■老齢基礎年金の年金額・調整まとめ
- 筒井

- 3月20日
- 読了時間: 7分
ここでは老齢基礎年金の年金額・調整まとめについてお伝えします。
【老齢基礎年金の年金額・調整まとめ】
<年金額の基本 法27条>
・老齢基礎年金の満額は、40年・480月すべてが保険料納付済期間である場合の額
・基本額は780,900円×改定率
・未納期間と合算対象期間は、年金額に反映しない
・保険料免除期間は、免除の種類に応じて一部が年金額に反映される
<年金額の端数処理 法27条>
・老齢基礎年金の額を計算する場合、50円未満の端数は切り捨てる
・50円以上100円未満の端数は、100円に切り上げる
<年金額の計算式 法27条>
・老齢基礎年金額=780,900円×改定率×反映月数÷480
・反映月数には、保険料納付済期間と、免除期間の反映割合に応じた月数を算入する
<反映割合 平成21年4月以後 法27条>
・保険料納付済期間 → 1
・4分の1免除期間 → 8分の7
・半額免除期間 → 4分の3
・4分の3免除期間 → 8分の5
・全額免除期間 → 2分の1
<反映割合 平成21年3月以前 法27条>
・4分の1免除期間 → 6分の5
・半額免除期間 → 3分の2
・4分の3免除期間 → 2分の1
・全額免除期間 → 3分の1
<年金額に反映しない期間 法27条>
・未納期間は年金額に反映しない
・合算対象期間は、受給資格期間には算入するが年金額には反映しない
・学生納付特例期間と納付猶予期間は、追納しない限り年金額に反映しない
<20歳前・60歳以後の第2号被保険者期間 昭60法附則8条4項>
・第2号被保険者としての被保険者期間のうち、20歳に達した日の属する月前の期間及び60歳に達した日の属する月以後の期間は、老齢基礎年金の額の計算上、保険料納付済期間とはされない
・これらの期間は、老齢基礎年金の支給要件等の規定の適用については、合算対象期間とされる
・つまり、年金額には反映しないが、受給資格期間には算入される
<加入可能年数 法27条・昭60法附則>
・原則として加入可能年数は40年・480月
・生年月日により、加入可能年数が短縮される経過措置がある
<年金額の端数処理 法17条>
・年金給付の額を計算する場合に、100円未満の端数が生じたときは、50円未満は切り捨てる
・50円以上100円未満の端数は、100円に切り上げる
<保険料額の端数処理 法87条>
・国民年金保険料の額に10円未満の端数が生じたときは、5円未満は切り捨てる
・5円以上10円未満の端数は、10円に切り上げる
【加給年金額】
<加給年金額とは 厚生年金保険法44条>
・加給年金額とは、老齢厚生年金の受給権者に、生計を維持している一定の配偶者又は子がいる場合に、老齢厚生年金に加算されるもの
・老齢厚生年金の受給権者本人の厚生年金保険の被保険者期間が、原則として240月以上あることが必要
・加給年金額は、老齢厚生年金の額に加算される
<加給年金額の対象者 厚生年金保険法44条>
・対象となる配偶者は、65歳未満の配偶者
・対象となる子は、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある子
・対象となる子には、20歳未満で障害等級1級又は2級に該当する障害の状態にある子も含まれる
・配偶者又は子は、受給権者によって生計を維持していることが必要
<加給年金額の額 厚生年金保険法44条>
・配偶者に係る加給年金額は、224,700円×改定率
・1人目及び2人目の子に係る加給年金額は、それぞれ224,700円×改定率
・3人目以降の子に係る加給年金額は、それぞれ74,900円×改定率
・配偶者に係る加給年金額には、受給権者の生年月日に応じて特別加算が行われることがある
<加給年金額が加算されなくなる場合 厚生年金保険法44条>
・配偶者が65歳に達したときは、その配偶者に係る加給年金額は加算されなくなる
・子が18歳に達する日以後の最初の3月31日を終了したときは、その子に係る加給年金額は加算されなくなる
・障害等級1級又は2級に該当する子は、20歳に達したときに加給年金額の対象外となる
・配偶者又は子が受給権者によって生計を維持されなくなったときは、加給年金額は加算されなくなる
【振替加算】
<振替加算とは 昭60法附則14条>
・振替加算とは、配偶者の加給年金額が支給されなくなることに対応して、本人の老齢基礎年金に加算されるもの
・振替加算は、本人の老齢基礎年金の額に加算される
<本人側の要件 昭60法附則14条>
・対象者は、大正15年4月2日から昭和41年4月1日までに生まれた者
