top of page

◆健康保険・厚生年金(標準報酬月額)

  • 執筆者の写真: 筒井
    筒井
  • 2025年7月3日
  • 読了時間: 13分

更新日:4 日前

ここでは標準報酬月額についてお伝えします。



【健康保険の標準報酬】

<報酬の定義・法3条5項>

・報酬とは、賃金、給料、俸給、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が労働の対償として受けるすべてのものをいう。

・臨時に受けるもの及び3月を超える期間ごとに受けるものは、報酬から除かれる。

・見舞金等の臨時に支給されるものは、報酬に含まれない。


<在宅勤務手当の取扱い>

・在宅勤務手当のうち、電気代や通信費等の実費弁済に相当する部分は、報酬に含まれない。

・実費弁済に当たらず、定額で支給される部分等は、報酬に含まれる。

・在宅勤務手当の支給制度自体に変更がない場合は、固定的賃金の変動には当たらず、随時改定の契機とはならない。


<標準報酬月額・法40条1項>

・標準報酬月額とは、被保険者の報酬月額を等級区分に当てはめて決定した額をいう。

・第1級は、報酬月額63,000円未満で、標準報酬月額は58,000円である。

・第4級は、報酬月額83,000円以上93,000円未満で、標準報酬月額は88,000円である。

・第35級は、報酬月額635,000円以上665,000円未満で、標準報酬月額は650,000円である。

・第50級は、報酬月額1,355,000円以上で、標準報酬月額は1,390,000円であり、最高等級である。


<最高等級の改定・法40条2項>

・毎年3月31日において、最高等級に該当する被保険者数が被保険者総数の100分の1.5を超え、その状態が継続すると認められるときは、その年の9月1日から、政令で最高等級の上にさらに等級を加えることができる。

・改定後の最高等級に該当する被保険者数が、被保険者総数の100分の0.5を下回ってはならない。



【定時決定|健康保険・厚生年金保険共通】

<定時決定による報酬月額の算定・健康保険法41条・厚生年金保険法21条>

・保険者等は、毎年7月1日現在で使用されている被保険者について、原則として4月、5月及び6月に受けた報酬の総額を、その算定対象となる月数で除して得た額を報酬月額とし、標準報酬月額を決定する。

・事業主は、定時決定に必要な事項を被保険者報酬月額算定基礎届に記載して届け出る。

・報酬支払基礎日数が17日未満である月は、報酬月額の算定から除く。

・短時間労働者については、報酬支払基礎日数が11日未満である月を算定から除く。

・算定対象となる月が3月ある場合は、4月、5月及び6月の報酬総額を3で除して報酬月額を算定する。

・報酬支払基礎日数が不足する月を除いた場合は、残った月の報酬総額をその月数で除して報酬月額を算定する。


<定時決定の対象外・健康保険法41条3項・厚生年金保険法21条3項>

・6月1日から7月1日までの間に被保険者資格を取得した者は、その年の定時決定の対象とならない。

・随時改定、育児休業等終了時改定又は産前産後休業終了時改定により、7月、8月又は9月から標準報酬月額を改定され、又は改定されるべき者は、その年の定時決定の対象とならない。


