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みなし労働時間制まとめ

  • 執筆者の写真: 筒井
    筒井
  • 2025年10月24日
  • 読了時間: 5分

更新日:5月1日

ここではみなし労働時間制まとめについてお伝えします。



【みなし労働時間制まとめ】


<概要>

・労働時間の算定が困難な場合に一定時間労働したものとみなす制度(38条の2〜4)

・実労働時間と賃金を切り離す例外制度


<種類>

・事業場外労働(38条の2)

・専門業務型裁量労働制(38条の3)

・企画業務型裁量労働制(38条の4)


<事業場外労働>

・対象:事業場外で算定困難な場合

・考え方:実際の労働時間が測れないため「何時間働いたことにするか」を決める

・原則:通常は所定労働時間(例:8時間など)働いたものとみなす

・例外:その業務が所定時間で終わらない場合はその業務に通常必要な時間を働いたものとみなす

・労使協定:あらかじめみなし時間を定めることもできる

・届出:その時間が法定労働時間を超える場合のみ労基署への届出が必要


<専門業務型裁量労働制>

・対象:専門的で業務の進め方や時間配分を本人の裁量に委ねる必要がある業務(省令列挙)

・考え方:仕事のやり方を本人に任せるため実際の時間ではなくあらかじめ決めた時間で評価する

・導入:労使協定で定める

・内容:対象業務・みなし時間・健康確保措置等を定める

・届出:労基署への届出が必要

・効果:実労働時間に関係なく定めた時間働いたものとみなす



【企画業務型裁量労働制】


労使委員会が設置された事業場において、

委員の5分の4以上の多数による決議を行い、かつ使用者が当該決議を行政官庁に届け出た場合に、企画業務型裁量労働制を適用することができる。


この場合、決議においては、対象業務(事業の運営に関する事項についての企画・立案・調査・分析の業務であり、その遂行の手段や時間配分について使用者が具体的な指示をしない業務)および、当該業務を適切に遂行するための知識・経験等を有する労働者(対象労働者)を定める。


そして、当該決議で定めた対象労働者を対象業務に就かせたときは、決議で定めた時間労働したものとみなされる。


・対象:会社の意思決定に関わる企画・立案・調査・分析業務

・考え方:経営判断に関わる業務を本人の裁量に委ねるため時間ではなく成果前提で扱う

・導入:労使委員会を設置し決議で決定(設置必須・5分の4以上)

・決議内容:対象業務(どの業務か)・対象労働者(誰にやらせるか)・みなし時間(何時間働いたことにするか)・健康確保・苦情処理

・適用:決議で定めた対象労働者を対象業務に就かせたとき適用

・届出:行政官庁への届出が必要

・効果:決議で定めた時間働いたものとみなす



<労使協定>

・1日のみなし労働時間数を定めることができる

・その場合、協定を所轄労働基準監督署長に届け出る必要がある

・定める時間は「所定労働時間を超える」ことも可能

・この労使協定は、行政官庁(所轄労働基準監督署長)に届け出なければならない

・ただし、協定で定める時間が「法定労働時間以内」である場合は届出不要

 (法38条の2第3項、則24条の2第3項)


<適用されない場合>

労働時間の算定が可能なため、みなし労働時間制は適用されない

・使用者の具体的な指揮命令下にある(携帯・無線等で随時指示を受ける)

・グループ作業などで労働時間の管理者が存在する

・事業場外でも訪問先等で指揮命令を受けるなど、管理が可能な場合


<適用除外>

次の者には、みなし労働時間制は適用されない(保護規定が優先される)

・年少者(18歳未満)

・妊産婦(妊娠中および産後1年未満の女性)

→ 労基法第6章(年少者)および第6章の2(妊産婦等)の労働時間規定が優先されるため。

→ よって、これらの者には「みなしで労働したものとみなす」ことはできない。

(根拠:法38条の3第1項、則24条の2第1項、H12.1.1基発1号)



【みなし労働時間制の本質(労基法38条の2〜4)】


<基本の考え方>

所定労働時間(例:1日8時間)を基準に、

実際の労働時間を測れないときだけ「○時間働いたものとみなす」制度。


<ポイント>

・「これをやれ」と指示できる仕事は時間の算定が可能=みなし適用外

・所定労働時間と同じ時間なら、改めて時間を定めなくてもよい

・業務が所定より長くかかるなら、

 みなし時間を労使協定で定める or 残業として扱う必要あり

・「通常必要とされる時間」が実態と乖離したら是正が必要


<図れない仕事の具体例と理由>

・外回りの営業:外出中の行動や訪問時間を会社が正確に把握できない

・出張調査・取材:現場ごとに状況が異なり、拘束時間を会社が管理できない

・設備保守・点検員:トラブルの内容次第で対応時間が大きく変わる

・記者・カメラマン:取材先で上司の指示を受けずに動くため把握困難

・研究開発職:作業の進め方・思考過程が個人の裁量に委ねられる


<運用上の前提>

みなし労働時間制は、所定労働時間で終わるか短く済むことを前提に設計されている。

実際に所定時間を超える状態が常態化している場合は、制度の見直しや残業手当の支給が必要。


<裁量労働制との違い>

・みなし労働時間制:会社が労働時間を把握できないため「○時間働いたものとみなす」制度

・裁量労働制:労働者が仕事の進め方や時間配分を自分で決められる仕事に適用する制度

・共通点:実際の労働時間を基準に賃金を変えない

・相違点:

 ─ みなし労働=「測れないから」みなす

 ─ 裁量労働=「自由に決められるから」みなす




この記事ではみなし労働時間制まとめについてご紹介しました。

次回に続きます!











 


 
 

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