■安全衛生法(健康診断)
更新日:7月27日
ここでは健康診断についてお伝えします。
【一般健康診断・定期健康診断まとめ】
<健康診断の実施義務 法66条1項>
・事業者は労働者に健康診断を実施する義務がある。
・雇入れ時健康診断は常時使用する労働者に限る。
・通常の労働者と同じ所定労働時間で働く有期労働契約労働者は、労働契約期間が1年以上である場合、雇入れ時健康診断の実施義務の対象となる。
・派遣労働者が6ヶ月以上継続して派遣される場合、派遣元が雇入れ時健康診断を行う。
<パートタイム労働者の健康診断 法66条1項、令和4.6.24雇均発0624第1号>
・期間の定めのない労働契約により使用され、1週間の労働時間が同種業務に従事する通常の労働者の1週間の所定労働時間の4分の3以上である者は、健康診断の対象となる。
・有期労働契約により使用されるパートタイム労働者であっても、1週間の労働時間が同種業務に従事する通常の労働者の1週間の所定労働時間の4分の3以上であり、次のいずれかに該当する者は健康診断の対象となる。
①契約期間が1年以上(特定業務従事者は6か月以上)である者
②契約更新により1年以上使用される予定の者又は1年以上引き続き使用されている者
<保健指導 法66条の7第1項>
・事業者は、一般健康診断若しくは労働者指定医師による健康診断又は自発的健康診断の結果、特に健康の保持に努める必要があると認める労働者に対し、医師又は保健師による保健指導を行うように努めなければならない。
・保健指導の具体的な内容には、日常生活面での指導や栄養面での指導などがある。
<健康診断結果の通知 法66条の6>
・健康診断の結果は遅滞なく労働者に通知する。
<健康診断結果報告 則52条1項>
・常時50人以上の事業場は定期健康診断結果報告書を労基署へ提出する。
・特定業務従事者の健康診断(定期のものに限る。)については、常時50人以上の労働者を使用する事業場に結果報告義務がある。
・特殊健康診断(定期のものに限る。)については、労働者数にかかわらず結果報告義務がある。
<医師等からの意見聴取 法66条の4、則51条の2>
・異常所見がある労働者の必要な措置については、医師または歯科医師の意見を聴く。
・健康診断の結果について、事業者は二か月以内に医師の意見を聴き、その意見・事後措置内容を健康診断個人票に記載しなければならない。
<健康診断結果に基づく事後措置 法66条の5第1項>
・事業者は、法66条の4による医師又は歯科医師の意見を勘案し、その必要があると認めるときは、当該労働者の実情を考慮して、就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮、深夜業の回数の減少等の措置のほか、作業環境測定の実施、施設又は設備の設置若しくは整備、衛生委員会若しくは安全衛生委員会又は労働時間等設定改善委員会への報告その他適切な措置を講じなければならない。
<健康診断個人票の保存 法66条の3、則51条>
・健康診断個人票は作成日から5年間保存する。
<再検査・精密検査>
・一般健康診断の「再検査」「精密検査」は、事業者の義務ではなく労働者自身が行う。
<雇入れ前健診の省略ルール 則43条>
・雇入れ前の健診が3ヶ月以内であれば、同一項目を省略できる。
<定期健康診断で省略できる項目 則44条>
・次の項目は40歳未満は省略可。
貧血検査/肝機能検査/血中脂質検査/血糖検査/心電図検査/腹囲
<省略できない特例 則44条>
・35歳だけは上記の省略を認めない。
<雇入れ前健診の省略ルール>
・雇入れ前の健診が3ヶ月以内であれば、同一項目を省略できる。
<定期健康診断:省略できる項目(40歳未満)>
・次の項目は40歳未満は省略可。
貧血検査/肝機能検査/血中脂質検査/血糖検査/心電図検査/腹囲
<省略できない特例(35歳)>
・35歳だけは上記の省略を認めない。
【臨時の健康診断の実施指示(法66条)】
都道府県労働局長は、労働者の健康を保持するため必要があると認めるときは、事業者に対し、臨時の健康診断の実施その他必要な事項を指示することができる。
