top of page

[基礎・厚生]外国人の年金

  • 執筆者の写真: 筒井
    筒井
  • 7月30日
  • 読了時間: 4分

更新日:8月16日

ここでは外国人の年金についてお伝えします。




【中長期在留者の第1号被保険者資格】


<対象者>

・日本に住所を有する外国人(中長期在留者、特別永住者など)


第1号被保険者の要件>

・20歳以上60歳未満

・日本国内に住所を有する

→ この条件を満たせば、日本人と同様に第1号被保険者となる


<資格発生のタイミング>

・住民票が作成された日(住民登録された日)が資格発生日となる

・入国後に転入届を提出し、住民票が登録された時点で自動的に資格が発生する


<注意点:14日以内の届出について>

外国人は転入届を14日以内に提出する義務がある

・ただし、資格発生日は「住民票作成日」であり、届出の遅れと資格発生は別問題


<関連条文>

・国民年金法 第6条

・住民基本台帳法 第5条/施行令



【外国人の任意加入】


<対象者>

・海外に居住している日本国籍の人(留学・駐在など)

・または外国人であっても「日本に住所を有する者」のうち、強制被保険者でない者


<加入できるケース(例)>

・日本に居住している外国人で、第1号被保険者の年齢(20歳以上60歳未満)に該当し、

 他の制度(厚生年金・共済年金など)に加入していない場合

・老齢基礎年金の受給資格を満たすために60歳以上で任意加入する場合(国籍は問わない)


<注意点>

・外国人であっても「日本に住所を有する」ことが必要(住民票がある)

・日本国籍を持たない外国人でも、要件を満たせば任意加入できる

・海外在住の外国人は原則対象外(適用除外)


<関連条文>

・国民年金法 第7条・第9条

・施行令・施行規則による細則



<任意加入できる外国人の例>

パターン

任意加入できる?

備考                          

日本に住んでいる中長期在留者(60〜65歳)

✅できる

受給資格期間が足りない人(10年未満)などが対象

日本に住んでいる中長期在留者(65〜70歳)

✅できる

受給資格期間がある人が年金額を増やしたい場合(※繰下げしない人)

海外に住んでる外国人

❌できない

任意加入できるのは「海外にいる日本人」だけ

特別永住者など永住権を持って日本に住む外国人

✅できる

他の日本人と同じ扱い(住所さえあれば)



【外国人の適用除外】


<対象者>

・外国籍の者のうち、次のいずれかに該当する者は国民年金の適用除外となる


<適用除外となるケース>

・日本に住所を有していない者(海外在住の外国人)

・外国政府の外交官や領事官など

・社会保障協定によって本国の制度が適用されることが決まっている者

・観光や短期滞在などの短期在留資格者


<注意点>

・適用除外であっても、一定の要件を満たせば「任意加入」できるケースもある

・社会保障協定の内容により、保険料免除や通算制度が適用される場合がある

・特定の在留資格者(技能実習、特定技能など)については別途扱いあり


<関連条文>

・国民年金法 第6条、第7条

・国民年金法施行令・各種協定関連資料





<対象者>

・日本国籍を持たない外国人で、厚生年金保険の被保険者期間が6か月以上ある人

・老齢厚生年金などの年金を一度も受け取ったことがない人

・帰国などにより日本に住所がなくなった人

・資格喪失日の翌日から2年以内に請求すること

 (ただし資格喪失日に国内住所があった場合は、その住所を有しなくなった日の翌日から2年以内)


<支給内容>

・支給されるのは、保険料納付済期間に応じた一時金

・計算には「報酬比例部分(定額部分はない)」が使われる


<支給率の決定方法>

・支給率は、請求者の資格喪失日の属する年度の「前年度10月」の保険料率に2分の1を乗じて得た率

(=その年度の標準報酬月額 × 支給率 × 加入月数)

・保険料率は毎年見直されるため、請求年度によって変動する

・支給対象となる月数の上限は60月(5年)

 → それ以上の加入があっても、支給は60月分までが限度


<注意点>

脱退一時金を受け取ると、その期間は将来の年金加入期間にカウントされない(通算から除外される)

・その後日本に戻って厚生年金に再加入しても、リセットされた扱いになる

・社会保障協定がある国の人は、協定内容により脱退一時金の対象外になることがある


<関連条文>

・厚生年金保険法 第80条の2




この記事では外国人の年金についてご紹介しました。

次回に続きます!










 


 
 

関連記事

すべて表示
適用事業所の範囲と種類

ここでは適用事業所の範囲と種類についてお伝えします。 [目次] 【適用事業所の種類|健康保険・厚生年金・雇用保険】 【適用事業所における業種区分(1号〜15号)】 【健康保険・厚生年金|適用事業所(共通版)】 【原則として適用事業所にならない職業(個人事業主の場合)】 【任意特定適用事業所(健康保険・厚生年金)】 【任意適用事業所(雇用保険)|労働者の希望による加入申請義務】 <定義> ・雇用保険

 
 
70歳以上被用者

ここでは70歳以上被用者についてお伝えします。 【70歳以上被用者と厚労大臣の本人確認情報チェック】 <基本ルール> ・厚生年金は70歳到達で被保険者資格を喪失する ・しかし、 適用事業所で働く70歳以上の者については「70歳以上被用者に係る標準報酬月額」が設定される ・これは老齢厚生年金の在職老齢年金の調整に用いられる <本人確認情報のチェック> ・厚生労働大臣(実務:日本年金機構)は

 
 
複数事業所勤務と加入の取扱い

ここでは複数事業所勤務と加入の取扱いについてお伝えします。 【厚生年金|複数事業所勤務と加入の取扱い】 <状況> ・本人が2つ以上の会社(適用事業所)で厚生年金加入要件を満たして働いている場合 ・すべての会社で週30時間以上勤務などの条件を満たしているケース <基本ルール> ・厚生年金保険は「1人1保険関係」が原則  → 複数の事業所で要件を満たしていても、加入できるのは1事業所のみ <取り扱い>

 
 

合同会社Bounce

 103-0027 東京都中央区日本橋2丁目2番3号 RISHEビル UCF402

info@bounce-service.com

営業時間:平日 10:00~17:00
2019年設立 法人番号5010003030195 

©2023 合同会社Bounce。Wix.com で作成されました。

bottom of page