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■国民健康保険法(被保険者・費用負担)

  • 執筆者の写真: 筒井
    筒井
  • 5月25日
  • 読了時間: 9分

更新日:7月30日

ここでは被保険者・費用負担についてお伝えします。


【国民健康保険法まとめ】


<制度の位置づけ 国保法2条・3条>

・国民健康保険は、被保険者の疾病、負傷、出産又は死亡に関して必要な保険給付を行う医療保険制度である。

・農業従事者、自営業者、無職者等のうち、被用者保険や後期高齢者医療制度等の適用を受けない者が主な対象となる。

・国民健康保険には、都道府県及び市町村が行う国民健康保険と、国民健康保険組合が行う国民健康保険がある。

・平成30年度以降は、都道府県が財政運営の責任主体となり、市町村と共同して国民健康保険を運営している。


<保険者 国保法3条>

・都道府県は、当該都道府県内の市町村とともに、国民健康保険を行う。

・国民健康保険組合は、国民健康保険を行うことができる。


<都道府県の役割 国保法4条・11条>

・財政運営の責任主体となる。

・国民健康保険の安定的な財政運営及び効率的な事業運営を確保する。

・都道府県国民健康保険運営方針を定める。

・市町村ごとの国民健康保険事業費納付金の額及び標準保険料率を算定する。

・市町村が行う国民健康保険事業の運営について必要な助言及び支援を行う。


<市町村の役割 国保法4条>

・被保険者の資格の取得及び喪失に関する事務を行う。

・保険料の賦課及び徴収を行う。

・保険給付を行う。

・特定健康診査、特定保健指導その他の保健事業を行う。


<国の責務 国保法4条>

・国民健康保険事業の運営が健全に行われるよう必要な措置を講ずる。

・国民健康保険事業の運営に関連する施策を積極的に推進する。


【国保改革】


<平成30年度の国保改革>

・財政運営の責任主体が市町村から都道府県へ移行した。

・都道府県が財政運営の中心的役割を担い、市町村と共同して国民健康保険を運営する仕組みとなった。

・都道府県は、市町村ごとの国民健康保険事業費納付金及び標準保険料率を算定する。

・市町村は、都道府県に国民健康保険事業費納付金を納付し、地域の実情に応じて保険料を賦課徴収する。

・安定的な財政運営及び効率的な事業運営を確保し、国民健康保険制度を安定化することを目的とする。


【国民健康保険の被保険者・資格】


<被保険者 国保法5条>

・都道府県の区域内に住所を有する者は、国民健康保険法6条に掲げる適用除外者を除き、当該都道府県及び当該都道府県内の市町村が行う国民健康保険の被保険者となる。

・国民健康保険には被扶養者の制度がなく、世帯の家族もそれぞれ被保険者となる。

・国民健康保険組合の組合員及び組合員の世帯に属する者は、その国民健康保険組合の被保険者となる。


<被保険者とならない者 国保法6条>

・健康保険の被保険者及びその被扶養者

・船員保険の被保険者及びその被扶養者

・国家公務員共済組合又は地方公務員等共済組合の組合員及びその被扶養者

・私立学校教職員共済制度の加入者及びその被扶養者

・後期高齢者医療制度の被保険者

・生活保護法による保護を受けている世帯に属する者

・国民健康保険組合の被保険者

・その他厚生労働省令で定める者

※生活保護が停止されている世帯に属する者は、生活保護を受けている者から除かれる。


<資格取得 国保法7条>

・都道府県の区域内に住所を有するに至った日から被保険者資格を取得する。

・国保法6条の適用除外事由に該当しなくなった日から被保険者資格を取得する。


<資格喪失 国保法8条>

・都道府県の区域内に住所を有しなくなった日の翌日から資格を喪失する。

・死亡した日の翌日から資格を喪失する。

・国保法6条の適用除外者となった日から資格を喪失する。

・後期高齢者医療制度の被保険者となった日から資格を喪失する。

・生活保護を受ける世帯に属するに至った日から資格を喪失する。

※後期高齢者医療制度の被保険者となった場合及び生活保護を受ける世帯に属するに至った場合は当日喪失、死亡及び都道府県外への転出は翌日喪失となる。


<修学中の被保険者の特例 国保法116条>

・修学のため、一の市町村の区域内に住所を有する被保険者が、他の市町村の区域内に住所を有するに至ったときは、引き続き元の市町村が行う国民健康保険の被保険者とする。

・その者は、元の世帯に属するものとみなされる。

・修学のため住所を移しても、国民健康保険の資格は原則として元の市町村で管理される。



【国民健康保険料】


<保険料の徴収 国保法76条>

・市町村は、国民健康保険事業に要する費用に充てるため、世帯主から保険料を徴収する。

・地方税法の規定により、保険料に代えて国民健康保険税を課することができる。


<保険料の賦課額 国保法76条・国保法施行令29条の7>

・市町村が賦課する国民健康保険料は、世帯主の世帯に属する被保険者について算定した基礎賦課額、後期高齢者支援金等賦課額及び介護納付金賦課額の合算額とする。

・基礎賦課額は、医療給付費等に充てるための保険料である。

・後期高齢者支援金等賦課額は、後期高齢者医療制度への支援金等に充てるための保険料である。

・介護納付金賦課額は、国民健康保険の被保険者である介護保険第2号被保険者について、介護納付金に充てるために賦課される保険料である。


<賦課限度額 国保法施行令29条の7>

・基礎賦課額の賦課限度額は67万円である。

・後期高齢者支援金等賦課額の賦課限度額は26万円である。

・介護納付金賦課額の賦課限度額は17万円である。

・基礎賦課額、後期高齢者支援金等賦課額及び介護納付金賦課額の賦課限度額の合計は110万円である。


<普通徴収 法76条の3第1項>

