■老齢厚生年金まとめ③ 在職老齢年金・雇用保険調整
- 筒井

- 7月4日
- 読了時間: 4分
ここでは老齢厚生年金まとめ③ 在職老齢年金・雇用保険調整についてお伝えします。
【在職老齢年金の支給停止(法46条)】
<概要>
老齢厚生年金の受給権者が在職している場合、賃金と老齢厚生年金の額に応じて、老齢厚生年金の全部又は一部が支給停止される。
<70歳以上への適用(法46条)>
在職老齢年金による支給停止は、70歳未満の厚生年金保険の被保険者だけでなく、70歳以上の在職者にも適用される。
70歳以上の者は厚生年金保険の被保険者ではないが、適用事業所に使用され、厚生年金保険の被保険者であったならば被保険者となる要件を満たす場合には、在職老齢年金の支給停止の対象となる。
<総報酬月額相当額>
総報酬月額相当額
→ 標準報酬月額 + その月以前1年間の標準賞与額の総額 ÷ 12
<基本月額(法附則11条1項・法附則12条1項)>
基本月額とは、老齢厚生年金の額を12で割った額をいう。
ただし、基本月額の計算では、加給年金額、経過的加算額、繰下げ加算額は含めない。
特別支給の老齢厚生年金の受給権者が被保険者である月について、総報酬月額相当額と基本月額との合計額が支給停止調整額以下であるときは、老齢厚生年金の支給停止は行われない。
<支給停止調整額(法46条3項)>
支給停止調整額は、65万円とする。
<支給停止の判定>
基本月額 + 総報酬月額相当額 ≦ 支給停止調整額
→ 支給停止なし
基本月額 + 総報酬月額相当額 > 支給停止調整額
→ 支給停止あり
<支給停止額>
支給停止額
→ 基本月額 + 総報酬月額相当額 - 支給停止調整額 ÷ 2
※正確には、超過額の2分の1が支給停止される。
※式で書くと、
(基本月額 + 総報酬月額相当額 - 支給停止調整額)÷ 2
<支給停止後の年金額>
支給停止後の老齢厚生年金
→ 基本月額 - 支給停止額
<支給停止額の改定(法46条)>
標準報酬月額の改定、標準賞与額の決定、老齢厚生年金の額の改定などにより、基本月額又は総報酬月額相当額に変更があったときは、その改定のあった月から支給停止額が改定される。
<全部支給停止と加給年金額(法46条)>
老齢厚生年金の全部が支給停止されるときは、加給年金額も支給停止される。
老齢厚生年金の一部が支給停止されるだけの場合は、加給年金額は支給停止されない。
<全部支給停止でも支給されるもの(法46条)>
老齢厚生年金の全部が支給停止される場合であっても、経過的加算額及び老齢基礎年金は支給される。
【特別支給の老齢厚生年金と高年齢雇用継続基本給付金】
<高年齢雇用継続基本給付金との調整(法附則11条の6第1項・法附則26条1項)>
特別支給の老齢厚生年金の受給権者が、高年齢雇用継続基本給付金の支給を受けることができるときは、在職老齢年金の規定による支給停止額に加え、標準報酬月額に一定率を乗じて得た額が支給停止される。
<計算方法>
①みなし賃金日額×30を求める。
②標準報酬月額が、みなし賃金日額×30の何%に当たるかを判定する。
③標準報酬月額が、みなし賃金日額×30の64%未満であるときは、標準報酬月額の100分の4に相当する額が支給停止される。
<計算式>
標準報酬月額÷(みなし賃金日額×30)×100
支給停止額=標準報酬月額×100分の4
【老齢厚生年金の額の改定(法42条)】
<原則>
老齢厚生年金の額は、受給権を取得した月以後の被保険者期間を計算の基礎としない。
ただし、一定の場合には、受給権取得後の被保険者期間を反映して年金額が改定される。
<退職時改定>
被保険者でなくなった日から起算して1月を経過したときは、被保険者でなくなった月までの被保険者期間を計算の基礎として、老齢厚生年金の額を改定する。
改定は、被保険者でなくなった日から起算して1月を経過した日の属する月から行われる。
<在職定時改定(法42条)>
65歳以上70歳未満の老齢厚生年金の受給権者について、基準日において被保険者であるときは、基準日の属する月前の被保険者期間を計算の基礎として、老齢厚生年金の額を改定する。
<基準日(法42条)>
基準日は、毎年9月1日。
<在職定時改定の適用時期(法42条)>
基準日の属する月の翌月、つまり10月分から年金額が改定される。
<在職定時改定の対象期間>
前年9月から当年8月までの被保険者期間が反映される。
この記事では老齢厚生年金まとめ③ 在職老齢年金・雇用保険調整についてご紹介しました。
次回に続きます!