■規制の対象になる機械(譲渡・貸与)
更新日:8月19日
ここでは規制の対象になる機械についてお伝えします。
【特定機械等(法37条)】
特定機械等とは、構造や使用状況によって労働災害を引き起こすおそれが特に高い機械・装置のこと。
これらを製造する場合には、管轄の都道府県労働局長の「製造許可」が必要であり、
製造後にも安全を確認するための「検査」を受けなければならない。
<特定機械等の種類>
1 ボイラー
2 圧力容器
3 クレーン
4 移動式クレーン
5 デリック(クレーンの一種)
6 エレベーター
7 建設用リフト
8 ゴンドラ
それぞれ構造や性能についての「規格」による技術基準が定められている。
<クレーンに関する基準>
吊上げ能力が3トン以上のクレーン
(スタッカー式クレーンは1トン以上で該当)
危険な作業を必要とするものとして計画の届出が必要となるクレーンについても、つり上げ荷重3トン以上(スタッカー式クレーンは1トン以上)が対象となる。
「特定機械等」に分類され、製造許可および検査義務の対象となる。
<検査証(法39条)>
検査に合格すると「検査証」が交付される。
検査証は、都道府県労働局長又は登録製造時等検査機関・登録性能検査機関・登録個別検定機関など、検査を行った機関が交付する。
検査証には有効期限があり、期限が切れる前に性能検査を受けて更新する必要がある。
【危険・有害な機械等の譲渡等の制限(法42条)】
特定機械等以外の機械等で、危険又は有害な作業を必要とするもの、危険な場所で使用するもの、又は労働者の危険・健康障害を防止するために使用するもののうち、政令で定めるものは、厚生労働大臣が定める規格又は安全装置を具備しなければ、譲渡し、貸与し、又は設置してはならない。
<検定制度>
特に重大災害に直結するおそれがある機械等については、
「個別検定」または「型式検定」を受け、
安全性が確認されなければ製造・輸入できない。
・個別検定:1台ごとに安全性・性能を確認する方式。
・型式検定:型式ごとにまとめて構造・性能を審査し、同型製品に適用する方式。
<対象となる主な機械・装置・保護具>
1 ゴム、ゴム化合物又は合成樹脂を練るロール機及びその急停止装置
2 第二種圧力容器
3 小型ボイラー
4 小型圧力容器
5 プレス機械又はシャーの安全装置
6 防爆構造電気機械器具
7 クレーン又は移動式クレーンの過負荷防止装置
8 防じんマスク
9 防毒マスク
10 木材加工用丸のこ盤及びその反発予防装置又は歯の接触予防装置
11 動力により駆動されるプレス機械
12 交流アーク溶接機用自動電撃防止装置
13 絶縁用保護具
14 絶縁用防具
15 保護帽
16 電動ファン付き呼吸用保護具
<安全上の取扱い例>
・回転中の研磨砥石には覆いを設ける。
・ボール盤・面取り盤など回転刃物で作業する際は、手袋を着用させてはならない。
・機械の掃除・給油・検査・修理は、必ず機械を停止させるか、覆いをしてから行う。
<譲渡等の制限(法43条)>
動力により駆動される機械等で、作動部分上の突起物又は動力伝導部分若しくは調速部分に厚生労働省令で定める防護のための措置が施されていないものは、譲渡し、貸与し、又は譲渡若しくは貸与の目的で展示してはならない。
【定期自主検査(労働安全衛生法 第45条)】
事業者は、労働災害を防止するため、一定の機械・装置について
厚生労働省令で定めるところにより「定期に自主検査」を行い、
その結果を記録しておかなければならない。
この制度は、事業者自身が安全を維持・管理するための「自己点検制度」である。
<対象となる機械等>
政令(労働安全衛生法施行令)で指定された、
特に危険性や劣化のおそれがある機械・装置が対象となる。
主な対象例:
・ボイラー
・第一種圧力容器・第二種圧力容器
・フォークリフト
・クレーン、移動式クレーン
・エレベーター、建設用リフト
・ゴンドラ
・ロープ式巻上げ機 など
これらは、使用中の故障や劣化によって事故が発生しやすいため、
事業者が「定期に自主検査を実施し、記録を保存」することが義務付けられている。
<検査の内容>
・構造、性能、安全装置、警報装置などが正常に作動するかを確認する。
・不具合や異常が見つかった場合は、直ちに修理・整備を行う。
・検査結果は、所定の様式で記録し、一定期間保存する。
<検査の頻度>
・ボイラー:1年以内ごとに1回
・フォークリフト:1年以内ごとに1回
・クレーン類:1年以内ごとに1回
