条)>
報酬月額の算定が困難であるとき、又は通常の方法で算定すると著しく不当になるときは、実施機関が報酬月額を算定して、標準報酬月額を決定する。
<2以上の事業所に使用される場合(法24条)>
同時に2以上の事業所に使用される被保険者については、各事業所から受ける報酬を合算して報酬月額を算定する。
<保険料の按分(法82条・法83条)>
2以上の事業所に使用される被保険者については、各事業所の報酬額に応じて保険料を按分する。
各事業主は、按分された保険料について、事業主負担分と被保険者負担分を合わせて納付する。
<賞与の場合(法82条・法83条)>
賞与についても、2以上の事業所から賞与を受ける場合は、各事業所の賞与額に応じて保険料を按分する。
【養育期間標準報酬月額の特例・標準賞与額】
<養育期間標準報酬月額の特例>
3歳未満の子を養育することにより報酬が低下した場合に、従前の標準報酬月額を保障する制度であり、基準となるのは養育開始月の前月の標準報酬月額である。終了事由は、子が3歳に到達したとき、被保険者資格を喪失したとき、他の子の養育に切り替わったときなどである。
<標準賞与額>
賞与額から1,000円未満を切り捨てた額とし、1月ごとに150万円を上限とする。なお、健康保険では年度累計573万円が上限である点に注意する。事業主は被保険者に賞与を支払ったときは、原則として支払日から5日以内に日本年金機構へ賞与支払届(又は電子媒体)を提出する(70歳以上被用者についても同様)。
【船舶と陸上の両方で使用される場合】
<前提>
船舶は、厚生年金保険法上の適用事業所に含まれる(法6条)。
船舶に使用される被保険者については、船舶所有者を事業主として扱う。
<標準報酬月額(法24条)>
船舶に使用される被保険者が、同時に陸上の事業所にも使用される場合、標準報酬月額は、船舶に係る報酬のみを基礎として算定する。
陸上の事業所から受ける報酬は、船舶に係る標準報酬月額の算定には含めない。
<保険料の負担(法82条)>
厚生年金保険料は、被保険者及び事業主がそれぞれ半額を負担する。
船舶に使用される被保険者については、被保険者と船舶所有者が保険料を折半する。
<保険料の納付(法83条)>
事業主は、自己負担分及び被保険者負担分を合わせて保険料を納付する義務を負う。
船舶に使用される被保険者については、船舶所有者が保険料を全額納付する。
陸上の事業主は、船舶に係る厚生年金保険料の納付には関与しない。
この記事では厚生年金保険法 標準報酬・標準賞与まとめについてご紹介しました。
次回に続きます!