二次健康診断等給付
- 筒井

- 8月12日
- 読了時間: 3分
ここでは二次健康診断等給付についてお伝えします。
【二次健康診断等給付|労働安全衛生法・労災保険法まとめ】
<目的>
・一次健康診断で脳・心臓疾患のリスクが高い所見が出た労働者に対し、
精密検査や生活習慣改善指導を行い、過労死等を防止する。
<対象者>
・定期健康診断(一次健康診断)の結果、次の所見がある労働者
① 血圧が異常値
② 脂質異常
③ 血糖異常
④ 肥満度異常
・かつ、医師が脳・心臓疾患のリスクが高いと認めた者
<労災保険法における支給要件>
・一次健康診断で「いずれの項目にも」異常の所見があると診断された場合
(※「いずれか」ではない点に注意)
・すでに脳血管疾患または心臓疾患の症状を有する場合は対象外
・労働者の請求に基づき実施
<給付内容>
① 二次健康診断(精密検査)
・脳MRI/MRA検査
・心電図・運動負荷心電図 など
② 特定保健指導
・生活習慣の改善指導(医師・保健師・管理栄養士が実施)
<費用>
・労働者の自己負担なし(労災保険から事業主へ費用支給)
<実施期限>
・一次健診結果の通知を受けた日から3か月以内に申込み
<根拠>
・労働安全衛生法 第66条の8
・労働安全衛生規則
・労災保険法 第26条1項
【二次健康診断と特定保健指導の実施制限】
<概要>
二次健康診断の結果やその他の事情により、すでに脳血管疾患または心臓疾患の症状を有すると認められる労働者については、当該二次健康診断に係る特定保健指導は実施されない。
<理由>
・特定保健指導は、生活習慣改善による疾病予防を目的とする
・すでに対象疾病(脳血管疾患・心臓疾患)を発症している場合は、予防段階を超えており、医療的治療・管理が必要な段階にあるため
<根拠条文>
労働安全衛生法 第66条の8の3 第3項
【二次健康診断等給付の請求手続き】
<概要>
・二次健康診断等給付を受けようとする者は、所定の事項を記載した請求書を、受診予定の二次健康診断給付病院等を経由して、所轄都道府県労働局長に提出しなければならない。
<添付書類>
・請求書には、一次健康診断において所定の検査項目すべてに異常の所見があると診断されたことを証明できる書類を添付する必要がある。
<ポイント>
・給付の性質は現物給付だが、受給には請求手続きが必要。
・提出先は「所轄都道府県労働局長」。
・一次健診 → 事業者実施(安衛法)、二次健診 → 労災保険(労災法)で実施。
【労災保険における給付の所管まとめ】
<労働基準監督署が行うもの>
・労災就学等援護費
・特別支給金
・厚生労働省労働基準局長が定める給付に関する事務
<都道府県労働局長が行うもの>
・二次健康診断等給付
<ポイント>
・保険給付のうち、二次健康診断等給付だけは都道府県労働局長が所管
・それ以外の労災給付(例:就学援護費・特別支給金)は労働基準監督署が所管
この記事では二次健康診断等給付についてご紹介しました。
次回に続きます!


