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企業型年金

  • 執筆者の写真: 筒井
    筒井
  • 8月13日
  • 読了時間: 6分

更新日:8月15日

ここでは企業型年金についてお伝えします。



【企業型年金の基本ポイント】


<位置づけ>

・企業や事業主が任意で実施する私的年金制度

・加入者は、その企業に勤める従業員(退職後も一定条件で継続可能な場合あり)

・公的年金(国民年金・厚生年金)とは別制度で、上乗せとして機能


<主な種類>

・確定拠出年金(企業型DC)

 → 事業主が掛金を拠出し、運用は加入者が自己責任で行う

・確定給付企業年金(DB)

 → 将来の給付額をあらかじめ約束し、運用は企業が実施


<支給開始年齢>

・規約で定められた年齢(例:60歳開始、65歳開始など)

・請求可能年齢に達しても請求しないまま75歳になると、自動的に老齢給付金を支給


<支給形態>

・年金形式(分割支給)

・一時金形式(まとめて受け取る)

・両方を組み合わせる場合もあり


<請求と注意点>

・請求は加入者本人が行う(公的年金とは別の手続き)

・支給開始年齢や受け取り方は制度ごとに異なる

・企業型年金を受け取り始めても、公的年金の開始年齢は変わらない



【公的年金と企業型年金の違い】


【公的年金と企業型年金の違い&企業型年金の基本】


<基本的な位置づけ>

・公的年金:国が法律に基づき運営(老齢基礎年金・老齢厚生年金など)

・企業型年金:企業や団体が任意で実施する私的年金(確定拠出年金・確定給付企業年金など)


<支給開始年齢>

・公的年金:原則65歳(60〜75歳で繰上げ・繰下げ可)

・企業型年金:制度の規約で定められた年齢(例:60歳開始、65歳開始など)


<支給開始のリンク>

・公的年金と企業型年金は別制度であり、支給開始年齢は連動しない

・企業型年金を60歳から受け取り始めても、公的年金は65歳(原則)のまま


<支給形態>

・公的年金:原則年金形式で毎月支給

・企業型年金:年金形式・一時金形式のどちらか、または選択制


<企業型年金の種類>

・確定拠出年金(企業型DC):掛金を企業が拠出し、運用は加入者が自己責任で行う

・確定給付企業年金(DB):将来の給付額をあらかじめ約束し、運用は企業が実施


<請求手続きと注意点>

・請求は加入者本人が行う(公的年金とは別手続き)

・請求可能年齢に達しても請求しない場合、75歳になった時点で老齢給付金が自動支給(強制支給)

・この「75歳自動支給」は、請求忘れや放置を防ぐための上限措置

・企業型年金の支給開始や受取方法は制度ごとに異なる



【企業型確定拠出年金|二重加入と対応ルール】


<基本ルール>

・企業型確定拠出年金(企業型DC)は、同時に2つ以上の制度に加入できない

・もし資格が重複した場合は、資格取得日から起算して10日以内に1つを選んで届出する(確定拠出年金法13条1項)


<二重加入が起きた場合の取扱い>

・重複期間中の2つ目の掛金は無効扱いとなる

・余分に払った掛金は返還されるのが通常

・返還は加入者本人ではなく、会社(事業主)経由で処理される


<返還時の注意点>

・返還された掛金は「非課税拠出」として扱われなくなる

・そのため、所得税や社会保険料の再計算(追徴や還付)が発生する場合がある


<実務の流れ>

① 会社や記録関連運営管理機関が二重加入を発見

② 加入者に選択を求める(10日以内)

③ 選ばなかった制度の掛金を返還処理

④ 税務・社会保険料の調整



【遺族優先順位まとめ|公的年金 vs 企業型確定拠出年金】


<公的年金(遺族基礎年金・遺族厚生年金)>

・対象:公的年金制度の遺族給付

・第1順位:子のある配偶者、または子

 (配偶者と子が同順位で、同時に受給可能)

・第2順位:父母

・第3順位:孫

・第4順位:祖父母

・第5順位:兄弟姉妹

・子とは18歳到達年度末まで(一定条件で20歳未満まで)の未婚の子を指す


<企業型確定拠出年金(死亡一時金)>

・対象:企業型DCの加入者または元加入者

・第1順位:配偶者(単独優先)

・第2順位:子

・第3順位:父母

・第4順位:孫

・第5順位:祖父母

・第6順位:兄弟姉妹

・生計維持関係のある遺族が対象

・加入者が死亡前に受取人を指定していない場合にこの順位が適用される


<ポイント>

・公的年金は「継続給付」なので子の養育を最優先にする

・企業型DCは「一括給付」なので配偶者を最優先にする

・同じ「遺族」という言葉でも順位ルールが異なるため混同注意



【確定拠出年金法|目的と概要】


<目的>

・高齢化の進展、高齢期の生活の多様化や社会経済情勢の変化に対応するため。

・個人又は事業主が拠出した資産を、運用の指図に基づき運用し、その結果に基づいた給付を受けられる制度を確立する。

・国民が高齢期において自助努力で所得の確保を図り、生活の安定と福祉向上を支援する。


<仕組み>

・拠出(掛金)を行い、その資産を運用。

・運用方法は加入者が自ら選択(=運用の指図)。

・給付額は運用の結果によって変動。

・給付は原則として老齢給付金として支給。


<特徴>

・掛金額はあらかじめ確定(拠出額固定型)。

・運用成果によって将来の受取額が変動。

・企業型と個人型(iDeCo)に分類される。

・受給には一定の加入期間と年齢要件あり。


<関連条文(第1条 要旨)>

「この法律は、個人又は事業主が拠出した資産を、運用の指図に基づき運用し、その結果に基づいた給付を受けられる制度を確立することを目的とする。」



【確定拠出年金法第23条第1項|運営管理機関】


<運営管理機関の定義>

・企業型年金加入者等に係る運用関連業務を行う機関

・「運用関連業務を行う事業主」も含む


<運用商品の提示ルール>

・政令で定めるところにより、対象運用方法(運用商品)を、

 加入者が適切に選択できるよう配慮して提示する

・提示する運用方法の数は、政令で定める上限数以内とする

・かつ、原則として3以上を提示する


<上限数>

・政令で定める数:35(企業型年金規約で定める必要あり)


<目的>

・加入者に多様な選択肢を与える一方で、

 過剰な商品数による選択困難を避けるため



【確定拠出年金法第28条|死亡一時金】


<概要>

・確定拠出年金(企業型・個人型)には「遺族年金」という年金形式の給付はない

・加入者が死亡した場合、積立金は「死亡一時金」として遺族が受け取る


<支給対象>

・加入者が死亡したとき

・年金受給開始前・開始後を問わず、残高がある場合


<受取順位(法定順位)>

1. 配偶者

2. 子

3. 父母

4. 孫

5. 祖父母

6. 兄弟姉妹

(企業型・個人型とも、規約で順位を変えることは可能)


<給付形態>

・一時金として一括支給

・年金形式での支給はなし


<ポイント>

・公的年金(遺族基礎年金・遺族厚生年金)と異なり「年金」ではなく一時金

・死亡時の積立額=給付額となる




この記事では企業型年金についてご紹介しました。

次回に続きます!

 


 
 

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