<適用期間・健康保険法41条2項・厚生年金保険法21条2項>

・定時決定により決定された標準報酬月額は、原則としてその年の9月から翌年8月まで適用される。



【随時改定|健康保険・厚生年金保険】

<一般の被保険者の随時改定・健康保険法43条1項・厚生年金保険法23条1項>

・一般の被保険者に係る随時改定は、健康保険と厚生年金保険に共通する制度である。

・昇給、降給等により固定的賃金に変動があった場合に、変動月から継続した3か月間に受けた報酬に基づいて標準報酬月額を改定する。

・継続した3か月間に受けた報酬の平均額に基づく標準報酬月額と、従前の標準報酬月額との間に、原則として2等級以上の差が生じることが必要である。

・継続した3か月間の各月について、報酬支払基礎日数が17日以上であることが必要である。

・短時間労働者については、継続した3か月間の各月の報酬支払基礎日数が11日以上であることが必要である。

・要件を満たした場合は、固定的賃金の変動月から4か月目に標準報酬月額を改定する。


<船員たる被保険者の改定・厚生年金保険法24条の2、船員保険法18条>

・船員たる厚生年金保険の被保険者の標準報酬月額の決定及び改定には、一般の被保険者とは異なる船員保険法の規定が適用される。

・報酬に増減があったこと等により従前の標準報酬月額に該当しなくなった場合は、原則として、その増減等があった月の翌月から標準報酬月額を改定する。

・報酬の増減等が月の初日にあった場合は、その月から改定する。

・一般の随時改定における継続した3か月、各月17日以上又は11日以上、2等級以上という要件は適用されない。



【育児休業等終了時改定|健康保険・厚生年金保険共通】

<改定の要件・健康保険法43条の2第1項・厚生年金保険法23条の2第1項>

・育児休業等を終了した被保険者が、育児休業等終了日において、その育児休業等に係る3歳未満の子を養育している場合に行われる。

・被保険者が事業主を経由して申出をすることが必要である。

・育児休業等終了日の翌日が属する月以後3月間に受けた報酬の平均額に基づき、標準報酬月額を改定する。

・育児休業等終了日の翌日に使用される事業所で、継続して使用された期間に限って算定する。

・従前の標準報酬月額と改定後の標準報酬月額との間に、1等級以上の差が生じることが必要である。

・対象となる3月間のうち、少なくとも1月について報酬支払基礎日数が17日以上であることが必要である。

・短時間労働者については、少なくとも1月について報酬支払基礎日数が11日以上であることが必要である。

・報酬支払基礎日数が17日未満である月は、報酬月額の算定から除く。

・短時間労働者については、報酬支払基礎日数が11日未満である月を算定から除く。

・育児休業等終了日の翌日に産前産後休業を開始している被保険者については、育児休業等終了時改定は行われない。


<改定月>

・育児休業等終了日の翌日が属する月以後3月間の報酬に基づき、その翌月から標準報酬月額を改定する。

・したがって、原則として育児休業等終了日の翌日が属する月から数えて4月目に改定される。


<標準報酬月額の有効期間・健康保険法43条の2第2項・厚生年金保険法23条の2第2項>

・1月から6月までに改定された場合は、改定月からその年の8月まで適用される。

・7月から12月までに改定された場合は、改定月から翌年8月まで適用される。



【産前産後休業終了時改定|健康保険・厚生年金保険共通】

<改定の要件・健康保険法43条の3第1項・厚生年金保険法23条の3第1項>

・産前産後休業を終了した被保険者が、産前産後休業終了日において、その産前産後休業に係る子を養育している場合に行われる。

・被保険者が事業主を経由して申出をすることが必要である。

・産前産後休業終了日の翌日に育児休業等を開始している被保険者については、産前産後休業終了時改定は行われない。


<報酬月額の算定・健康保険法43条の3第1項・厚生年金保険法23条の3第1項>

・産前産後休業終了日の翌日が属する月以後3月間に受けた報酬の総額を、算定対象となる月数で除して得た額を報酬月額とする。

・産前産後休業終了日の翌日に使用される事業所で、継続して使用された期間に限って算定する。

・報酬支払基礎日数が17日未満である月は、報酬月額の算定から除く。

・短時間労働者については、報酬支払基礎日数が11日未満である月を算定から除く。

・従前の標準報酬月額と改定後の標準報酬月額との間に、1等級以上の差が生じることが必要である。


<改定月>

・産前産後休業終了日の翌日が属する月以後3月間の報酬に基づき、その翌月から標準報酬月額を改定する。

