賃金支払の五原則
- 筒井

- 2024年7月28日
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更新日:10月20日
ここでは賃金支払の五原則についてお伝えします。
【労基法第24条|賃金支払いの五原則】
<基本ルール>
賃金は次の5つの原則に従って支払わなければならない。
① 通貨で
② 労働者本人に直接
③ 全額を
④ 毎月1回以上
⑤ 一定の期日を定めて支払う
<通貨以外での賃金の支給>
定期券や商品券などの現物支給は、労働組合との「労働協約」に定めがある場合のみ認められる。
→ 協約がなければ現物支給は違法。
<労働者本人以外への支払い>
職業紹介者や家族など、労働者本人以外への支払いは原則禁止。
ただし、本人が病気等でやむを得ず受け取れない場合に限り、家族等への支払いが認められる。
また裁判所の差押命令に基づく支払いは、法令に基づく例外として認められる。
→ 使用者が債権者に直接支払っても「直接払いの原則」に抵触しない。
(民事執行法に基づく正当な手続)
<全額払いの原則と控除の制限>
賃金から税金や社会保険料以外の費用を控除する場合は、労使協定が必要。
(例:社宅費・食費などの控除は協定なしでは違法)
<確認ポイント>
上記の行為は、定められた条件を満たしていない限り認められない。
使用者は、労働協約や労使協定の有無を確認する責任がある。
【労働契約・労働協約・労使協定・就業規則の関係】
優先順位 | 名称 | 当事者 | 法的性質・特徴 | 効力・関係性 |
① | 法令(労基法など) | 国・全労働者に適用 | 強行法規(下回る取り決めは無効) | すべての基準のベース |
② | 労働協約 | 労働組合 × 使用者 | 団体交渉で定めた取り決め | 就業規則や労働契約よりも優先(不利益変更不可) |
③ | 就業規則 | 使用者が作成・届け出 | 全労働者に適用(統一ルール) | 労働契約より優先(合理的不利益変更でなければ) |
④ | 労働契約 | 労働者 × 使用者 | 個人契約 | 就業規則より有利な場合はその部分が優先される(労契法12条) |
⑤ | 労使協定 | 労働者代表 × 使用者 | 法定事項の例外を定める協定 | 基本的には法の枠内で効力。法令や協約に反する場合は無効。 |
この記事では賃金支払の五原則についてご紹介しました。
次回に続きます!


