■労働保険徴収法(労働保険事務組合)
更新日:8月20日
ここでは労働保険事務組合についてお伝えします。
【労働保険事務組合まとめ(徴収法)】
<労働保険事務組合の概要 法33条1項・2項>
労働保険事務組合とは、事業主の団体又はその連合団体が、厚生労働大臣の認可を受け、事業主の委託を受けて労働保険事務を処理する制度である。
労働保険事務組合の認可を受けようとする事業主の団体又はその連合団体は、法人であるか否かを問わない。
法人でない団体等は、代表者の定めがあることのほか、団体等の事業内容、構成員の範囲その他団体等の組織及び運営方法等が定款、規約等において明確に定められ、団体性が明確であることを要する。
原則として、事業主団体の構成員又は連合団体を構成する団体の構成員である事業主が委託できる。
労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託できるのは、中小事業主に限られる。
<委託できる事業主の規模 法33条1項、則62条2項>
金融業・保険業・不動産業・小売業:常時50人以下
卸売業・サービス業:常時100人以下
上記以外の事業:常時300人以下
※事業主が常時使用する労働者数によって判断する。
<委託できる事務の範囲 徴収法33条1項>
事業主が行うべき労働保険料の申告・納付その他の労働保険に関する事務を委託できる。
有期事業についても、労働保険事務組合に労働保険事務を委託できる。
事業主は、労災保険の特別加入の申請、変更届、脱退申請等に関する手続について、労働保険事務組合に処理を委託することができる。
ただし、次の事務は委託できない。
・印紙保険料に関する事務
・労災保険の保険給付及び特別支給金に関する請求書等に係る事務手続
・雇用保険の保険給付に関する請求書等に係る事務手続
・雇用保険二事業に係る事務手続
【労働保険事務組合の認可・取消し】
<労働保険事務組合の認可 法33条1項、法45条1項、則77条>
事業主の団体又はその連合団体が労働保険事務組合となるためには、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。
厚生労働大臣の認可に関する権限は、労働保険事務組合の主たる事務所の所在地を管轄する都道府県労働局長に委任されている。
法人格を有しない事業主の団体又はその連合団体であっても、認可基準を満たせば労働保険事務組合となることができる。
<組織変更があった場合の取扱い 法33条2項・3項>
労働保険事務組合の認可を受けた法人格のない団体が法人となり、引き続き労働保険事務組合として業務を行おうとするときは、従前の労働保険事務組合について業務の廃止の届出を行った上で、改めて認可申請をしなければならない。
従来法人格のない団体であったものが従来と異なる法人格のない団体又は法人となった場合も、同様に業務の廃止の届出及び新たな認可申請が必要となる。
従来法人であったものが法人格のない団体又は従来と異なる法人となった場合も、同様に業務の廃止の届出及び新たな認可申請が必要となる。
<委託等の届出 則64条>
労働保険事務組合は、事業主から労働保険事務の処理の委託を受けたときは、遅滞なく、労働保険事務等処理委託届を、その主たる事務所の所在地を管轄する都道府県労働局長に提出しなければならない。
労働保険事務の処理の委託が解除されたときも、労働保険事務組合が、遅滞なく、労働保険事務等処理委託解除届を提出しなければならない。
<認可基準 法33条2項、則63条>
事業主の団体又はその連合団体が、法人であるか又は法人でない団体であって代表者の定めがあり、その組織及び運営方法が整備されていること。
労働保険事務の処理を委託する予定の事業主が、厚生労働省令で定める数以上であること。
労働保険事務を確実に処理するために必要な能力及び体制を有していること。
団体の役員等が労働保険関係法令に違反したことがなく、社会的信用を有すること。
団体の目的、組織、運営方法、労働保険事務の処理方法その他必要な事項が規約等に明確かつ適正に定められていること。
団体等が本来の事業目的をもって活動し、その運営実績が2年以上あること。
労働保険事務の処理を委託する予定の事業主が30以上あること。
<他の業務の実施 法33条1項・2項>
労働保険事務組合は、労働保険事務の処理業務を専業で行う必要はなく、労働保険事務以外の業務を行うこともできる。
労働保険事務以外の業務を行う場合に、あらかじめ厚生労働大臣の認可を受ける必要はない。
<認可申請書の記載事項の変更 則65条、則78条3項>
労働保険事務組合認可申請書の記載事項に変更が生じた場合は、その変更があった日の翌日から起算して14日以内に、その旨を記載した届書を提出しなければならない。