・したがって、原則として産前産後休業終了日の翌日が属する月から数えて4月目に改定される。


<標準報酬月額の有効期間・健康保険法43条の3第2項・厚生年金保険法23条の3第2項>

・1月から6月までに改定された場合は、改定月からその年の8月まで適用される。

・7月から12月までに改定された場合は、改定月から翌年8月まで適用される。



【特例退職被保険者の標準報酬月額|健康保険】

<標準報酬月額の決定・法附則3条4項>

・特例退職被保険者の標準報酬月額に関する規定は、健康保険だけに設けられている。

・特例退職被保険者の標準報酬月額は、特定健康保険組合が規約で定める。

・規約で定める額は、前年9月30日における当該特定健康保険組合の特例退職被保険者以外の全被保険者の標準報酬月額の平均額の範囲内でなければならない。

・規約で定めた額を報酬月額とみなし、その額を標準報酬月額等級に当てはめて標準報酬月額を決定する。

・厚生年金保険には、特例退職被保険者の制度はない。



【標準賞与額|健康保険・厚生年金保険】

<標準賞与額の算定>

・健康保険及び厚生年金保険の標準賞与額は、被保険者が受けた賞与額から1,000円未満の端数を切り捨てた額とする。

・同じ月に2回以上賞与が支給された場合は、その月の賞与額を合算して標準賞与額を算定する。


<健康保険の上限・健康保険法45条1項>

・健康保険の標準賞与額の上限は、毎年4月1日から翌年3月31日までの年度累計額573万円である。

・年度内の標準賞与額の累計額が573万円に達した後に支給された賞与については、標準賞与額は0円となる。

・年度累計額が573万円を超える賞与が支給された場合は、573万円からそれまでの年度累計額を控除した残額が、その賞与に係る標準賞与額となる。


<厚生年金保険の上限・厚生年金保険法24条の3第1項>

・厚生年金保険の標準賞与額の上限は、1月につき150万円である。

・同じ月に2回以上賞与が支給された場合は、その月の賞与額を合算し、合計額が150万円を超えるときは150万円を標準賞与額とする。

・厚生年金保険には、健康保険のような年度累計額による上限はない。



【定時決定における一時的な報酬変動の保険者等算定】

<基本・健康保険法44条・厚生年金保険法24条>

・4月、5月及び6月の報酬による通常の定時決定が困難である場合又はその算定額が著しく不当となる場合は、保険者等が報酬月額を算定する。

・単に4月から6月までの報酬が一時的に低下し、その後回復する見込みがあるという理由だけで、将来の見込み報酬により自由に決定できるものではない。


<低額の休職給を受けた場合>

・4月、5月又は6月のうち、1月又は2月について低額の休職給を受けた場合は、その月を除いて報酬月額を算定する。

・4月、5月及び6月のすべての月について低額の休職給を受けた場合は、従前の標準報酬月額により決定する。

・低額の休職給とは、休職しなかった場合に通常受けるべき報酬と比べて低額であり、休職という事由に対して別個に設定された給与をいう。

・病気欠勤等により勤務日数や勤務時間が減少し、その稼働実績に応じて給与が減少しただけの場合は、低額の休職給には該当しない。


<ストライキによる賃金カット>

・4月、5月又は6月のうち、1月又は2月についてストライキによる賃金カットを受けた場合は、その月を除いて報酬月額を算定する。

・4月、5月及び6月のすべての月について賃金カットを受けた場合は、従前の標準報酬月額により決定する。


<給与の遅配・遡及昇給>

・4月、5月又は6月に3月分以前の給与の遅配分を受けた場合は、その遅配分を除いて報酬月額を算定する。

・遡及昇給による差額が4月、5月又は6月に一括して支給された場合は、その差額を除いて報酬月額を算定する。

・4月、5月又は6月に支払われるべき給与の一部が遅配となり、7月以後に支払われる場合も、保険者等算定の対象となる。


<一時帰休による休業手当等>

・7月1日現在で一時帰休が解消している場合は、4月、5月及び6月のうち通常の報酬が支給された月により報酬月額を算定する。

・7月1日現在で一時帰休が解消しておらず、休業手当等が支給されている場合は、休業手当等が支給された月を含めて報酬月額を算定する。

・4月、5月及び6月のすべての月について休業手当等が支給され、7月1日現在で一時帰休が解消している場合は、従前の標準報酬月額により決定する。


<年間平均による保険者等算定>

・当年4月から6月までの報酬による標準報酬月額と、前年7月から当年6月までの年間平均による標準報酬月額との間に2等級以上の差があり、その差が業務の性質上例年発生すると見込まれる場合は、年間平均による保険者等算定の対象となる。

