■安全衛生法(計画の届出・監督等その他)
- 筒井

- 2025年11月18日
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更新日:8月9日
ここでは監督等その他についてお伝えします。
【計画の届出等(法88条2項・3項)】
<大規模建設業の仕事の計画届 法88条2項・則89条>
事業者は、建設業に属する事業の仕事のうち、重大な労働災害を生ずるおそれがある特に大規模な仕事を開始しようとするときは、その計画を仕事開始日の30日前までに厚生労働大臣に届け出なければならない。
対象となるのは、高さ300メートル以上の塔、堤高150メートル以上のダム、最大支間500メートル以上の橋梁(つり橋は1,000メートル以上)、長さ3,000メートル以上のトンネルなど、通常の建設工事より特に規模が大きく、重大な労働災害のおそれがある建設工事である。
・届出期限:仕事開始日の30日前まで
・届出先:厚生労働大臣
<一定の建設業・土石採取業の仕事の計画届 法88条3項・則90条>
事業者は、大規模建設業の仕事には該当しない建設業又は土石採取業の一定の仕事を開始しようとするときは、その計画を仕事開始日の14日前までに所轄労働基準監督署長に届け出なければならない。
建設業とは、建築物、道路、橋、トンネルなどを建設、改造、解体する事業をいい、対象となる仕事には、高さ31メートルを超える建築物又は工作物の建設・改造・解体、最大支間50メートル以上の橋梁工事、労働者が内部に立ち入るトンネル工事、深さ又は高さ10メートル以上の地山の掘削工事、圧気工法による工事、一定の石綿除去工事、一定規模の廃棄物焼却施設の解体工事などがある。
土石採取業とは、採石場や砂利採取場などで岩石、砂利、砂その他の土石を採取する事業をいい、対象となる仕事には、深さ又は高さ10メートル以上の土石採取のための掘削作業や、坑内で土石を採取するための掘削作業がある。
・届出期限:仕事開始日の14日前まで
・届出先:所轄労働基準監督署長
・法88条2項の大規模建設業の仕事は除かれる。
<危険・有害な機械等の設置等の計画届 法88条1項>
事業者は、危険又は有害な作業を必要とする機械等や、危険又は健康障害を防止するために使用する機械等のうち、厚生労働省令で定めるものを設置し、移転し、又はその主要構造部分を変更しようとするときは、その計画を工事開始日の30日前までに、所轄労働基準監督署長に届け出なければならない。
対象となるものには、一定規模以上のクレーン、ボイラー、ゴンドラ、動力プレス(クランク軸等の偏心機構を有する機械プレス及び圧力能力5トン以上の液圧プレス)、有機溶剤・特定化学物質等を取り扱う設備、局所排気装置、除じん装置、廃液処理装置などがある。
・対象行為:設置、移転又は主要構造部分の変更
・届出期限:工事開始日の30日前まで
・届出先:所轄労働基準監督署長
<計画届の免除認定 法88条1項ただし書・則87条>
事業者が、危険性又は有害性等の調査及びその結果に基づく措置その他の労働災害防止措置を適切に実施しているものとして、所轄労働基準監督署長の認定を受けた場合は、法88条1項による危険・有害な機械等の設置、移転又は主要構造部分の変更に係る計画届が免除される。
・認定は事業場単位で行われ、建設業は店社単位で行われる。
・認定の有効期間は3年間である。
・免除されるのは法88条1項の届出であり、法88条2項の大規模建設業の仕事及び同条3項の一定の建設業・土石採取業の仕事の届出は免除されない。
【労働者死傷病報告(法100条1項・則97条)】
<報告義務>
事業者は、労働者が労働災害その他就業中又は事業場内若しくはその附属建設物内における負傷、窒息又は急性中毒により死亡し、又は休業したときは、所定の事項を所轄労働基準監督署長に報告しなければならない。
報告は、電子情報処理組織を使用して行わなければならない。
<死亡又は休業4日以上の場合>
労働者が死亡し、又は休業した日数が4日以上であるときは、遅滞なく、所定の事項を所轄労働基準監督署長に報告しなければならない。
<休業4日未満の場合>
労働者が休業した日数が4日未満であるときは、1月から3月まで、4月から6月まで、7月から9月まで及び10月から12月までの各期間における当該事実について、それぞれの期間における最後の月の翌月末日までに、所定の事項及び休業日数を所轄労働基準監督署長に報告しなければならない。
・1月から3月までの分:4月30日まで
・4月から6月までの分:7月31日まで
・7月から9月までの分:10月31日まで
・10月から12月までの分:翌年1月31日まで
<化学物質によるがんの報告 則97条の2>
・事業者は、化学物質又は化学物質を含有する製剤を製造し、又は取り扱う業務を行う事業場において、1年以内に2人以上の労働者が同種のがんに罹患したことを把握したときは、当該がんが業務に起因するかどうかについて、遅滞なく、医師の意見を聴かなければならない。
・医師が業務に起因するものと疑われると判断したときは、事業者は遅滞なく、がんに罹患した労働者が当該事業場で従事した業務において製造し、又は取り扱った化学物質の名称等所定の事項について、所轄都道府県労働局長に報告しなければならない。
【特別安全衛生改善計画に係る勧告・公表(法78条5項・6項)】
<厚生労働大臣による勧告 法78条5項>
厚生労働大臣は、次のいずれかに該当し、重大な労働災害が再発するおそれがあると認めるときは、事業者に対し、重大な労働災害の再発防止に関し必要な措置をとるべきことを勧告することができる。
・特別安全衛生改善計画の作成又は変更の指示を受けた事業者が、その指示に従わなかった場合
・特別安全衛生改善計画を作成した事業者が、その計画を守っていないと認められる場合
<勧告に従わない場合の公表 法78条6項>
厚生労働大臣は、勧告を受けた事業者がその勧告に従わなかったときは、その旨を公表することができる。
【工事開始等の命令(法89)】
<命令の主体>
・都道府県労働局長
・労働基準監督署長
(どちらも命令権限あり)
<命令できる相手>
・事業者
・注文者(元請)
・機械等貸与者(足場・重機などの貸主)
・建築物貸与者(ビルや建屋の貸主)
ポイント:
工事現場に直接いない“貸主”にまで命令できるのが重要。
<命令の根拠となる違反行為>
・労働安全衛生法20条〜25条の規定
(危険防止措置・作業床・墜落防止・保護具など)
・または、これらに基づく危険防止措置基準への違反
<命令できる内容>
・作業の全部または一部の停止命令
・建設物等の全部または一部の使用停止命令
・作業方法などの変更命令
・その他、労働災害を防止するために必要な措置命令
<イメージ>
危険防止措置が守られず労災の危険があるとき
→ 監督署長 or 局長が、
作業・機械・建物を「使うな」「止めろ」「直せ」と命令できる。
<試験ポイント>
・“停止命令が出せる範囲が広い”
(事業者だけでなく、注文者・機械貸与者・建築物貸与者も含む)
・“作業停止”と“使用停止”は別。両方あり得る。
・根拠条文は20〜25条+危険防止措置基準。
この記事では監督等その他についてご紹介しました。
次回に続きます!