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■健康保険法(保険給付・傷病・出産・埋葬)

2月2日
読了時間: 7分

更新日:8月16日

ここでは保険給付・傷病・出産・埋葬についてお伝えします。


【健康保険法 保険給付Ⅱ(現金給付)まとめ】

<傷病手当金(法99条)>

被保険者が療養のため労務に服することができず、連続する3日間の待期完成後、報酬の支払いがない期間について支給される。療養とは保険診療に限られず、自費診療・自宅療養・病後静養も含まれる。支給額は、支給開始日以前12か月間の各月の標準報酬月額の平均額を30で除した額の3分の2相当額。支給期間は、同一の疾病又は負傷及びこれにより発した疾病について、支給開始日から通算して1年6か月。


<傷病手当金と他給付との調整(法55条・103条・108条~110条)>

報酬を受けることができる期間は支給されないが、報酬額が傷病手当金額より少ない場合は差額が支給される。出産手当金、障害厚生年金等、老齢退職年金給付、労災保険の休業補償給付等との調整が行われ、原則として傷病手当金は補足的給付として扱われる。


<資格喪失後の傷病手当金の継続給付(法104条)>

被保険者の資格を喪失した日の前日まで引き続き1年以上被保険者であった者が、資格喪失時に傷病手当金の支給を受けている場合又は支給を受けることができる状態にある場合は、資格喪失後も支給期間の範囲内で継続して同一の保険者から傷病手当金の支給を受けることができる。


<1年以上の被保険者期間(法104条)>

資格喪失後の継続給付に必要な「引き続き1年以上被保険者であった期間」には、任意継続被保険者又は共済組合の組合員である被保険者であった期間は含まれない。



【出産手当金・出産育児一時金】

<出産手当金(法102条)>

被保険者が出産の前後一定期間に労務に服さなかったことによる所得の減少を補うため支給される。出産日以前42日(多胎妊娠の場合は98日)から出産日の翌日以後56日までの間で、労務に服さなかった期間が対象となる。傷病手当金と異なり、「労務不能」である必要はない。支給額は、傷病手当金と同様の計算方法による。


<出産手当金の被保険者期間要件(法102条・104条)>

出産手当金の通常の支給については、被保険者期間が1年以上であることは要件とされていない。1年以上の被保険者期間が必要となるのは、資格喪失後の継続給付を受ける場合であり、資格喪失日の前日まで引き続き1年以上被保険者であったことが必要となる。


<資格喪失後の出産手当金(法104条)>

資格喪失日の前日まで継続して1年以上被保険者であった者が、資格喪失時に出産手当金の支給を受けている場合又は支給を受けることができる状態にある場合は、資格喪失後も継続して支給される。したがって、資格喪失日の前日において出産日以前42日(多胎妊娠の場合は98日)以内にあり、労務に服していないことが必要となる。


<出産手当金と報酬との調整(法108条)>

出産手当金の支給期間中に報酬の全部又は一部を受けることができる場合は、原則として出産手当金は支給されない。ただし、報酬額が出産手当金額より少ない場合は、その差額が支給される。


<出産手当金と介護休業給付との調整(雇用保険法61条の7)>

出産手当金が支給される期間については、介護休業給付金は支給されない。したがって、出産手当金と介護休業給付金は、同一期間について併給されない。



<出産育児一時金(法101条、令36条)>

被保険者が出産したときは、1児につき48万8,000円が支給される。ただし、産科医療補償制度に加入する医療機関等の医学的管理下における出産で、所定の要件を満たすものについては、48万8,000円に、同制度の保険契約に関し被保険者が追加的に必要となる費用の額を基準として、3万円を超えない範囲内で保険者が定める額を加算する。現在の加算額は1万2,000円であり、合計50万円となる。

健康保険法上の出産とは、妊娠4か月以上、すなわち妊娠85日以上の出産をいい、生産、早産、死産、流産及び人工妊娠中絶を含む。

業務上の事故によって早産した場合であっても、妊娠4か月以上の出産であれば、出産育児一時金が支給される。

多胎妊娠の場合は、胎児数に応じて支給される。

産科医療補償制度の対象となる出産で双子を出産した場合は、1児50万円×2児=合計100万円が支給される。


<出産育児一時金等の直接支払制度>

被保険者等が医療機関等との間で、出産育児一時金又は家族出産育児一時金の支給申請及び受取りに関する代理契約を締結し、医療機関等が支給額を限度として、被保険者等に代わって保険者に支給申請を行い、直接その支給を受ける制度である。

