■概算保険料
- 筒井

- 1月12日
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更新日:4 日前
ここでは概算保険料についてお伝えします。
【概算保険料の全体整理】
<概算保険料とは(徴収法15条)>
概算保険料とは、保険年度の初めに、その保険年度に使用する労働者に係る賃金総額等の見込額を基礎として、あらかじめ申告・納付する労働保険料をいう。
<概算保険料の額(徴収法15条1項・2項、徴収則24条)>
継続事業は、原則として、当該保険年度の賃金総額の見込額に一般保険料率を乗じて算定する。
ただし、当該保険年度の賃金総額の見込額が前年度の賃金総額の2分の1以上2倍以下である場合は、前年度の賃金総額を用いる。
有期事業は、事業の全期間に使用する労働者の賃金総額の見込額に労災保険率を乗じて算定する。
<概算保険料申告書の提出先(徴収則38条)>
概算保険料申告書は、所轄都道府県労働局歳入徴収官に提出する。一元適用事業及び二元適用事業の労災保険分については、所轄労働基準監督署を経由して提出することができるが、二元適用事業の雇用保険分については、所轄都道府県労働局歳入徴収官に提出する。
<日本銀行又は都道府県労働局収入官吏への納付(徴収則38条3項2号)>
次の一般保険料及び特別加入保険料は、日本銀行又は都道府県労働局収入官吏に納付しなければならず、労働基準監督署収入官吏には納付できない。
①一元適用事業で、労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託するものの一般保険料
②一元適用事業で、労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託しないもののうち、雇用保険に係る保険関係のみが成立している事業についての一般保険料
③雇用保険に係る保険関係が成立している二元適用事業についての一般保険料
④一元適用事業についての第1種特別加入保険料
<年金事務所経由の特例(徴収則38条1項・2項2号カ・3号)>
社会保険適用事業所の事業主は、次のすべての要件を満たす場合、概算保険料申告書又は確定保険料申告書を年金事務所を経由して提出することができる。
①概算保険料申告書は、増加概算保険料申告書以外のものであること。
②継続事業についての一般保険料に係るものであること。
③労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託していないこと。
④労働保険料の納付を口座振替により金融機関へ委託して行うものではないこと。
⑤6月1日から40日以内に提出するものであること。
【概算保険料・確定保険料の申告納付期限】
<概算保険料の申告・納付期限(徴収法15条1項・2項)>
継続事業は、毎保険年度、6月1日から40日以内に申告・納付する。
ただし、保険年度の途中で保険関係が成立した場合は、保険関係成立の日から50日以内に申告・納付する。
有期事業は、保険関係成立の日から20日以内に申告・納付する。
<確定保険料の申告・納付期限(徴収法19条1項・2項)>
継続事業は、毎保険年度、次の保険年度の6月1日から40日以内に申告・納付する。
ただし、保険年度の途中で保険関係が消滅した場合は、保険関係消滅の日から50日以内に申告・納付する。
有期事業は、保険関係消滅の日から50日以内に申告・納付する。
【継続事業の概算保険料に用いる賃金総額(法15条1項・則11条2号・則24条1項)】
<原則>
継続事業における当該保険年度の賃金総額の見込額が、直前の保険年度の賃金総額の100分の50以上100分の200以下である場合は、直前の保険年度の賃金総額を用いて概算保険料を計算する。
<端数処理>
賃金総額に1,000円未満の端数があるときは、その端数を切り捨てる。
<増加概算保険料(法16条・則25条)>
保険料算定基礎額の見込額が、当初の見込額の100分の200を超えて増加し、かつ、増加後の見込額により算定した概算保険料の額が、すでに申告した概算保険料より13万円以上増加する場合は、その差額を増加概算保険料として申告・納付する。
申告・納付期限は、保険料算定基礎額の増加が見込まれるに至った日から30日以内。
【有期事業の概算保険料(法15条2項1号)】
