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規制の対象になる機械

  • 執筆者の写真: 筒井
    筒井
  • 2024年8月22日
  • 読了時間: 6分

更新日:11月5日

ここでは規制の対象になる機械についてお伝えします。



【特定機械等(労働安全衛生法施行令 第12条)】


<概要>

特定機械等とは、構造や使用状況によって労働災害を引き起こすおそれが特に高い機械・装置のこと。

これらを製造する場合には、管轄の都道府県労働局長の「製造許可」が必要であり、

製造後にも安全を確認するための「検査」を受けなければならない。


<特定機械等の種類>

1 ボイラー

2 圧力容器

3 クレーン

4 移動式クレーン

5 デリック(クレーンの一種)

6 エレベーター

7 建設用リフト

8 ゴンドラ


それぞれ構造や性能についての「規格」による技術基準が定められている。


<クレーンに関する基準>

吊上げ能力が3トン以上のクレーン

(スタッカー式クレーンは1トン以上で該当)

「特定機械等」に分類され、製造許可および検査義務の対象となる。


<検査の区別>

移動式クレーン:製造時に都道府県労働局長等の検査を受ける。

固定式クレーン:設置時に労働基準監督署長の検査を受ける。


<検査証>

検査に合格すると「検査証」が交付される。

検査証には有効期限があり、期限が切れる前に性能検査を受けて更新する必要がある。


<目的>

構造上の欠陥や老朽化による労働災害を未然に防止すること。

高所や重量物を扱う機械等の安全性を確保すること。


<ポイント>

製造許可が必要な機械=特定機械等。

3トン(または1トン)が覚えるべき数字。

製造は労働局長、設置は労基署長が管轄。



【危険・有害な機械等(労働安全衛生法 第42条)】


<概要>

危険または有害な作業を必要とする機械や、危険な場所で使用する機械、

あるいは労働者の危険や健康障害を防止するために使用される機械等については、

安全基準を満たさない限り、譲渡・貸与・設置することが禁止されている。

この条文は、製造や設置の前段階で「安全装置の義務付け」や「構造基準の確保」を定めた規定である。


<法的根拠>

労働安全衛生法 第42条(譲渡等の制限等)

→ 厚生労働大臣が定める「安全装置」や「構造上の基準(規格)」を具備していない機械等は、

 譲渡・貸与・設置・輸入をしてはならない。

→ 基準を満たさない機械は、厚生労働大臣によって「回収命令」などの措置が行われる。


<検定制度>

特に重大災害に直結するおそれがある機械等については、

個別検定」または「型式検定」を受け、

安全性が確認されなければ製造・輸入できない。


・個別検定:1台ごとに安全性・性能を確認する方式。

・型式検定:型式ごとにまとめて構造・性能を審査し、同型製品に適用する方式。


<対象となる主な機械・装置・保護具>

1 ゴム、ゴム化合物又は合成樹脂を練るロール機及びその急停止装置

2 第二種圧力容器

3 小型ボイラー

4 小型圧力容器

5 プレス機械又はシャーの安全装置

6 防爆構造電気機械器具

7 クレーン又は移動式クレーンの過負荷防止装置

8 防じんマスク

9 防毒マスク

10 木材加工用丸のこ盤及びその反発予防装置又は歯の接触予防装置

11 動力により駆動されるプレス機械

12 交流アーク溶接機用自動電撃防止装置

13 絶縁用保護具

14 絶縁用防具

15 保護帽

16 電動ファン付き呼吸用保護具


これらは厚生労働大臣が定める「安全基準(構造規格)」や「安全装置」を具備していなければ、

譲渡・貸与・設置ができない。


<安全上の取扱い例>

・回転中の研磨砥石には覆いを設ける。

・ボール盤・面取り盤など回転刃物で作業する際は、手袋を着用させてはならない。

・機械の掃除・給油・検査・修理は、必ず機械を停止させるか、覆いをしてから行う。


<目的>

・構造や設計段階で安全性を確保し、危険機械の流通・使用を防止する。

・製造者・販売者段階から労働災害を未然に防止する。

・労働者が直接触れる機械や保護具の安全性能を確実に担保する。


<ポイント>

・安全装置や構造基準を具備しないものは「譲渡・貸与・設置禁止」。

・重大災害に直結する機械等は「検定(個別・型式)」が必要。

・厚生労働大臣が定める規格や安全装置の有無で判断する。

・違反した場合は「回収命令」など行政処分の対象となる。



【定期自主検査(労働安全衛生法 第45条)】


<概要>

事業者は、労働災害を防止するため、一定の機械・装置について

厚生労働省令で定めるところにより「定期に自主検査」を行い、

その結果を記録しておかなければならない。

この制度は、事業者自身が安全を維持・管理するための「自己点検制度」である。


<対象となる機械等>

政令(労働安全衛生法施行令)で指定された、

特に危険性や劣化のおそれがある機械・装置が対象となる。


主な対象例:

・ボイラー

・第一種圧力容器・第二種圧力容器

・フォークリフト

・クレーン、移動式クレーン

・エレベーター、建設用リフト

・ゴンドラ

・ロープ式巻上げ機 など


これらは、使用中の故障や劣化によって事故が発生しやすいため、

事業者が「定期に自主検査を実施し、記録を保存」することが義務付けられている。


<検査の内容>

・構造、性能、安全装置、警報装置などが正常に作動するかを確認する。

・不具合や異常が見つかった場合は、直ちに修理・整備を行う。

・検査結果は、所定の様式で記録し、一定期間保存する。


<検査の頻度(例)>

・ボイラー:1年以内ごとに1回

・フォークリフト:1年以内ごとに1回

・クレーン類:1年以内ごとに1回

・ロープ式巻上げ機など:6か月以内ごとに1回

※具体的な周期は「労働安全衛生規則」で定められている。


<目的>

・使用中の劣化や摩耗による事故を未然に防止する。

・事業者自身による日常的な安全確保を徹底する。

・点検記録を通じて安全管理体制の継続的な改善を図る。


<ポイント>

・「定期自主検査」は事業者の義務。

・検査結果は記録して保存(省令による保存期間あり)。

・対象や周期は機械の種類ごとに異なる。

・外部検査(法定検査)とは別に、自主的な点検が求められる。



【機体重量が3トン以上の車両系建設機械は特定機械等に含まれない】

<理由>

・労安法施行令の「特定機械等」リストに車両系建設機械は載っていない

・そのため、製造時の許可制(特定機械等の規制)の対象外



【フォークリフト作業と労働安全衛生規則の適用】

<結論>

・フォークリフトを用いて行う作業には、労働安全衛生規則の適用がある。


<適用される主な規定>

・労働安全衛生規則 第151条の18〜第151条の25(フォークリフトの運転等)

・フォークリフトの運転は、原則として「フォークリフト運転技能講習」修了者に限られる(最大荷重1トン以上の場合)。

・定期自主検査の実施義務(1年以内ごとに1回、または使用頻度に応じて)

・始業前点検の義務(ブレーキ、油圧装置、タイヤなど)

・作業場所の安全確保(通路幅、照明、防止柵など)

・合図者の配置(視界が遮られる場合や狭所作業の場合)


<注意点>

・本規定はフォークリフトを用いた荷役作業全般に適用される。

・荷重1トン未満の場合でも、一部の安全規定や作業方法の基準は適用される。




この記事では規制の対象になる機械についてご紹介しました。

次回に続きます!










 


 
 

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