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変形時間労働制まとめ

  • 執筆者の写真: 筒井
    筒井
  • 2025年5月17日
  • 読了時間: 4分

更新日:5月1日

ここでは変形時間労働制まとめについてお伝えします。



【変形時間労働制まとめ】


<概要>

法定労働時間(週40時間)を弾力化し、業務の繁閑に応じて労働時間を柔軟に配分できる制度。

業務の繁閑に対応しつつ労働時間の短縮を図ることを目的として設けられている。


<1ヶ月単位の変形労働時間制>

・対象期間:1か月以内

・労働時間:週40時間(特例事業44時間)・上限の定めなし

・手続き:労使協定または就業規則に定め、労基署へ届出

・有効期限:定めあり


<週44時間特例(労基法第40条・則25条の2)>

・常時10人未満の事業で、次の業種に限り週44時間まで延長可

  1. 小売業

  2. 理美容業

  3. 保健衛生業(クリーニング・浴場など)

  4. 映画・演劇業

・1日8時間までの範囲で労働させることができる。

・この特例事業であっても、1年単位の変形労働時間制を採用した場合は適用されない。

 (法32条の4、40条1項、則25条の2、H11.3.31基発170号)


<1年単位の変形労働時間制>

・対象期間:1か月超~1年以内

・労働時間の上限:

 - 1日10時間/1週52時間

 - 週48時間を超える週が連続するのは3週以下

 - 週48時間を超える週の初日が属する期間は3日以下

 - 労働日数:年間280日以内

・手続き:労働者代表または労働組合の同意を得て労使協定を締結し、労基署へ届出

・有効期限:定めあり

・特定期間:対象期間中のうち、特に業務が繁忙な期間をいう(法32条の4第1項②)


<特例:対象期間を1か月以上の期間ごとに区分する場合>

・1年単位変形の中で、繁忙・閑散に合わせて「1か月以上の区分」を設けることが可能

・各区分ごとに労働日数・総労働時間を定める

・各区分の初日の少なくとも30日前までに、労働者代表の同意を得て書面で定める


<フレックスタイム制>

・清算期間:1〜3か月以内(1か月以内は届出不要)

・労働時間:週40時間・上限→週50時間

・手続き:労使協定および就業規則の両方に定め、労基署へ届出

・有効期限:定めあり

・労使協定で定める事項(法32条の3第2項)

  1. 対象労働者の範囲

  2. 清算期間(1か月〜3か月以内)

  3. 清算期間における総労働時間

  4. 標準となる1日の労働時間

  5. 労働時間の管理方法

・コアタイム・フレキシブルタイム:設けることができるが、定めなければならないわけではない(任意)

・就業規則では、会社の営業時間・就業時間帯を定めておく必要がある

・フレックスタイム制の要件:

 労働者が始業時刻と終業時刻の両方を自ら決定できることが必要。

 どちらか一方のみを労働者に委ねる制度は、フレックスタイム制には該当しない。

 (根拠:労基法第32条の3第1項、昭和63年1月1日基発1号)


<非定型的変形労働時間制(1週間単位)>

・対象期間:1週間

・労働時間:週40時間・上限 → 1日10時間/週40時間

・手続き:労使協定に定めるのみ(届出・有効期限不要)

・採用できる業種:小売業(商業)、旅館業、飲食店・料理店、接客娯楽業(映画館・劇場・カラオケ・パチンコ等)

 → 語呂:「小・旅・飲・娯(しょう・りょ・いん・ご)」で覚える!

・人数要件:常時使用する労働者が30人未満の事業場であること(則12条の5)

・目的:繁閑の差が激しい短期サイクルの接客・販売系業務に対応するための特例制度



【1年単位の変形労働時間制|協定の途中変更はできない】

・1年単位変形を導入するための労使協定には、

 対象期間、特定期間、労働日・労働時間などを定める必要がある(法32条の4第1項)。

・この協定期間中に、「労使双方が合意すれば変更できる」と書いてあっても、

 定めた特定期間などの一部を途中で変更することはできない。

・つまり、1年単位の変形労働時間制は「事前確定制」。

 繁忙期や人員変更などを理由に、途中で労働時間を組み替えることは不可。

 (昭63・基発1号、令和2年改訂通達も同旨)

・変更したい場合は、いったん協定を終了させ、新たに協定を締結し直す必要がある。



【労働時間の客観的把握と記録保存義務|労働安全衛生規則 第52条の7の3】


<内容>

・労働時間の把握は、以下のいずれかの「客観的な方法」またはその他適切な方法で行う

 例:タイムカード、PC使用時間のログ記録 など


<記録の保存義務>

・把握した労働時間の記録は3年間保存しなければならない


<目的>

・過重労働の防止と、労働時間管理の適正化を図るため

・労働安全衛生法に基づく健康管理や労働基準法の遵守を担保する


<根拠条文>

・労働安全衛生規則 第52条の7の3




この記事では変形時間労働制まとめについてご紹介しました。

次回に続きます!











 


 
 

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