・特別徴収の対象とならない者を対象に、市町村が納入の通知をすることによって保険料を徴収する方法である。

・納付書又は口座振替等により保険料を納付する。

・特別徴収の対象とならない場合は、原則として普通徴収による。


<特別徴収 国保法76条の3・国保法施行令29条の13>

・国民健康保険料を老齢等年金給付から控除して徴収する方法である。

・世帯主が国民健康保険の被保険者であることが必要である。

・世帯内の国民健康保険の被保険者全員が65歳以上75歳未満であることが必要である。

・世帯主が年額18万円以上の老齢等年金給付を受けていることが必要である。

・国民健康保険料と介護保険料の合計額が、特別徴収の対象となる年金額の2分の1を超えないことが必要である。

・世帯内に65歳未満の国民健康保険の被保険者がいる場合は、特別徴収の対象とならない。


<保険料滞納者に対する措置 国保法54条の3>

・保険料を滞納している世帯主に災害その他の特別の事情がない場合、市町村は、その世帯に属する被保険者について特別療養費を支給することができる。

・特別療養費の対象者が医療機関等で療養を受けた場合は、医療費の全額をいったん支払い、後から保険給付相当額の支給を受ける。

・従来の被保険者証の返還及び被保険者資格証明書の交付を前提とする制度は、健康保険証の廃止に伴い、特別療養費の支給対象であることを資格確認書又はオンライン資格確認により確認する仕組みに改められている。



【国民健康保険の時効】


<時効 国保法110条>

・保険料その他国民健康保険法の規定による徴収金を徴収する権利は、行使することができる時から2年で時効により消滅する。

・徴収金の還付を受ける権利は、行使することができる時から2年で時効により消滅する。

・保険給付を受ける権利は、行使することができる時から2年で時効により消滅する。

・保険料その他の徴収金の督促は、時効の更新の効力を有する。



【国民健康保険の費用負担】


<国民健康保険財政の仕組み>

・国民健康保険事業に要する費用は、国及び都道府県の公費、前期高齢者交付金、保険料その他の収入によって賄われる。

・国民健康保険の財源を単純に公費50%、保険料50%とするのではなく、前期高齢者交付金等を含む複数の財源によって構成されている点に注意する。


<国庫負担 国保法70条>

・国は、都道府県に対し、療養の給付等に要する費用並びに前期高齢者交付金、後期高齢者支援金、介護納付金、流行初期医療確保拠出金及び子ども・子育て支援納付金の納付に要する費用について、政令で定めるところにより、一定の額の合算額の100分の32を負担する。

・国庫負担は、国民健康保険の財政基盤を支えるため、国が都道府県に対して行う財政負担である。


<国の調整交付金 国保法72条>

・国は、国民健康保険の財政を調整するため、都道府県に対して調整交付金を交付する。

・普通調整交付金は、都道府県間の財政力の不均衡を調整するために交付される。

・特別調整交付金は、災害その他の特別な事情を考慮して交付される。


<都道府県繰入金 国保法72条の2>

・都道府県は、都道府県国民健康保険特別会計に、一般会計から政令で定める額を繰り入れる。

・都道府県繰入金は、都道府県内の市町村間の財政調整等に充てられる。


<国民健康保険事業費納付金 国保法75条の7>

・都道府県は、都道府県が行う国民健康保険の保険給付等に要する費用に充てるため、市町村ごとの国民健康保険事業費納付金の額を定める。

・市町村は、都道府県に対して国民健康保険事業費納付金を納付する。


<特定健康診査及び特定保健指導 高齢者医療確保法20条・24条・25条>

・特定健康診査及び特定保健指導は、40歳以上74歳以下の加入者を対象として、メタボリックシンドロームに着目して行われる。

・特定健康診査は、生活習慣病の予防を目的として、腹囲、血圧、血糖、脂質等を検査する健康診査である。

・特定保健指導は、特定健康診査の結果により生活習慣病の発症リスクが高いと判定された者に対し、保健師、管理栄養士等が生活習慣の改善を支援するものである。

・「特定」とは、一般的な健康診査ではなく、特定の年齢層を対象として、メタボリックシンドローム及び生活習慣病に着目して行うことを意味する。

・国は、特定健康診査及び特定保健指導に要する費用のうち政令で定めるものについて、3分の1を負担する。

・都道府県は、特定健康診査及び特定保健指導に要する費用のうち政令で定めるものについて、3分の1を負担する。

・残りの費用は保険者が負担する。



【国民健康保険診療報酬審査委員会】


<設置 国保法87条>

・都道府県は、市町村及び国民健康保険組合の委託を受けて診療報酬請求書の審査を行うため、国民健康保険団体連合会に国民健康保険診療報酬審査委員会を置く。

・国民健康保険診療報酬審査委員会は、診療報酬請求書(レセプト)の審査を行う機関である。


<組織 国保法87条1項>

・国民健康保険診療報酬審査委員会は、保険医及び保険薬剤師を代表する委員、保険者を代表する委員並びに公益を代表する委員をもって組織する。

・委員は、都道府県知事が定める。



【保険医療機関等の指導】


<指導を行う者 国保法41条>

・厚生労働大臣又は都道府県知事が指導を行う。


<指導の対象 国保法41条>

・保険医療機関

・保険薬局

・保険医

・保険薬剤師


<指導の内容 国保法41条>

・保険医療機関、保険薬局、保険医及び保険薬剤師は、療養の給付に関して、厚生労働大臣又は都道府県知事の指導を受けなければならない。




この記事では被保険者・費用負担についてご紹介しました。

次回に続きます!










 


 
 

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