<一括有期事業以外の有期事業>
一括有期事業以外の有期事業については、概算保険料として納付すべき一般保険料の額を、各保険年度ごとではなく、その事業の全期間について算定する。
<賃金総額の見込額>
賃金総額の見込額は、その全期間において使用するすべての労働者の賃金総額の見込額とする。
<直前の保険年度の賃金総額>
有期事業には年度という概念がないため、直前の保険年度の賃金総額を用いる取扱いはない。
<一般保険料率>
有期事業として取り扱われるのは労災保険に係る保険関係のみであるため、一般保険料率は労災保険率となる。
【概算保険料の追加徴収(法17条1項・則26条)】
<追加徴収の要件>
政府が、保険年度の中途に一般保険料率、第1種特別加入保険料率、第2種特別加入保険料率又は第3種特別加入保険料率を引き上げた場合は、増加額の多少にかかわらず、概算保険料を追加徴収する。
<保険料率が引き下げられた場合>
保険料率が引き下げられた場合でも、引き下げられた保険料額に相当する部分を還付する規定はない。
<納付期限>
追加徴収される概算保険料は、政府が定める納期限までに納付しなければならず、その納期限は、追加徴収の通知を発する日から起算して30日を経過した日とする。
【概算保険料の延納】
<延納の要件(法18条・則27条1項)>
継続事業(一括有期事業を含む。)は、次の①及び②の要件を満たす場合、概算保険料申告書を提出する際に申請することにより、概算保険料を延納することができる。
①次のいずれかに該当すること
・納付すべき概算保険料の額が40万円以上であること
・労災保険又は雇用保険のいずれか一方の保険関係のみが成立している事業は、概算保険料の額が20万円以上であること
・労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託していること
②当該保険年度の10月1日以降に保険関係が成立した事業でないこと
<延納時の端数処理(徴収則27条)>
概算保険料を延納する場合、各期分の額を計算した結果生じた1円未満の端数に相当する額は、第1期分に加えて納付する。
<増加概算保険料の延納(法18条・則30条)>
概算保険料の延納をしている継続事業(一括有期事業を含む。)の事業主は、申請により、増加概算保険料についても延納することができる。
増加概算保険料は、保険料算定基礎額の見込額が増加した日以後の各期に分けて納付する。
この場合、見込額が増加した日の属する期の残存期間が2か月以内であっても、その期を独立した1期として取り扱う。
<増加概算保険料の認定決定(法16条)>
増加概算保険料については、納付要件に該当しているにもかかわらず事業主が増加概算保険料申告書を提出しない場合又は申告書の記載に誤りがある場合であっても、政府による認定決定は行われない。
【有期事業の延納要件(法18条・則28条)】
<延納の要件(法18条・則28条1項)>
有期事業については、次のいずれかに該当し、かつ、事業の全期間が6か月を超える場合に、概算保険料を延納することができる。
・納付すべき概算保険料の額が75万円以上であること
・事業に係る労働保険事務の処理を労働保険事務組合に委託していること
追加徴収される概算保険料についても、延納の対象となる。
<有期事業の概算保険料(法18条・則28条)>
延納が認められた場合でも、有期事業の概算保険料は各保険年度ごとに算定するのではなく、事業の全期間について算定する。
【確定保険料の延納(法18条・法19条1項・3項)】
<確定保険料は延納できない>
継続事業の事業主は、既に納付した概算保険料の額が確定保険料の額に不足する場合、その不足額を確定保険料申告書に添えて納付しなければならない。
概算保険料について延納が認められていた場合であっても、確定保険料の不足額について延納を申請することはできない。
【確定保険料の超過額の還付(法19条6項・徴収則36条1項)】
<還付を行う者>
納付した概算保険料の額が確定保険料の額を超える場合に、事業主が確定保険料申告書を提出する際にその超過額の還付を請求したときは、官署支出官又は所轄都道府県労働局資金前渡官吏が、その超過額を還付する。
【確定保険料の超過額の充当(徴収則37条1項)】
<還付請求をしない場合>
