任意加入被保険者
- 筒井

- 8月3日
- 読了時間: 4分
更新日:8月18日
ここでは任意加入被保険者についてお伝えします。
【国民年金|任意加入被保険者まとめ】
<任意加入被保険者とは>
通常は強制加入の国民年金制度だが、一定の条件を満たす人は、本人の申し出により任意で加入できる制度。
任意加入期間も、老齢基礎年金の受給資格期間や年金額に反映される。
<加入方法>
・市区町村の窓口または年金事務所を通じて、厚生労働大臣への申し出を行う
・納付方法は原則「口座振替」など
・死亡一時金や脱退一時金の対象にもなる(=第1号被保険者期間と同様にみなされる)
<対象者と条件>
<60歳以上65歳未満の人>
・老齢基礎年金の受給資格期間(原則10年)に満たない人
・不足期間を補うために、任意加入が可能
<65歳以上70歳未満の人>
・受給資格はあるが、年金額を増やしたい人
・すでに年金受給開始年齢に達していても、繰下げせずに加入可能
<海外に居住している日本国籍の人(20歳以上65歳未満)>
・住民票が日本から抜かれていても加入可能
・例:外国に留学中の日本人留学生など
・「日本国籍を有すること」が要件
・海外在住中に申し出をすれば、任意加入できる
<加入できないケース>
・厚生年金や共済年金に加入している人(=第2号被保険者)
・20歳未満、または70歳以上の人
・繰下げ受給中の人(65歳以上70歳未満で繰下げ中の間は任意加入できない)
<備考>
・任意加入で納めた保険料は、将来の年金額の増額に直接つながる
・海外在住中でも、納付状況に応じて社会保障協定などの対象にもなり得る
・任意加入は原則として「70歳になると資格喪失」となる(=70歳到達日の前月までが限度)
年齢 | 状態 | 任意加入できる? | 備考 |
60~65歳未満 | 受給資格なし(10年未満) | ✅ OK(資格獲得のため) | 通常の任意加入 |
| 受給資格あり・未請求 | ✅ OK(増額目的) | ※このケースだけ「条件付きOK」 |
65~70歳未満 | 受給資格あり・未請求(未受給) | ❌ NG!! | ✅実はここが誤解されやすい最大ポイント‼️ |
| 受給資格あり・繰下げ中 | ❌ NG | ※繰下げと任意加入の併用はできない |
| すでに請求済・受給中 | ❌ NG | 当然NG |
【国民年金保険料の納付期限まとめ】
<第1号被保険者>
・毎月の保険料は「翌月末日」までに納付する。
<任意加入被保険者>
・毎月の保険料は市町村長(特別区長を含む)が指定する日までに納付する。
<注意点>
・問題文で「任意加入は〇日まで」と書かれていたら誤り。
・任意加入は市町村長が決める日が基準になる。
【任意加入被保険者|資格喪失日(日本国内に住所を有しなくなった場合)】
<原則>
任意加入被保険者は、日本国内に住所を有しなくなった日の翌日に資格を喪失する。
<ポイント>
・「当日」ではなく「翌日」である点に注意
・「当日」と誤った記述がされることが多いため、要注意⚠️
【特別任意加入被保険者】
65歳以上であっても、昭和40年4月1日以前生まれであって、資格期間(10年)に達していないため老齢年金の受給権を有しない場合、厚生労働大臣に申し出ると加入できます。
※退職・老齢年金の受給権が無い場合、障害基礎年金の受給権を有していても加入できる
※死亡・脱退一時金については第1号被保険者期間と同様にみなされる
制度名 | (特別)任意加入期間を被保険者期間とみなす? | 理由や背景 |
死亡一時金 | ✅ みなす | 加入期間が長い人への遺族給付。任意加入でも保険料払ってるからOK🪙 |
脱退一時金 | ✅ みなす | 外国人などが日本を離れるときの払い戻し。任意加入でも納付実績があるならカウントOK💼 |
寡婦年金 | ❌ みなさない! | 「生計を維持していた配偶者が生前に強制的に加入してた期間」が前提だから、任意加入はNG🚫 |
【任意加入被保険者と支給繰上げ】
<基本ルール>
・老齢厚生年金の繰上げは、老齢基礎年金とセットで行う(厚生年金単独では不可)
・繰上げ請求できるのは「老齢基礎年金の受給権を有する者」
<任意加入被保険者との関係>
・任意加入被保険者(60歳以上65歳未満で資格期間を満たしていない人)は、まだ老齢基礎年金の受給権を持っていない
・したがって、この期間中は繰上げ請求は不可能
・任意加入を終了して、受給資格期間を満たした後に初めて繰上げ請求が可能となる
<結論>
・「厚生年金の支給繰上げは任意加入被保険者であっても可能」 → 誤り
・正しくは「任意加入中は受給権がないため繰上げできない」
この記事では任意加入被保険者についてご紹介しました。
次回に続きます!


