■雇用保険法(解雇制限・解雇予告)
更新日:8月4日
ここでは解雇制限・解雇予告についてお伝えします。
【解雇制限(法19条)】
<解雇が禁止される期間>
・業務上の負傷や疾病で休業している間
・産前産後の休業中
・それぞれの休業が終わった後30日間
<例外的に解雇が認められる場合>
・業務上の負傷や疾病が3年以内に治らないとき
→ 平均賃金の1,200日分に相当する「打切補償」を支払えば解雇可能。
・天災その他やむを得ない理由で事業の継続が不可能なとき
→ 労働基準監督署長の認定を受ければ解雇できる。
【解雇予告と解雇予告手当(法20条)】
<解雇予告の原則>
・解雇する場合は、少なくとも30日前に予告をする。
・30日前に予告しないときは、足りない日数分の平均賃金を支払う(解雇予告手当)
(例)
25日前に解雇した場合 → 5日分の平均賃金を支払う。
<予告期間中の取り扱い>
・解雇予告期間中に休日や休業日があっても、期間は延長されない。
・解雇予告と同時に休業を命じ、その期間に休業手当を支払う形でも予告として有効。
<解雇予告の適用場面>
労働者が自ら退職する場合や、労働者が一方的に労働契約を解約する場合には、労基法20条の解雇予告は適用されない。
<解雇予告手当には時効が生じない>
解雇予告手当は「解雇と同時に支払うべきお金」。
支払いがなければ、そもそも解雇が成立しない。
<解雇予告が不要となる場合>
・天災などで事業の継続が不可能になり、労働基準監督署長の認定を受けたときは、
予告や手当の支払いをしなくても解雇できる。
<複数事業場で使用される労働者の解雇制限 法19条>
・労働者が複数の事業主に使用されている場合、業務上の負傷・疾病に係る解雇制限は、負傷・疾病の原因となった業務を行わせた使用者について適用される。
・X社の業務上負傷により療養休業している場合、X社は療養のため休業する期間及びその後30日間、原則として解雇できない。
・原因となった業務と関係のないY社には法19条の解雇制限は適用されないため、Y社は解雇することができる。
【期間を超えて引き続き使用される場合(法20条)】
<原則>
解雇予告の適用除外に該当する者でも、一定期間を超えて引き続き使用される場合は、解雇予告の規定が適用される。
<適用される場合>
・日雇労働者
1か月を超えて引き続き使用される場合
・2か月以内の期間を定めて使用される者
所定の期間を超えて引き続き使用される場合
・4か月以内の季節的業務に使用される者
所定の期間を超えて引き続き使用される場合
・試用期間中の者
14日を超えて引き続き使用される場合
【解雇予告と解雇理由証明書(法22条)】
解雇予告を受けた労働者は、解雇予告の日から退職の日までの間に、解雇の理由について証明書を請求することができる。
労働者から解雇理由証明書の請求があった場合、使用者は遅滞なく交付しなければならない。
<交付義務がない場合>
解雇予告後に、労働者がその解雇以外の理由で退職した場合は、使用者に解雇理由証明書の交付義務はない。
【定年による雇用終了と解雇制限(法19条)】
・就業規則に、定年到達日の翌日に雇用契約が自動終了する旨の定めがある場合、定年による雇用関係の終了は「解雇」ではない。
・その定年制が従来から運用され、従業員にも周知徹底されている場合、労基法19条1項の解雇制限の問題は生じない。
・つまり、労災療養中などで解雇制限期間中であっても、定年による当然終了は解雇制限の対象にならない。
この記事では解雇予告・解雇制限についてご紹介しました。
次回に続きます!