納付した概算保険料の額が確定保険料の額を超える場合において、事業主がその超過額の還付を請求しないときは、その超過額を次の額に充当することができる。
・次の保険年度の概算保険料
・未納の労働保険料その他徴収法の規定による徴収金
・未納の一般拠出金
【概算保険料の認定決定(法15条3項・4項)】
<認定決定>
事業主が提出した概算保険料申告書の記載に誤りがある場合、政府は概算保険料の額を決定し、事業主に通知する。
<不足額の納付>
既に納付した概算保険料の額が、政府が決定した概算保険料の額に不足するときは、その不足額を通知を受けた日の翌日から起算して15日以内に納付しなければならない。
<認定決定に係る通知方法(法15条3項・徴収則38条4項)>
概算保険料の認定決定に係る通知は、納入告知書によっては行われない。
なお、認定決定された概算保険料の納付は、納付書によって行う。
<追徴金>
概算保険料について認定決定が行われた場合は、追徴金は徴収されない。
確定保険料について認定決定が行われた場合は、原則として追徴金が徴収される。
【概算保険料の延納と納期限】
<継続事業の延納(法18条、則27条)>
前保険年度から保険関係が引き続き成立している継続事業については、概算保険料を3期に分けて納付することができる。
<原則の納期限(法18条、則27条)>
第1期の納期限は6月1日から起算して40日以内、第2期は10月31日、第3期は翌年1月31日である。
<労働保険事務組合に委託している場合(法18条、則27条)>
労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託している場合は、第2期及び第3期の納期限がそれぞれ14日延長される。第1期の納期限は延長されない。
<納期限の整理(法18条、則27条)>
・第1期……6月1日から起算して40日以内
・第2期……原則10月31日、事務組合委託の場合11月14日
・第3期……原則翌年1月31日、事務組合委託の場合翌年2月14日
<年度途中に保険関係が成立した場合の納期限(法18条、則27条)>
・4月1日から5月31日までに成立……3期に分けて納付
・第1期……保険関係成立日の翌日から起算して50日以内
・第2期……原則10月31日、事務組合委託の場合11月14日
・第3期……原則翌年1月31日、事務組合委託の場合翌年2月14日
・6月1日から9月30日までに成立……2期に分けて納付
・第1期……保険関係成立日の翌日から起算して50日以内
・第2期……原則翌年1月31日、事務組合委託の場合翌年2月14日
・10月1日以後に成立……延納できない
【有期事業の概算保険料の延納と納期限】
<延納の要件(法18条、則28条)>
有期事業は、事業の全期間が6か月を超え、かつ、概算保険料の額が75万円以上である場合又は当該事業に係る労働保険事務の処理を労働保険事務組合に委託している場合に、概算保険料を延納することができる。
<労働保険事務組合へ委託している場合(則28条)>
労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託している場合は、概算保険料の額が75万円未満であっても延納することができる。ただし、事業の全期間が6か月を超えることは必要であり、各期の納期限も延長されない。
<事業開始時期ごとの最初の期(則28条)>
・4月1日から5月31日までに事業を開始……事業開始日から7月31日まで
・6月1日から9月30日までに事業を開始……事業開始日から11月30日まで
・10月1日から翌年1月31日までに事業を開始……事業開始日から翌年3月31日まで
・2月1日から3月31日までに事業を開始……事業開始日から7月31日まで
<最初の期が成立しない場合(則28条)>
保険関係成立日の翌日から、その日が属する期の末日までの期間が2か月以内である場合は、その期間を独立した期とせず、直後の期と合わせて最初の期とする。
<各期の納期限(法18条、則28条)>
・最初の期……保険関係成立日の翌日から起算して20日以内
・8月1日から11月30日までの期……10月31日
・12月1日から翌年3月31日までの期……翌年1月31日
・4月1日から7月31日までの期……3月31日
この記事では概算保険料についてご紹介しました。
次回に続きます!