これにより、被保険者等は出産費用としてあらかじめまとまった現金を用意して医療機関等の窓口で支払う必要がなくなり、経済的負担が軽減される。


<資格喪失後の出産育児一時金(法106条・法193条)>

資格喪失日の前日まで引き続き1年以上被保険者であった者が、資格喪失後6か月以内に出産したときは、被保険者として受けることができるはずであった出産育児一時金を最後の保険者から受けることができる。出産育児一時金を受ける権利は、出産日の翌日から2年を経過すると時効によって消滅する。



<資格喪失後の出産に関する取扱い>

被保険者が被保険者資格を喪失した後であっても、資格喪失の日の前日において被保険者であり、かつ、資格喪失後6か月以内に出産した場合には、当該出産について出産育児一時金が支給される。


<家族出産育児一時金>

被保険者の被扶養者が出産したとき、被保険者に対し1児につき出産育児一時金と同額が支給される。



<埋葬料(法100条1項)>

被保険者が死亡したとき、被保険者によって生計を維持していた者であって埋葬を行う者に5万円が支給される。生計維持は全部である必要はなく一部でも足り、親族関係は不要。


<埋葬費(法100条2項)>

被保険者が死亡した場合で、埋葬料の支給を受ける者がいないとき、実際に埋葬を行った者に対し、埋葬に要した費用の範囲内で5万円を上限として支給される。埋葬費の支給対象となる費用には、霊柩代、霊柩車代、火葬料、葬式の際の供物代、僧侶に対する謝礼などが含まれる。


<資格喪失後の埋葬料・埋葬費(法105条)>

被保険者資格を喪失した後は、原則として国民健康保険、任意継続被保険者等へ切り替わるが、次のいずれかに該当して死亡した場合は、資格喪失前の健康保険から埋葬料又は埋葬費が支給される。

・資格喪失後3か月以内に死亡したとき

・資格喪失後の傷病手当金又は出産手当金の継続給付を受けている間に死亡したとき

・当該継続給付を受けなくなった日後3か月以内に死亡したとき

資格喪失後3か月以内に死亡した場合は、資格喪失前の被保険者期間の長短を問わない。死亡時に国民健康保険等へ加入していても、資格喪失前の健康保険から埋葬料又は埋葬費を受けることができるが、資格喪失後に加入した健康保険から同一の死亡について埋葬に関する給付を受けた場合は、重ねて支給されない。この特例は、被保険者であった者本人の死亡に限られ、資格喪失後にその家族が死亡しても家族埋葬料は支給されない。


<家族埋葬料>

被扶養者が死亡したとき、被保険者に対し5万円が支給される。死産児には支給されない。


<死産児と埋葬料・埋葬費の取扱い(法100条・法113条、昭和23年12月2日保文発898号)>

死産児については、健康保険法上の「死亡」には該当しないため、埋葬料および埋葬費は支給されない。したがって、被保険者又は被扶養者が死産した場合であっても、埋葬に要した費用について健康保険からの給付は行われない。


<資格喪失後の継続給付(傷病手当金・出産手当金)>

被保険者資格喪失前に支給要件を満たしていた者で、引き続き1年以上被保険者であった場合、資格喪失後も法定支給期間満了まで支給される。資格喪失時に現に支給を受けている者だけでなく、受け得る状態にあった者も含まれる。


<被保険者期間12か月要件>

傷病手当金(および出産手当金)の資格喪失後の継続給付を受けるためには、被保険者資格を喪失した日の前日までに、引き続き12か月以上被保険者であることが必要である。この12か月の被保険者期間は、必ずしも同一の保険者に継続して加入していることを要せず、保険者が変更されていても、被保険者資格が連続していれば差し支えない。


<被保険者の種類と傷病手当金>

任意継続被保険者は、被保険者としての身分を引き継ぐ制度であるため、傷病手当金の支給対象となる。一方、特例退職被保険者は退職者を対象とした特例的制度であり、健康保険法上の傷病手当金の支給対象とはならない。したがって、特例退職被保険者については、傷病手当金は支給されない。


<資格喪失後の出産育児一時金>

被保険者資格喪失後であっても、資格喪失の日の前日までに引き続き1年以上被保険者であり、資格喪失後6か月以内に出産した場合は、最後の保険者から支給される。




この記事では健康保険法 保険給付Ⅱ(現金給付)まとめについてご紹介しました。

次回に続きます!










 


 
 

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