■受給権の保護
更新日:7月18日
ここでは受給権の保護についてお伝えします。
【受給権の保護】
<譲渡等の禁止(法11条)>
失業等給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることができない。
<公課の禁止(法12条)>
租税その他の公課は、失業等給付として支給を受けた金銭を標準として課することができない。
<用語の整理>
・雇用保険法:失業等給付として支給を受けた「金銭」
・労災保険法・健康保険法:保険給付として支給を受けた「金品」
雇用保険の給付はすべて現金給付であるため、「金銭」と規定されている。
【未支給の失業等給付】
<趣旨(法10条の3第1項)>
失業等給付の支給を受けることができる者が死亡した場合に、その者に支給されるべきであった未支給分の失業等給付について、一定の遺族が自己の名で請求できる制度である。
<請求できる者(法10条の3第1項・第2項)>
死亡した者の死亡当時、その者と生計を同じくしていた次の遺族が請求できる。
配偶者→子→父母→孫→祖父母→兄弟姉妹
未支給の失業等給付を受けるべき者の順位は、上記の順序による。
<請求方法(法10条の3第1項、則17条の2第1項)>
請求できる遺族は、自己の名で未支給の失業等給付を請求する。
未支給失業等給付請求書に必要書類を添えて、死亡者に係る公共職業安定所長に提出する。
<請求期限(則17条の2第1項)>
受給資格者等が死亡した日の翌日から起算して6か月以内に請求しなければならない。
【不正利得の返還命令等】
<返還命令(法10条の4第1項)>
偽りその他不正の行為により失業等給付の支給を受けた者があるときは、政府は、その者に対し、支給した失業等給付の全部又は一部の返還を命ずることができる。
<追加納付命令(法10条の4第1項)>
政府は、厚生労働大臣の定める基準により、不正の行為により支給を受けた失業等給付の額の2倍に相当する額以下の金額の納付を命ずることができる。
<事業主等の連帯責任(法10条の4第2項)>
事業主、職業紹介事業者等又は指定教育訓練実施者等が、偽りの届出、報告又は証明をしたことにより不正受給が行われた場合は、その事業主等に対して、不正受給者と連帯して返還又は納付を命ずることができる。
<ポイント>
・返還命令=支給済みの失業等給付の全部又は一部を返還
・追加納付命令=不正受給額の2倍以下を追加で納付
・返還額と追加納付額を合わせると、最大で不正受給額の3倍となる
・「2倍ちょうど」ではなく「2倍以下」に注意
【育児休業等給付への準用】
<準用規定(法61条の6第5項)>
未支給の失業等給付、不正利得の返還命令等、受給権の保護及び公課の禁止に関する規定は、育児休業等給付について準用される。
<ポイント>
・失業等給付だけでなく、育児休業等給付にも適用される
・育児休業等給付を受けることができる者が死亡した場合は、一定の遺族が未支給分を請求できる
・育児休業等給付を不正受給した場合は、返還命令及び追加納付命令の対象となる
・育児休業等給付を受ける権利も、譲渡、担保及び差押えが禁止される
・育児休業等給付として支給された金銭を標準として、公課を課することはできない
この記事では受給権の保護についてご紹介しました。
次回に続きます!
