■老齢厚生年金(加給年金額)
更新日:8月13日
ここでは加給年金額についてお伝えします。
【加給年金額(法44条)】
<要件>
老齢厚生年金の受給権者が、その権利を取得した当時、被保険者期間が240月以上あり、その者によって生計を維持していた配偶者又は子があるときは、老齢厚生年金に加給年金額が加算される。
<2以上の種別の被保険者期間を有する場合(法78条の27、令3条の13)>
2以上の種別の厚生年金被保険者期間を有する者については、各号の厚生年金被保険者期間を合算して240月以上となる場合、加給年金額の加算対象となる。
加給年金額は、次の優先順位により1つの老齢厚生年金に加算される。
①最も早い日に受給権を取得した老齢厚生年金
②最も早い日に受給権を取得した老齢厚生年金が2以上ある場合は、被保険者期間が最も長い種別の老齢厚生年金
③被保険者期間も同じ場合は、第1号、第2号、第3号、第4号の順
例:第1号厚生年金被保険者期間140月、第2号厚生年金被保険者期間150月の場合、合計290月となるため240月以上の要件を満たす。両方の老齢厚生年金の受給権を同日に取得した場合は、期間の長い第2号厚生年金被保険者期間に基づく老齢厚生年金に加給年金額が加算される。
<生計維持の収入要件(令3条の5第1項)>
老齢厚生年金の加給年金額に係る生計維持の認定にあたって、厚生労働大臣が定める収入要件は、原則として、次のいずれかに該当すること。
①前年の収入が年額850万円未満
②前年の所得が年額655万5千円未満
<加給年金額の対象者 厚生年金保険法44条>
・対象となる配偶者は、65歳未満の配偶者
※ただし、大正15年4月1日以前に生まれた配偶者には、年齢制限はない。
・対象となる子は、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある子
・対象となる子には、20歳未満で障害等級1級又は2級に該当する障害の状態にある子も含まれる
・配偶者又は子は、受給権者によって生計を維持していることが必要
<加給年金額が加算されなくなる場合 厚生年金保険法44条>
・配偶者が65歳に達したときは、その配偶者に係る加給年金額は加算されなくなる
・子が18歳に達する日以後の最初の3月31日を終了したときは、その子に係る加給年金額は加算されなくなる
・障害等級1級又は2級に該当する子は、20歳に達したときに加給年金額の対象外となる
・配偶者又は子が受給権者によって生計を維持されなくなったときは、加給年金額は加算されなくなる
【加給年金額】
<加給年金額の額 厚生年金保険法44条>
・配偶者に係る加給年金額は、224,700円×改定率
・1人目及び2人目の子に係る加給年金額は、それぞれ224,700円×改定率
・3人目以降の子に係る加給年金額は、それぞれ74,900円×改定率
・したがって、3人目以降の子に係る加給年金額は、配偶者又は1人目・2人目の子に係る加給年金額の3分の1となる
・配偶者に係る加給年金額には、受給権者の生年月日に応じて特別加算が行われることがある
<加給年金額の端数処理(法44条2項)>
基準額に改定率を乗じて得た額に端数が生じたときは、50円未満を切り捨て、50円以上100円未満を100円に切り上げる。
この100円単位の端数処理は加給年金額について行うものであり、老齢厚生年金の年金額全体について行うものではない。
【配偶者の特別加算】
老齢厚生年金の配偶者に係る加給年金額には、受給権者の生年月日に応じて特別加算額が加算される。
特別加算は、昭和9年4月2日以後に生まれた受給権者について適用される。
<配偶者が65歳に達したとき>
配偶者が65歳に達したときは、原則として配偶者に係る加給年金額は加算されなくなる。
配偶者の老齢基礎年金に、一定の要件で振替加算が行われることがある。
<配偶者が繰上げ支給の老齢基礎年金を受ける場合(法46条6項、令3条の7)>
老齢厚生年金の加給年金額の対象者となっている配偶者が、65歳前に繰上げ支給の老齢基礎年金を受けている場合であっても、それだけを理由として当該配偶者に係る加給年金額に相当する部分は支給停止されない。
したがって、配偶者が繰上げ支給の老齢基礎年金を受給していても、原則として65歳に達するまでは加給年金額の対象となり得る。
【配偶者の厚生年金との調整】
<配偶者が障害厚生年金を受けることができる場合(法46条6項、令3条の7第1号)>
老齢厚生年金の加給年金額の対象者となっている配偶者が、障害厚生年金(その全額につき支給を停止されているものを除く。)の支給を受けることができるときは、その間、当該配偶者に係る加給年金額に相当する部分の支給が停止される。
【配偶者の基礎年金との調整】
<配偶者が繰上げ支給の老齢基礎年金を受ける場合(法46条6項、令3条の7)>
老齢厚生年金の加給年金額の対象者となっている配偶者が、繰上げ支給の老齢基礎年金を受けることができる場合であっても、当該配偶者に係る加給年金額に相当する部分の支給は停止されない。
【子の基礎年金との調整】
<子に係る加給年金額と障害基礎年金の子の加算(法44条1項ただし書)>
加算額対象者となっている子を有する障害基礎年金の受給権者が65歳に達し、同時に老齢厚生年金を受けることができる場合、老齢厚生年金については当該子に係る加給年金額に相当する部分の支給が停止され、障害基礎年金については当該子に係る加算額に相当する部分の支給は停止されない。
<子に係る加給年金額の再加算不可(法44条1項・4項8号)>
加給年金額の対象者である子が18歳に達する日以後の最初の3月31日が終了するまでに障害等級1級又は2級に該当する障害の状態に該当するに至ったときは、20歳に達するまで、当該子について加給年金額が加算される。
ただし、18歳到達年度末の終了により加給年金額の対象者でなくなった後に障害等級1級又は2級に該当する障害の状態に該当しても、再び加給年金額が加算されることはない。
【振替加算】
<振替加算とは 昭60法附則14条>
・振替加算とは、配偶者の加給年金額が支給されなくなることに対応して、本人の老齢基礎年金に加算されるもの
・振替加算は、本人の老齢基礎年金の額に加算される
<本人側の要件 昭60法附則14条>
・対象者は、大正15年4月2日から昭和41年4月1日以前に生まれた者
・振替加算の対象になるかは、配偶者の生年月日ではなく、本人の生年月日で判断する
・本人が65歳に達した日に、配偶者によって生計を維持されていることが必要
<配偶者側の要件 昭60法附則14条>
・配偶者が、原則として被保険者期間240月以上の老齢厚生年金等の受給権者であること
・または、配偶者が障害厚生年金等の受給権者であること
・本人が65歳に達した後に、配偶者が老齢厚生年金等又は障害厚生年金等の受給権者となった場合でも、要件を満たせば振替加算が行われることがある
<振替加算の額 昭60法附則14条>
・振替加算の額は、224,700円×改定率×生年月日に応じた率
・生年月日が若いほど、加算額は少なくなる
<振替加算の支給停止 昭60法附則14条>
・本人が障害基礎年金、障害厚生年金その他政令で定める給付を受けることができるときは、その間、振替加算に相当する部分の支給は停止される
・ただし、その障害年金等の全額につき支給が停止されているときは、振替加算に相当する部分は支給停止されない
<振替加算が行われない場合>
・本人が老齢厚生年金の受給権者であり、その計算基礎となる被保険者期間が240月以上あるときは、振替加算は行われない
・離婚分割により240月以上となった場合も同様
この記事では加給年金額についてご紹介しました。
次回に続きます!
