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高度プロフェッショナル制度

  • 執筆者の写真: 筒井
    筒井
  • 10月20日
  • 読了時間: 3分

ここでは高度プロフェッショナル制度についてお伝えします。



【高度プロフェッショナル制度(高プロ)|法41条の2】

<制度の概要>

労働時間・休憩・休日・時間外割増の規定を適用しない代わりに、

成果に基づいて賃金を支払う制度。

労使委員会の決議と本人の同意が必要。


<対象業務>

高度な専門知識を必要とし、労働時間で成果を測るのが適切でない業務。

例:

a 金融商品の開発・ディーリング業務

b 資産運用関連の分析・助言業務

c 企業経営に関する調査・分析業務

d 新技術・新商品の研究開発業務


<対象労働者の範囲>

・使用者と労働者の合意により、業務・成果基準・報酬を明確化。

・年収要件:1075万円以上(基準年間平均賃金の3倍程度)。


<健康管理時間の把握>

・使用者は労働時間に準じて「健康管理時間」を把握する。

・年104日以上、4週4日以上の休日を確保。

・労働時間の代わりに、健康確保措置が義務づけられる。


<選択的措置(いずれかを実施)>

a 始業から24時間以内に11時間以上の連続した休息時間を確保すること。

 かつ、深夜業(22時~5時)の労働回数を1か月につき4回以内とすること。

b 1週間の健康管理時間が40時間を超えた場合、

 その超過が1か月100時間または3か月240時間を超えないようにすること。

c 年1回以上の連続2週間、または年2回以上の連続1週間の休日を与えること。

d 健康診断で脳・心臓疾患のリスクが高い者や、

 週当たりの健康管理時間が40時間を超え、

 さらに月当たり80時間を超える労働者、または申出があった者については、

 医師による面接指導を実施すること。


<健康・福祉確保措置>

・健康管理時間の状況に応じ、対象労働者の健康および福祉を確保する措置を講ずる。

・年次有給休暇の付与促進、健康診断実施、医師の指導などを行う。


<本人同意と撤回>

・本人の書面同意が必要。

・同意はいつでも撤回できる。撤回手続きを明示しておくこと。


<苦情処理措置>

・対象労働者からの苦情処理手続きを定め、使用者が誠実に対応する義務を負う。


<不利益取扱いの禁止>

・同意をしなかった、または撤回した労働者に対して、

 解雇・降格などの不利益取扱いをしてはならない。


<労使委員会の決議と運営>

・5分の4以上の多数による議決。

・決議の有効期間を定め、再度の決議を行わない限り更新されない。

・労使委員会の開催制度および開催時期を定める。


<労使委員会の決議と運営>

・労使委員会は5分の4以上の多数による議決で行う。

有効期間を定め、再度の決議を行わない限り更新されない。

・労使委員会の開催制度および開催時期を定めておくこと。


<医師の選任>

常時50人未満の事業場であっても、 健康管理措置を実施するために必要な知識を有する医師を選任しなければならない。


<記録の保存>

・対象労働者ごとの記録および関連事項を、有効期間中および満了後も保存。

・記録の保存:原則5年間(場合により3年間)

・保存内容:

 a 本人同意および撤回に関する記録

 b 合意に基づいて定められた職務の内容

 c 支払われる賃金の額

 d 健康管理時間の状況

 e 措置(健康確保や苦情処理など)の実施状況

 f 医師の選任に関する事項


<行政官庁への報告>

・使用者は6か月以内ごとに、 健康管理時間の状況および措置の実施状況を、 行政官庁(所轄労働基準監督署長)に報告しなければならない。


<キーワード>

有効期間あり・自動更新なし

常時50人未満でも医師選任義務あり

記録の保存は5年(3年)

6か月以内ごとに報告義務




この記事では高度プロフェッショナル制度についてご紹介しました。

次回に続きます!











 


 
 

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