・ロープ式巻上げ機など:6か月以内ごとに1回
※具体的な周期は「労働安全衛生規則」で定められている。
【機体重量3トン以上のパワーショベルは特定機械等に含まれない】
<車両系建設機械への該当 法61条・令10条・令別表7>
・パワーショベルは、動力を用い、かつ、不特定の場所に自走することができる建設機械であり、「車両系建設機械」に含まれる。
・令別表第7では、車両系建設機械のうち「掘削用機械」として、パワーショベル、ドラグショベル、ドラグライン、クラムシェル、バケット掘削機、トレンチャー等が掲げられている。
・一般に油圧ショベル又はバックホウと呼ばれる機械は、作業装置や掘削方法により、法令上はパワーショベル又はドラグショベルに該当する。
<機体重量3トン以上の場合の運転資格 法61条・令20条>
・機体重量3トン以上の車両系建設機械の運転業務は、就業制限業務に該当する。
・事業者は、車両系建設機械運転技能講習を修了した者等の有資格者でなければ、その運転業務に就かせてはならない。
・機体重量3トン未満の車両系建設機械の運転業務は、就業制限業務ではなく、特別教育の対象となる。
・「3トン以上」という基準は、車両系建設機械の運転に必要な資格を技能講習とするための基準であり、特定機械等に該当するかどうかを決める基準ではない。
<特定機械等との区別 法37条・令12条>
・特定機械等とは、特に危険な作業を必要とする機械等として政令で定められたものであり、ボイラー、第一種圧力容器、クレーン、移動式クレーン、デリック、エレベーター、建設用リフト、ゴンドラが該当する。
・車両系建設機械は、機体重量が3トン以上であっても、令12条の特定機械等の一覧には含まれていない。
・したがって、機体重量3トン以上のパワーショベルであっても、特定機械等には該当せず、特定機械等に対する製造許可、製造時等検査、検査証等の規制は適用されない。
・ただし、特定機械等に該当しないから規制がないわけではなく、車両系建設機械として、運転資格、定期自主検査、特定自主検査、作業計画、転落・接触防止等の規制を受ける。
【クレーン・デリックの運転資格】
<つり上げ荷重5トン以上>
・原則:クレーン・デリック運転士免許が必要。
<床上操作式クレーンの例外>
・つり上げ荷重5トン以上でも、
床上で運転し、かつ、運転者が荷の移動とともに移動する方式のクレーンは、
床上操作式クレーン運転技能講習の修了者でも運転できる。
・もちろん、クレーン・デリック運転士免許を受けた者も運転できる。
<つり上げ荷重5トン未満>
・特別教育で運転できる。
※5トン未満のクレーン・デリックについて、
クレーン・デリック運転士免許が「必要」というわけではない。
免許を持っている者なら当然運転できるが、最低限必要なのは特別教育。
【ショベルローダー・フォークローダー及び玉掛けの就業制限】
<ショベルローダー又はフォークローダーの運転 法61条・令20条13号・安衛則41条・別表第3>
・最大荷重1トン以上のショベルローダー又はフォークローダーの運転業務は、法61条の就業制限業務に該当し、ショベルローダー等運転技能講習を修了した者等でなければ従事できない。
・最大荷重1トン未満のショベルローダー又はフォークローダーの運転業務は、法61条の就業制限業務ではなく、特別教育の対象となる。
<玉掛けの業務 法61条・令20条16号・安衛則41条・別表第3>
・つり上げ荷重1トン以上のクレーン、移動式クレーン又はデリックの玉掛けの業務は、法61条の就業制限業務に該当し、玉掛け技能講習を修了した者等でなければ従事できない。
・つり上げ荷重1トン未満のクレーン、移動式クレーン又はデリックの玉掛けの業務は、法61条の就業制限業務ではなく、特別教育の対象となる。
【フォークリフト作業と労働安全衛生規則の適用】
・フォークリフトを用いて行う作業には、労働安全衛生規則の適用がある。
<適用される主な規定>
・労働安全衛生規則 第151条の18〜第151条の25(フォークリフトの運転等)
・フォークリフトの運転は、原則として「フォークリフト運転技能講習」修了者に限られる(最大荷重1トン以上の場合)。
・定期自主検査の実施義務(1年以内ごとに1回、または使用頻度に応じて)
・始業前点検の義務(ブレーキ、油圧装置、タイヤなど)
・作業場所の安全確保(通路幅、照明、防止柵など)
・合図者の配置(視界が遮られる場合や狭所作業の場合)
この記事では規制の対象になる機械についてご紹介しました。
次回に続きます!