※この指示は、その事業場の産業医ではなく、労働衛生指導医の意見に基づいて行われる。
【深夜業を含む業務の健康診断(法66条)】
事業者は、深夜業を含む業務に常時従事する労働者については、当該業務への配置替えの際及び6月以内ごとに1回、定期に、労働安全衛生規則で定める項目について健康診断を行わなければならない。
※深夜業を含む業務に常時従事する労働者は、特定業務従事者の健康診断の対象となる。
【海外派遣労働者の健康診断(法66条)】
事業者は、労働者を本邦外の地域に6月以上派遣しようとするときは、あらかじめ、当該労働者に対し、定期健康診断の検査項目及び厚生労働大臣が定める項目のうち、医師が必要であると認める項目について、医師による健康診断を行わなければならない。
また、本邦外の地域に6月以上派遣した労働者を本邦の地域内における業務に就かせるときも、同様に健康診断を行わなければならない。
※一時的に本邦の業務に就かせるときは除く。
【特別健康診断(有害業務)(法66条2項・3項)】
<特別健康診断>
・事業者は、政令で定める有害業務に従事する労働者に対し、医師による特別健康診断を行わなければならない。
・実施時期は、雇入れ時、配置替え時、その後当該業務に従事した後、6か月以内ごとに1回。
・ただし、業務の種類によって健診内容・実施頻度は異なる。
<歯科医師による健康診断>
・事業者は、有害業務のうち、歯又はその支持組織に有害な業務に従事する労働者に対し、歯科医師による健康診断を行わなければならない。
・一定の有害業務では、歯科医師による健診も必要となる。
<再検査・精密検査>
・特別健康診断については、再検査及び精密検査も事業者が実施する義務がある。
・対象となる主な規則は、有機溶剤中毒予防規則、鉛中毒予防規則、特定化学物質障害予防規則、高気圧作業安全衛生規則、石綿障害予防規則。
<代表的な有害業務の例>
・鉛業務:鉛溶解炉、はんだ、鉛バッテリー製造など。
・有機溶剤業務:シンナー、トルエン、キシレンを扱う塗装・清掃作業など。
・粉じん業務:研磨、解体、鉱山作業など。
・特定化学物質業務:ベンゼン、クロム化合物、アスベスト等を扱う業務。
・高気圧業務:潜水作業、シールド工法など。
・放射線業務。
・四アルキル鉛業務。
【濃度基準値設定物質・リスクアセスメント対象物健康診断(則22条11号)】
・濃度基準値設定物質とは、リスクアセスメント対象物のうち、一定程度のばく露に抑えることにより、労働者に健康障害を生ずるおそれがない物として厚生労働大臣が定めるものをいう。
・リスクアセスメント対象物健康診断とは、リスクアセスメント対象物を製造し、又は取り扱う業務に常時従事する労働者等に対して行う、医師又は歯科医師による健康診断をいう。
【長時間労働者に対する面接指導】
<面接指導の対象者 法66条の8第1項、則52条の2第1項>
・休憩時間を除き1週間当たり40時間を超えて労働させた時間が1月当たり80時間を超え、かつ、疲労の蓄積が認められる労働者が対象となる。
・面接指導は、当該要件に該当する労働者の申出により行う。
<長時間労働に関する情報の通知 則52条の2第3項>
・事業者は、休憩時間を除き1週間当たり40時間を超えて労働させた時間が1月当たり80時間を超えた労働者に対し、当該超過時間に関する情報を速やかに通知しなければならない。
【健康診断と賃金・実施時間の取扱いまとめ】
<一般健康診断の賃金>
・一般健康診断を受けるために要した時間の賃金は、事業者が支払うことが望ましいとされている。
<特別健康診断の賃金・時間>
・特別健康診断は、その性質上「事業の遂行に欠かせないもの」とされている。
・原則として、所定労働時間内に実施されるべきものとされる。
・もし所定労働時間外に実施した場合は、割増賃金を支払わなければならない。
<根拠>
・労働安全衛生法66条
・昭和47年9月18日 基発602号
この記事では健康診断についてご紹介しました。
次回に続きます!
