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労働契約の終了と使用者の義務

  • 執筆者の写真: 筒井
    筒井
  • 2024年11月2日
  • 読了時間: 3分

更新日:10月18日

ここでは労働契約の終了と使用者の義務についてお伝えします。



【退職証明書の交付と通信等の禁止】


<退職証明書の交付義務>

・退職証明書には決まったフォーマットはない。

・労働者が求めた事項のみを記載する(使用期間・業務の種類・役職・賃金・退職理由〔解雇理由〕など)。

・退職した労働者から請求があった場合、使用者は「遅滞なく」交付しなければならない。

・懲戒解雇などの理由があっても、交付を拒否することはできない。

・労働者が請求していない事項を記入することは禁止。


<就職を妨げる通信等の禁止>

・使用者は、第三者に対してあらかじめ労働者の

 ①国籍 ②信条 ③社会的身分 ④労働組合運動

 に関する情報を伝え、再就職を妨げる行為をしてはならない。

・また、退職証明書などに上記以外の内容であっても、

 再就職を妨げるような文字・記号(暗号など)を記入してはならない。

・ただし、第三者(新しい会社など)からの問い合わせに

 回答すること自体は違反にならない。



【金品の返還】


<賃金の支払>

・労働者が退職または死亡した場合、労働者本人または遺族(相続人)が請求すれば、

 賃金支払日の前であっても異議の無い部分を「7日以内」に賃金を支払わなければならない。


<金品の返還義務>

・使用者は、労働者の権利に属する以下の金品を返還する義務がある。

 ・積立金

 ・保証金

 ・貯蓄金 など


<退職金の特例>

・退職金については、あらかじめ就業規則などで定められた支払期限までに支払えばよいとされている。



【有期労働契約の締結・更新・雇止めに関する基準】


<目的と行政指導>

・有期労働契約に関して、契約満了時などに紛争が起きないように、使用者が守るべき「通知の基準」が定められている。

・行政官庁は、この基準に基づき助言・指導を行うことができる。


<契約内容の変更・更新の説明義務>

・有期労働契約の通算契約期間や更新回数の上限を定めたり、これを引き下げる場合には、

 その理由をあらかじめ労働者に説明しなければならない。


<雇止め予告>

・有期労働契約を更新しない場合、使用者は契約期間満了の少なくとも「30日前」までに予告しなければならない。

・ただし、以下の場合は除かれる。

 ① 3回以上更新している場合

 ② 雇入れから1年を超えて継続勤務しており、あらかじめ「更新しない」旨が明示されている場合


<雇止め理由の証明書>

・労働者が「契約更新をしなかった理由」について証明書を請求した場合、

 使用者は「遅滞なく交付」しなければならない。

・この義務は「契約満了後」に理由を請求された場合も同様。


<契約期間をできるだけ長くする努力義務>

・有期労働契約を更新する場合、1回以上更新されており、かつ雇入れから1年を超えて継続勤務している労働者については、 希望に応じて契約期間をできるだけ長くするよう努めなければならない。


<無期転換申込に関する説明努力義務>

・使用者が「無期転換申込権」に関する事項を明示する際には、

 就労の実態に応じて均衡を考慮した内容について、説明するよう努めなければならない。




この記事では労働契約の終了と使用者の義務についてご紹介しました。

次回に続きます!










 


 
 

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