・振替加算の対象になるかは、配偶者の生年月日ではなく、本人の生年月日で判断する
・本人が65歳に達した日に、配偶者によって生計を維持されていることが必要
・昭和41年4月2日以後生まれの者は、振替加算の対象外
<配偶者側の要件 昭60法附則14条>
・配偶者が、原則として被保険者期間240月以上の老齢厚生年金等の受給権者であること
・または、配偶者が障害厚生年金等の受給権者であること
・本人が65歳に達した後に、配偶者が老齢厚生年金等又は障害厚生年金等の受給権者となった場合でも、要件を満たせば振替加算が行われることがある
<振替加算の額 昭60法附則14条>
・振替加算の額は、224,700円×改定率×生年月日に応じた率
・生年月日が若いほど、加算額は少なくなる
<振替加算の支給停止 昭60法附則14条>
・本人が障害基礎年金、障害厚生年金その他政令で定める給付を受けることができるときは、その間、振替加算に相当する部分の支給は停止される
・ただし、その障害年金等の全額につき支給が停止されているときは、振替加算に相当する部分は支給停止されない
<振替加算が行われない場合>
・本人が老齢厚生年金の受給権者であり、その計算基礎となる被保険者期間が240月以上あるときは、振替加算は行われない
・離婚分割により240月以上となった場合も同様
【支給の繰上げ】
<支給の繰上げ 法附則9条の2>
・老齢基礎年金は、60歳以上65歳未満の間に支給繰上げの請求をすることができる
・老齢基礎年金及び老齢厚生年金の支給繰上げの請求は、受給資格期間を満たしていることが前提となる
・老齢基礎年金の支給繰上げの請求は、老齢厚生年金の支給繰上げの請求と同時に行わなければならない
・支給は、請求した日の属する月の翌月から開始される
<減額率 法附則9条の2>
・減額率は、繰上げ月数×0.4%
・減額率は、付加年金にも適用される
・減額された年金額は、一生固定される
<繰上げの制約 法附則9条の2>
・任意加入被保険者は、老齢基礎年金の支給繰上げの請求をすることができない
・老齢基礎年金の支給繰上げの請求をしたときは、寡婦年金は支給されない
・繰上げ請求後は、障害基礎年金などを受けられない場合がある
<振替加算との関係 昭60法附則14条>
・老齢基礎年金を繰上げ請求した場合でも、振替加算は繰上げ支給されない
・振替加算は、原則として65歳に達した後に老齢基礎年金に加算される
【支給の繰下げ】
<支給の繰下げ 法28条>
・老齢基礎年金は、66歳以後75歳までの間に支給繰下げの申出をすることができる
・支給は、繰下げ申出をした日の属する月の翌月から開始される
・老齢基礎年金と老齢厚生年金の支給繰下げは、それぞれ別個に申し出ることができる
<増額率 法28条>
・増額率は、繰下げ月数×0.7%
・繰下げ月数は、65歳に達した月から繰下げ申出をした月の前月までの月数で計算する
・繰下げ月数は120月が上限
・増額率の上限は84%
・1年繰下げは8.4%、5年繰下げは42%、10年繰下げは84%
・75歳以後に請求しても、増額率は84%を超えない
<任意加入との関係 法28条>
・任意加入被保険者であること自体は、老齢基礎年金の支給繰下げの制限事由ではない
・ただし、支給繰下げの申出は66歳以後に行うものである
<繰下げができない場合 法28条>
・他の年金たる給付の受給権者であるときは、老齢基礎年金の支給繰下げの申出をすることができない
・65歳に達した日から66歳に達する日までの間に、他の年金たる給付の受給権者となったときも、支給繰下げの申出をすることができない
・他の年金たる給付には、障害基礎年金、遺族基礎年金、障害厚生年金、遺族厚生年金などがある
<70歳以後請求の特例 法28条>
・70歳に達した日以後に老齢基礎年金の請求をした場合において、当該請求の際に繰下げの申出をしなかったときは、当該請求をした日の5年前の日に繰下げの申出があったものとみなされる
・ただし、当該請求日の5年前の日以前に他の年金たる給付の受給権者であったとき等は、この特例は適用されない
・時効により受け取れなくなる部分を救済するための制度である
<振替加算との関係 昭60法附則14条>
・老齢基礎年金を繰下げした場合でも、振替加算は増額の対象とならない
・振替加算は、老齢基礎年金の繰下げ待機中は支給されない
<失権 法29条>
・老齢基礎年金の受給権は、受給権者が死亡したときに消滅する
・失権は支給停止ではなく、受給権そのものが消滅するもの
この記事では老齢基礎年金の年金額・調整まとめについてご紹介しました。
次回に続きます!