労務管理(労務管理・制度編)まとめ
- 筒井

- 1月17日
- 読了時間: 6分
ここでは労務管理(労務管理・制度編)まとめについてお伝えします。
【労務管理(労務管理・制度編)まとめ】
<労務管理の全体像>
労務管理とは、労働者の採用から配置・異動・教育訓練・賃金管理・退職に至るまでの一連の管理をいう。中心となるのは人事情報・雇用管理・賃金管理・能力開発である。
<人事情報>
人事情報とは、職務(仕事)に関する情報と労働力(従業員)に関する情報をいう。職務情報を収集・分析することを職務分析、職務の価値を相対的に評価することを職務評価、労働力情報を評価することを人事考課という。
<職務分析・職務評価>
職務分析とは、各職務の内容・特徴・資格要件を観察・研究し職務記述書等にまとめ他の職務との性質的違いを明確にする手続きをいう。
職務評価とは、職務分析により得られた情報を基に職務の相対的価値を評価することをいう。
<教育訓練>
教育訓練には、職場で上司や先輩が仕事を通じて行う職場内訓練(OJT)と、集合教育や外部講習など職場外で行う職場外訓練(OFF-JT)があり、両者を有機的に組み合わせることが重要である。
<賃金管理>
賃金管理は、賃金総額管理・賃金体系管理・賃金形態管理に大別される。
<賃金総額管理>
賃金総額の決定方式には、売上高に人件費率を乗じるスキャンロン・プランと、付加価値に一定の分配率を乗じるラッカー・プランがある。
<賃金体系>
賃金体系とは、基本給を中心として構成された基本給及び諸手当の体系をいう。基本給は、属人給、仕事給(職務給・職能給・職種給・業績給)、総合給に大別される。
<賃金形態管理>
賃金形態とは、賃金の算出及び支払いの単位をいい、定額制(時給制・日給制・月給制・年俸制)と出来高払制に区分される。年俸制は業績を賃金に反映させる目的で導入されることが多い。
【賃金体系・仕事給と属人給の整理(労務管理)】
<賃金体系>
賃金体系とは、基本給を中心として構成された賃金の全体構造をいう。基本給は、属人給・仕事給・総合決定給に大別される。
<属人給>
属人給とは、年齢・勤続年数・学歴など、労働者個人の属性(属人的要素)によって決定される基本給をいう。
<仕事給>
仕事給とは、仕事そのものの価値・内容によって決定される基本給をいう。仕事給は次のように分類される。
・職務給:職務の相対的価値(職務評価)により決定
・職能給:職務遂行能力により決定
・職種給:職種により決定
・業績給:業績により決定
<ポイント整理>
仕事給は「属人的要素」ではなく「仕事的要素」により決定される点が最大の特徴である。
年齢・勤続年数などで決まるものは仕事給ではなく属人給である。
【ベースアップと昇給の整理(賃金管理)】
<ベースアップ>
ベースアップとは、物価水準の上昇、企業の成長、生産性の向上などに対応して、賃金水準そのものを引き上げることをいう。賃金表全体が一律に底上げされる点が特徴である。
<昇給>
昇給とは、賃金表の中で、個々の労働者の賃金を、職務内容、職務遂行能力、年齢などに対応して引き上げることをいう。
<雇用管理>
雇用管理とは、労働者を採用し、異動を行い、退職させるまでの一連の管理をいう。近年は年功的人事制度からの脱却が進み、職能資格制度が主流となっている。
【ライン管理職まとめ】
<概要>
ライン管理職とは、組織の第一線において、部下を直接指揮・監督し、業務の遂行と労務管理を行う管理職をいう。経営方針を現場に具体化する役割を担う。
<ライン管理職の役割>
ライン管理職は、業務の進行管理、部下の指導・育成、人事考課、労働時間管理、職場の秩序維持など、日常的な労務管理を担当する。
<労務管理上の位置づけ>
ライン管理職は、企業における労務管理の実施主体であり、労働条件の管理、職場の人間関係の調整、ハラスメント防止などについて重要な責任を負う。
【専門職制度】
<概要>
専門職制度とは、高度な専門的知識・技術を有する従業員を、ライン管理職とは別の系列(スタッフ系列)として位置付ける人事制度である。管理業務ではなく、専門性の発揮によって企業に貢献することを前提とする。
<位置づけ>
専門職は、部下を指揮命令するライン管理職とは異なり、専門分野での高度な能力発揮を役割とする。管理職コースとは別ルートで処遇される。
<処遇>
昇進や給与面においては、ライン管理職と同等の水準で処遇することが想定されている。管理職にならなくても処遇が下がらない点が特徴である。
<ポイント>
専門職制度は、優秀な人材を「管理職にしないと評価できない」という問題を解消し、専門性を活かしたキャリアを可能にする制度である。
【テレワーク】
<概要>
テレワークとは、情報通信技術(ICT)を活用し、時間や場所の制約を受けずに働く勤務形態をいう。通勤を前提とせず、柔軟な働き方を可能にする点が特徴である。
<形態>
テレワークには、主に在宅勤務、サテライトオフィス勤務、モバイルワークの3つがある。在宅勤務は自宅で業務を行う形態、サテライトオフィス勤務は本社以外の専用施設等で勤務する形態、モバイルワークは移動先や外出先で勤務する形態をいう。
<雇用形態との関係>
テレワークは雇用形態を問わず導入可能であり、正社員・非正規労働者いずれにも適用される。なお、SOHO(Small Office, Home Office)は個人事業主など非雇用型の働き方を指し、雇用型テレワークとは区別される。
【ジョブ型雇用・メンバーシップ型雇用まとめ】
<概要>
雇用の在り方には、職務を基準とするジョブ型雇用と、人を基準とするメンバーシップ型雇用がある。日本では従来メンバーシップ型が主流であったが、近年はジョブ型の考え方も重視されている。
<ジョブ型雇用>
ジョブ型雇用とは、職務内容・責任・必要な能力を明確に定義した上で、その職務を遂行できる人を雇用する形態をいう。職務記述書に基づき、賃金や評価は職務の価値を基準として決定される。職務が限定され、専門性が重視される。
<メンバーシップ型雇用>
メンバーシップ型雇用とは、特定の職務を限定せず、企業の一員として人を雇用する形態をいう。配置転換やジョブローテーションを前提とし、賃金や処遇は年齢・勤続・職能など属人的要素を基準とする。
<採用管理>
要員算定方式には、企業全体の枠を定めるマクロ的算定方式と、業務分析により積み上げるミクロ的算定方式がある。通年採用制は採用時期を限定せず必要に応じて採用する制度である。
<退職管理>
継続雇用制度には、定年退職後も雇用を継続する勤務延長制度と、定年退職後に再雇用する再雇用制度があり、現在は再雇用制度が主流である。早期退職優遇制度は定年前退職者を優遇する制度である。
【継続雇用制度・再雇用制度まとめ】
<概要>
継続雇用制度とは、定年後も引き続き労働者を雇用する制度の総称をいう。高年齢者雇用安定法に基づき、企業は希望者について65歳までの雇用確保措置を講じなければならない。
<勤務延長制度>
定年年齢に達した労働者を、いったん退職させることなく、引き続き同一の雇用関係のまま雇用を継続する制度。雇用契約は継続し、身分上の断絶は生じない。
<再雇用制度>
定年時にいったん退職させた後、新たに雇用契約を締結して再度雇用する制度。雇用関係はいったん終了し、その後あらためて成立する。現在はこちらが主流。
この記事では労務管理(労務管理・制度編)まとめについてご紹介しました。
次回に続きます!