届書は、その主たる事務所の所在地を管轄する公共職業安定所長又は労働基準監督署長を経由して、当該事務所の所在地を管轄する都道府県労働局長に提出する。
<構成員以外の事業主からの委託 法33条1項>
構成員以外の事業主であっても、労働保険事務組合に労働保険事務を委託することが必要であると認められるものは、一定の範囲で委託できる。
構成員以外の事業主の利用について、原則として構成員である委託事業数の100分の20以内とする。
<認可の取消し 法33条4項>
厚生労働大臣は、労働保険事務組合が労働保険関係法令の規定に違反したときは、その認可を取り消すことができる。
厚生労働大臣は、労働保険事務組合が行うべき労働保険事務の処理を怠り、又はその処理が著しく不当であると認めるときも、その認可を取り消すことができる。
認可の取消しに関する厚生労働大臣の権限は、都道府県労働局長に委任されている。
<認可取消しの通知 則67条>
都道府県労働局長は、労働保険事務組合の認可を取り消したときは、その旨を当該労働保険事務組合に文書で通知しなければならない。
認可取消しの通知を受けた労働保険事務組合は、その旨を当該労働保険事務組合に労働保険事務を委託している事業主に通知しなければならない。
<労働保険事務組合の納付責任>
委託事業主が徴収金を事務組合に交付した場合、
その金額の限度で、事務組合が政府に対する納付責任を負う。
ただし、委託事業主の納付義務が完全に免除されるわけではない。
政府は労働保険事務組合に対し、不正受給者と連帯して、当該保険給付等に要した費用の返還等を命ずることができる。
<労働保険事務処理の委託・解除の届出>
労働保険事務組合は、労働保険事務の処理の委託又は解除があったときは、遅滞なく、主たる事務所の所在地を管轄する都道府県労働局長に届出をしなければならない。
<追徴金・延滞金との関係>
追徴金は労働保険料ではないため、延滞金は課されない。
一方、労働保険料そのものの滞納には延滞金が課される。
<事業主からの徴収>
政府は、事務組合に滞納処分を行ってもなお不足がある場合、
その残額について委託事業主から徴収することができる。
<虚偽等に対する責任>
虚偽の届出等により不正に保険給付を受けた場合、
事務組合は受給者と連帯して返還命令の対象となることがある。
<帳簿の備付け 法36条、則68条>
労働保険事務組合は、処理した労働保険事務に関する帳簿を事務所に備え付けなければならない。
具体的には、労働保険事務等処理委託事業主名簿及び労働保険料等徴収及び納付簿を備え付けなければならない。
委託事業主の事業について雇用保険に係る保険関係が成立している場合は、雇用保険被保険者関係届出事務等処理簿も備え付けなければならない。
<業務廃止・委託解除 法33条3項、則64条>
労働保険事務組合は、労働保険事務の処理の委託が解除されたときは、遅滞なく、労働保険事務等処理委託解除届を、その主たる事務所の所在地を管轄する都道府県労働局長に提出しなければならない。
労働保険事務組合が労働保険事務の処理に係る業務を廃止しようとするときは、60日前までに、その旨を厚生労働大臣に届け出なければならない。
業務廃止の届出に関する厚生労働大臣の権限は、都道府県労働局長に委任されている。
【労働保険事務組合の報奨金】
<報奨金の交付 整備法23条>
政府は、当分の間、事業主からの委託に基づき労働保険事務組合が納付すべき労働保険料が督促を受けることなく完納されたとき、その他その納付状況が著しく良好であると認めるときは、予算の範囲内で、当該労働保険事務組合に報奨金を交付することができる。
<交付要件 報奨金政令1条1項>
7月10日において、前年度に常時15人以下の労働者を使用する事業の事業主の委託に係る前年度の労働保険料について、その確定保険料の額並びに追徴金及び延滞金の額の合計額の100分の95以上が納付されていること。
前年度の労働保険料について、国税滞納処分の例による処分を受けたことがないこと。
偽りその他不正の行為により、前年度の労働保険料の徴収を免れ、又はその還付を受けたことがないこと。
※7月10日は報奨金の交付時期ではなく、納付状況を判定する基準日である。
<報奨金額 報奨金政令2条1項、報奨金省令1条>
労働保険料に係る報奨金の額は、労働保険事務組合ごとに、次の額のうちいずれか低い額以内とする。
・1,000万円
・前年度に常時15人以下の労働者を使用する事業の事業主の委託を受けて納付した前年度の労働保険料の額に100分の2を乗じて得た額と、厚生労働省令で定める額との合計額
<交付申請 報奨金省令2条1項>
報奨金の交付を受けようとする労働保険事務組合は、労働保険事務組合報奨金交付申請書を、10月15日までに所轄都道府県労働局長に提出しなければならない。
この記事では労働保険事務組合まとめについてご紹介しました。
次回に続きます!
