訪問看護
- 筒井

- 8月5日
- 読了時間: 5分
更新日:8月15日
ここでは訪問看護療養についてお伝えします。
●訪問看護療養費
指定訪問看護事業者を利用した場合、
一部負担金を支払うことで残りの費用が保険給付されます。
【指定訪問看護事業者】
<定義>
厚生労働大臣の指定を受けた以下の者が行う訪問看護事業の実施者。
対象職種:看護師・保健師・助産師・准看護師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士
<指定の手続>
開設者の申請に基づき、「事業所ごと」に厚生労働大臣が指定を行う。
<諮問の有無>
・指定、指定の取り消し、指定の拒否 → 地方社会保険医療協議会への諮問は不要
・運営基準の設定 → 中央社会保険医療協議会への諮問が必要(諮問は義務)
<指定しない場合(拒否要件)>
申請者が、申請日前日までに以下の状態にあるときは、指定しない。
・国税・地方税・社会保険料などで滞納処分を受けている
・そのうえ、正当な理由なく3か月以上滞納している
<試験対策メモ>
・指定は“大臣が事業所ごとに”行うこと
・指定そのものの際は「地方協議会への諮問は不要」
・基準設定の際は「中医協への諮問が必要」=ここが狙われポイント
・滞納処分+3か月以上の滞納で“指定しない”ことも押さえる
【指定訪問介護事業者の指定拒否要件|社会保険料の滞納】
<対象法令>
・介護保険法施行規則 第18条
<指定拒否されるケース>
・厚生労働大臣は、申請者が以下すべてに該当する場合、その指定をしてはならない。
<要件>
・申請日前日までに、社会保険各法に基づく滞納処分を受けている
・その滞納処分の日から、正当な理由なく3か月以上経過している
・納期限の到来した社会保険料を、すべて引き続き滞納している
<重要ポイント>
・対象は「社会保険料」のみ(地方税は含まれない)
・「すべて」滞納していることが条件(=一部納付ではダメ)
【指定訪問看護の費用と領収書交付のルール】
<制度の内容>
指定訪問看護事業者は、訪問看護に要した費用について支払いを受けた場合、その被保険者に対して、
・基本利用料
・その他の利用料
をそれぞれ区分して記載した「領収書」を交付しなければならない。
<キーワードの解説>
・基本利用料:
→ 訪問看護のうち、基本的なサービスにかかる定額料金のこと。
例えば、1回の訪問(30分未満・30〜60分など)に応じて設定される標準的な費用。
・その他の利用料:
→ 追加的にかかる費用(例:特別管理加算、夜間・早朝・深夜の訪問加算など)。
基本利用料に含まれない、状況に応じた費用がこちらに分類される。
・費用ごとの区分:
→「これは基本料金」「これは加算部分」といったように、内訳を分けて記載すること。
被保険者(利用者)が内容を確認しやすくするためのルール。
<目的>
・利用者が請求内容を正確に把握できるようにする
・不正請求や誤請求の防止につながる
【訪問看護で加算にならない/保険が効かないとき】
<原則>
・基本利用料や各種加算(夜間・早朝・特別管理など)は、介護保険の給付対象となる。
<加算にならない/保険が効かない場合>
・保険対象外となる次のような費用は、全額自己負担となる。
<主な対象外の例>
・通常の訪問看護時間外に、利用者の希望で追加的に行われるサービス(介護保険に定めがないもの)
・キャンセル料(当日キャンセルや無断キャンセルなど)
・交通費(※訪問看護ステーションの所在地域を超える移動などで特別な費用がかかる場合)
・衛生材料費(例:ガーゼや包帯など、通常の範囲を超えて実費徴収が認められているもの)
・医師の指示がない「みなし看護」(介護サービスとみなされるもの。医療的管理が必要ない場合)
<注意>
・「保険が効くかどうか」は、医師の指示書や利用計画に基づいて決まる。
・加算の算定要件を満たさない場合は、加算できない=その分の単位はつかない。
<まとめ>
・基本と加算は原則保険対象。
・保険外サービスを提供した場合、区分して別途請求(領収書で明記)が必要。
【介護保険法第115条の45|訪問看護事業における包括的かつ効率的】
<条文の位置づけ>
・介護保険法第115条の45は、市町村や都道府県が行う訪問看護事業に関する規定の一部
・訪問看護ステーション等の運営において、サービスが「包括的かつ効率的」に提供されることを求めている
<包括的とは>
・要介護者等の生活全般を見渡し、必要な看護サービスを切れ目なく提供すること
・医療面だけでなく、介護・リハビリ・生活支援など多面的な支援を組み合わせる
・地域の医療機関や居宅介護支援事業者(ケアマネ)等と連携し、利用者に必要なサービスを網羅
<効率的とは>
・資源(人員・時間・費用)を有効活用し、無駄や重複のないサービス提供を行うこと
・訪問回数や時間配分を適切に計画し、必要に応じて他職種と役割分担
・情報共有の仕組みを整備し、二重対応やサービス抜けを防ぐ
<実務上のポイント>
・包括性=多職種連携(医師・看護師・PT/OT・ケアマネ・介護職)
・効率性=訪問ルートやスケジュールの最適化、ICTの活用
・利用者一人ひとりのアセスメントを基に、医療・介護の両面から計画立案
・地域包括ケアシステムの一部として位置づけられる
<まとめ>
・「包括的」は“幅広く途切れなく”
・「効率的」は“無駄なく最適に”
・この2つを同時に満たすことが、訪問看護事業の質の確保と持続性につながる
この記事では家族や高額なときの訪問看護療養についてご紹介しましました。
次回へ続きます!


