職業紹介・募集関連事業者
- 筒井

- 8月13日
- 読了時間: 4分
更新日:10月17日
ここでは職業紹介・募集関連事業者についてお伝えします。
<内容>
・誰でも、法律で認められた場合を除いて、他人の就職に入りこんでお金を得ることはできない。
・これは「中間搾取(ちゅうかんさくしゅ)」を防ぐためのしくみ。
・労働者をお金の手段にしないことが目的。
<中間搾取とは>
・他人の就職に介入して、紹介料などで利益を得ること。
・昔の「口入れ屋」などが典型的なイメージ。
・無許可で人を紹介して報酬を得るような行為は、この条文に触れるおそれがある。
<法律で認められるケース>
・職業安定法に基づく「有料職業紹介事業」(厚生労働大臣の許可あり)
・労働者派遣法に基づく「労働者派遣事業」
・ハローワークや学校・自治体による無料職業紹介
<ポイント>
・勝手に紹介して利益を得ることはできない。
・ただし、法律で認められた制度の中では例外的に行うことができる。
<覚え方>
中間搾取は禁止ではなく「できない」
→ ただし、法律で認められた場合のみ例外。)
【職業紹介の手数料まとめ】
<全体のルール>
・手数料のルールは「職業安定法」で定められている。
・労基法6条で中間搾取が制限されているが、職業安定法で許可を受けていれば手数料を受け取ることができる。
<求職者からの手数料>
・原則として、求職者から手数料を受け取ることはできない。
・例外的に、芸能・モデルなど一部の職種でのみ認められる。
・受付手数料:1件あたり約690〜710円(1か月3件まで)。
・上限の目安:就職先の賃金6か月分の約11%(実際にはほとんど徴収されていない)。
<企業(求人者)からの手数料>
・一般的には、企業(求人者)が紹介会社に手数料を支払う。
・代表的な2つの方式:
①上限制手数料:賃金を基にして上限約10.5〜11%。
②届出制手数料:理論年収×届出料率(上限は理論年収の50%、実務では30〜35%程度)。
<ポイント>
・求職者から取るのは例外的、企業側が払うのが通常。
・手数料の金額や上限は厚生労働省の告示で定められている。
・無許可で手数料を取ることはできない。
<覚え方>
職安法:手数料のルールを決める法律
労基法6条:中間搾取を防ぐための基本ルール
【職業紹介・募集関連事業者まとめ】
<職業紹介事業者>
・公共職業安定所(ハローワーク)や民間の職業紹介所
・求職者と求人者の間に入り、雇用契約の成立をあっせんする
・有料・無料の区別あり(有料職業紹介は許可制)
・根拠:職業安定法 第4条第1項
<求人者>
・労働者を雇い入れようとする者
・自社で直接募集する企業や団体を含む
・根拠:職業安定法 第4条第3項
<募集受託者>
・求人者から依頼を受けて労働者の募集を行う者
・新聞社、広告代理店、求人サイト運営会社などが該当
・募集広告の内容に虚偽がないよう義務あり
・根拠:職業安定法 第4条第5項
<特定募集情報等提供事業者>
・インターネット等で募集情報を収集し、求職者に提供する事業者
・求人サイト運営会社などが典型例(ただし募集受託者と異なり、求人者から直接依頼を受けない場合もある)
・一定の情報提供義務あり
・根拠:職業安定法 第4条第6項
<労働者供給事業者>
・労働者を自ら雇用せずに、他人の指揮命令下で労働させる事業
・原則禁止(例外:港湾運送・建設業の一部での事業協同組合など)
・根拠:職業安定法 第44条
≪ポイント≫
・職業紹介事業者=雇用契約成立を仲介
・募集受託者=求人者の依頼で募集を行う
・特定募集情報等提供事業者=ネットなどで募集情報を提供
・労働者供給事業者=他人の指揮命令下で働かせる(原則禁止)
【募集・採用で収集禁止の個人情報】
<根拠>
・職業安定法
・募集や採用における差別的取扱い防止のための規定
<禁止の基本ルール>
・職業紹介事業者、求人者、募集受託者、特定募集情報等提供事業者、労働者供給事業者などは、
特別な職業上の必要性がある場合以外、以下の情報を本人から収集してはならない。
・「収集するだけ」であっても禁止(採用判断に使わなくてもNG)。
<収集禁止項目>
・人種
・民族
・社会的身分
・門地
・本籍
・出生地
・その他社会的差別の原因となるおそれのある事項
・思想及び信条
・労働組合への加入状況
<例外>
・特別な職業上の必要性が存在し、業務目的達成に必要不可欠な場合
・収集目的を示して本人から同意を得た場合でも、上記必要性がなければ収集不可
この記事では職業紹介・募集関連事業者についてご紹介しました。
次回に続きます!