・一時的な私傷病、帰省、介護、海外渡航等による個人的な報酬低下は、業務の性質上例年発生する季節的変動とは異なる。



【減給の制裁と随時改定|健康保険・厚生年金保険共通】

<基本ルール・健康保険法43条・厚生年金保険法23条>

・随時改定は、昇給、降給等による固定的賃金の変動を契機として行われる。

・減給の制裁は固定的賃金の変動には当たらないため、減給の制裁だけでは随時改定の対象とならない。

・減給の制裁によって3か月間の平均報酬額と従前の標準報酬月額との間に2等級以上の差が生じても、随時改定は行われない。


<他の固定的賃金の変動がある場合>

・減給の制裁と同じ月に基本給や役職手当等の固定的賃金の変動があった場合は、その固定的賃金の変動を契機として随時改定の対象となり得る。

・この場合は、減給の制裁による減額分も含めた実際の報酬総額により、2等級以上の差が生じるかを判断する。

・減給の制裁がなかったものとして報酬額を算定することはできない。


<社会保険料への影響>

・減給の制裁だけでは標準報酬月額が改定されないため、健康保険料及び厚生年金保険料は従前の標準報酬月額に基づいて算定される。



【非固定的賃金の新設・廃止による随時改定|健康保険・厚生年金保険共通】

<基本ルール・健康保険法43条・厚生年金保険法23条>

・超過勤務手当等の非固定的賃金であっても、その新設又は廃止は賃金体系の変更に該当するため、随時改定の契機となる。

・基本給等の固定的賃金の額に変更がない場合であっても、非固定的賃金の新設又は廃止があれば、固定的賃金の変動があったものとして取り扱う。

・非固定的賃金の新設又は廃止後の継続した3月間の報酬に基づく標準報酬月額と、従前の標準報酬月額との間に2等級以上の差が生じた場合は、随時改定の対象となる。

・継続した3月間の各月について、報酬支払基礎日数が17日以上であることが必要である。

・短時間労働者については、継続した3月間の各月の報酬支払基礎日数が11日以上であることが必要である。


<非固定的賃金を新設した場合>

・非固定的賃金を新設した月を随時改定の起算月とする。

・新設した月に支給額が0円であっても、その後の継続した3月間のいずれかの月に支給実績があれば、随時改定の対象となり得る。


<非固定的賃金を廃止した場合>

・非固定的賃金を廃止した月を随時改定の起算月とする。

・廃止後の継続した3月間の報酬により2等級以上の差が生じた場合は、変動月から4月目に標準報酬月額を改定する。



【資格取得届の提出期限|健康保険・厚生年金保険・雇用保険】

<健康保険・厚生年金保険の被保険者資格取得届>

・事業主は、被保険者資格を取得した日から5日以内に、被保険者資格取得届を提出する。

・提出先は、日本年金機構の事務センター又は事業所の所在地を管轄する年金事務所である。


<雇用保険の被保険者資格取得届>

・事業主は、被保険者となった日の属する月の翌月10日までに、雇用保険被保険者資格取得届を提出する。

・提出先は、事業所の所在地を管轄する公共職業安定所である。


<労働保険料の納付>

・雇用保険料を含む労働保険料は、原則として年度更新により申告・納付する。

・原則として、毎年6月1日から7月10日までに、前年度の確定保険料と当年度の概算保険料を申告・納付する。




この記事では標準報酬月額についてご紹介しました。

次回に続きます!










 


 
 

関連記事

すべて表示
■健康保険法(保健事業・不服申立て・時効・罰則)

ここでは保健事業・不服申立て・時効・罰則についてお伝えします。 【健康保険法 保健事業・不服申立て・時効・罰則まとめ】 <保健事業(法150条)> ・保険者は、特定健康診査・特定保健指導を行う(義務) ・健康教育、健康相談、疾病予防等を行う(努力義務) ・被保険者等の療養・出産・福祉増進のための資金又は用具の貸付等を行うことができる(任意) ・福祉事業については、「行わなければならない」のではなく

 
 
■家族に対する保険給付

ここでは家族に対する保険給付についてお伝えします。 【家族に対する保険給付】 <家族療養費・法110条> 被扶養者が療養の給付、入院時食事療養、入院時生活療養、保険外併用療養又は療養費に相当する療養を受けたときは、被保険者に対して家族療養費が支給される。 給付の対象は被扶養者であるが、支給先は被保険者である。 被扶養者本人に支給されるものではない点に注意する。 被保険者が死亡した場合、被保険者資格

 
 
□健康保険法(健康保険組合)

ここでは健康保険組合についてお伝えします。 【健康保険組合(組合健保)まとめ】 <概要> 主に大企業等が設立する保険者 事業主と被保険者が共同で運営する 健康保険法に基づく公法人 <設立> 常時700人以上の被保険者を使用する事業主または2以上の事業主で常時3,000人以上の場合に設立可能 厚生労働大臣の認可が必要 被保険者の2分の1以上の同意が必要 複数事業所の場合は各事業所ごとに同意が必要 <

 
 

合同会社Bounce

 103-0027 東京都中央区日本橋2丁目2番3号 RISHEビル UCF402

info@bounce-service.com

営業時間:平日 10:00~17:00
2019年設立 法人番号5010003030195 

©2023 合同会社Bounce。Wix.com で作成されました。

bottom of page