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■労働基準法(みなし労働時間制)

2025年10月24日
読了時間: 5分

更新日:8月9日

ここではみなし労働時間制についてお伝えします。



【みなし労働時間制まとめ(労基法38条の2~38条の4)】

<概要(労基法38条の2~38条の4)>

みなし労働時間制とは、実際の労働時間にかかわらず、法令、労使協定又は労使委員会の決議で定めた時間を労働したものとみなして、労働時間を算定する制度。

労働時間・休憩・休日・深夜業等の規定そのものを適用除外とする制度ではない。


<種類(労基法38条の2~38条の4)>

①事業場外労働のみなし労働時間制(労基法38条の2)

②専門業務型裁量労働制(労基法38条の3)

③企画業務型裁量労働制(労基法38条の4)



【事業場外労働のみなし労働時間制(労基法38条の2)】

<適用要件(労基法38条の2第1項)>

労働者が労働時間の全部又は一部について事業場外で業務に従事し、使用者の具体的な指揮監督が及ばず、労働時間を算定し難い場合に適用される。

事業場外で労働していても、使用者の指揮監督が及び、労働時間を算定できる場合には適用されない。


<適用されない場合(労基法38条の2第1項)>

事業場外で業務に従事していても、使用者の具体的な指揮監督が及び、労働時間を算定できる場合には適用されない。

例:携帯電話等で随時使用者の指示を受けながら労働する場合、労働時間を管理する者とともに事業場外で労働する場合など。


<原則(労基法38条の2第1項本文)>

労働時間を算定し難い場合は、所定労働時間労働したものとみなす。


<通常必要とされる時間(労基法38条の2第1項ただし書)>

事業場外の業務を遂行するために、通常、所定労働時間を超えて労働することが必要となる場合は、その業務の遂行に通常必要とされる時間労働したものとみなす。


<労使協定の位置付け(労基法38条の2第1項・第2項)>

事業場外労働のみなし労働時間制は、労使協定の締結を適用要件とする制度ではない。

労使協定により、制度の対象となる労働者の範囲を定めることも義務付けられていない。


<労使協定によるみなし時間(労基法38条の2第2項)>

業務の遂行に通常必要とされる時間について労使協定を締結した場合は、労使協定で定めた時間を、その業務の遂行に通常必要とされる時間とする。


<届出(労基法38条の2第3項、労基則24条の2)>

労使協定で定めた時間が法定労働時間を超える場合は、その労使協定を所轄労働基準監督署長に届け出なければならない。

労使協定で定めた時間が法定労働時間以内である場合は、届出は不要。



【専門業務型裁量労働制(労基法38条の3)】

<対象業務(労基法38条の3第1項1号、労基則24条の2の2第2項、厚生労働大臣告示)>

業務の性質上、その遂行方法を大幅に労働者の裁量に委ねる必要があり、業務遂行の手段及び時間配分の決定等について使用者が具体的な指示をすることが困難なものとして、厚生労働省令及び告示で定められた20業務が対象となる。


<導入手続(労基法38条の3第1項・第2項)>

過半数労働組合又は過半数代表者との書面による労使協定を締結し、その労使協定を所轄労働基準監督署長に届け出なければならない。


<労使協定事項(労基法38条の3第1項、労基則24条の2の2第3項)>

労使協定では、対象業務、1日のみなし労働時間、使用者が具体的な指示をしないこと、健康・福祉確保措置、苦情処理措置、本人同意、不同意者への不利益取扱いの禁止、同意の撤回手続、協定の有効期間及び記録の保存等を定める。


<本人の同意(労基法38条の3第1項6号、労基則24条の2の2第3項1号・2号)>

制度を適用するには、対象労働者本人の同意を得なければならない。

同意しなかったこと又は同意を撤回したことを理由として、不利益な取扱いをしてはならない。


<効果(労基法38条の3第1項)>

対象労働者が対象業務に従事した場合は、実際の労働時間にかかわらず、労使協定で定めた時間労働したものとみなす。



【企画業務型裁量労働制(労基法38条の4)】

<対象業務(労基法38条の4第1項1号)>

事業の運営に関する事項についての企画、立案、調査及び分析の業務であって、業務の性質上、その遂行方法を大幅に労働者の裁量に委ねる必要があり、業務遂行の手段及び時間配分の決定等について使用者が具体的な指示をしないこととする業務が対象となる。


<対象労働者(労基法38条の4第1項2号)>

対象業務を適切に遂行するために必要な知識、経験等を有する労働者が対象となる。


<労使委員会の決議(労基法38条の4第1項)>

企画業務型裁量労働制を導入するには、労使委員会の委員の5分の4以上の多数による決議が必要となる。


<決議事項(労基法38条の4第1項)>

労使委員会では、対象業務、対象労働者の範囲、1日のみなし労働時間、健康・福祉確保措置、苦情処理措置、本人同意、不同意者への不利益取扱いの禁止、同意の撤回手続、賃金・評価制度を変更する場合の説明、決議の有効期間及び記録の保存等を決議する。


<届出及び定期報告(労基法38条の4第1項・第4項、労基則24条の2の3・24条の2の5)>

使用者は、労使委員会の決議を所轄労働基準監督署長に届け出なければならない。

制度導入後は、対象労働者の労働時間の状況、健康・福祉確保措置の実施状況並びに同意及び同意の撤回の状況について、所轄労働基準監督署長に定期報告を行わなければならない。


<本人の同意(労基法38条の4第1項6号・7号)>

制度を適用するには、対象労働者本人の同意を得なければならない。

同意しなかったこと又は同意を撤回したことを理由として、不利益な取扱いをしてはならない。


<不同意者への不利益取扱い禁止の協定事項(労基法38条の3第1項6号、労基則24条の2の2第3項)>

不同意者への不利益取扱いをしてはならないだけでなく、その旨を労使協定に定めなければならない。


<効果(労基法38条の4第1項)>

対象労働者が対象業務に従事した場合は、実際の労働時間にかかわらず、労使委員会の決議で定めた時間労働したものとみなす。



【みなし労働時間制と割増賃金】

<時間外労働(労基法32条・36条・37条)>

みなし労働時間が法定労働時間を超える場合は、その超える時間について時間外労働の割増賃金を支払わなければならない。

法定労働時間を超えて労働させる場合は、36協定の締結及び届出が必要となる。


<休日・深夜労働(労基法35条・37条)>

みなし労働時間制を適用している場合でも、法定休日労働及び深夜労働の規定は適用される。

実際に法定休日又は深夜に労働した場合は、それぞれの割増賃金を支払わなければならない。




この記事ではみなし労働時間制についてご紹介しました。

次回に続きます!











 


 
 

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