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[基礎・厚生]年金の刑罰

  • 執筆者の写真: 筒井
    筒井
  • 8月3日
  • 読了時間: 4分

ここでは国民年金の刑罰についてお伝えします。




[基礎・厚生]

【国民年金・厚生年金 共通|罰則まとめノート】


<共通罰則の対象となる行為>


<基礎年金番号の不正利用>

・法律に違反して基礎年金番号を使った場合や、中止命令に従わなかった場合

・罰則:1年以下の懲役または50万円以下の罰金(併科あり)


<偽りその他不正の手段による給付受給>

・虚偽の届出や申請により、年金(老齢・障害・遺族など)を不正に受け取った場合

・罰則:3年以下の懲役または100万円以下の罰金(併科あり)


<虚偽の届出等(給付に至らなくても対象)>

・虚偽の届出や報告を行った場合(給付を受けていなくても罰則の対象)

・罰則:6か月以下の懲役または30万円以下の罰金(併科あり)


<立入検査の拒否・妨害>

・厚生労働大臣や職員による調査を拒否・妨害・忌避した場合

・罰則:6か月以下の懲役または30万円以下の罰金(併科あり)


<書類提出拒否・虚偽の報告>

・資料の提出を拒否したり、偽った報告をした場合

・罰則:6か月以下の懲役または30万円以下の罰金(併科あり)



<ポイントまとめ>

・これらは国民年金・厚生年金どちらでも共通して適用される

・条文番号は異なるが、内容・罰則はほぼ同じ

・「給付を不正に受けた」だけでなく「届出や検査対応の義務」にも罰則あり

・併科あり=懲役と罰金が同時に科される可能性があることに注意



[国民年金]

【虚偽の届出と過料】

第1号被保険者及び第3号被保険者による資格の取得及び喪失、種別の変更、氏名及び住所の変更以外の届出の規定に違反して虚偽の届出をした被保険者は、10万円以下の過料に処せられる。


<結論>

・誤りの記述(×)


<根拠>

・国民年金法 第104条第1項では、以下の届出に虚偽があった場合に「10万円以下の過料」の対象となると規定している。


<対象となる届出>

・資格の取得

・資格の喪失

・種別変更

・氏名変更

・住所変更


→ よって、「氏名及び住所の変更以外の届出」とする記述は誤り。


<重要ポイント>

・過料の対象は「氏名・住所変更」も含む!

・選択肢アは「それ以外」としており、逆の意味になっている。

・よってアは誤りと判断する。



[国民年金]

【虚偽の届出と過料|世帯主による虚偽届出は30万円以下】


<対象となる届出>

・世帯主が第1号被保険者に代わって以下の届出をする場合:

 ・資格の取得または喪失

 ・種別の変更

 ・氏名や住所の変更 など


<虚偽の届出をした場合>

・このような届出において「虚偽の届出」をした世帯主は、

 → 30万円以下の過料 に処せられる


<なぜ30万円以下になるの?>

・通常、被保険者本人による「氏名・住所変更・種別変更」の虚偽届出は

 → 10万円以下の過料(国年法第102条)


・しかしこのケースでは、

 → 世帯主が本人に代わって届出を行う

 → 代理人の立場での虚偽届出となり、責任が重く評価される!


・そのため、国民年金法では第101条で

 → 「30万円以下の過料」として別に規定されている


<条文の根拠>

・国民年金法 第101条

 → 世帯主が第1号被保険者に代わって資格取得・喪失等の届出をし、虚偽があったとき

 → 30万円以下の過料に処する



[国民年金]

【検査の忌避・妨害・忌避に関する罰則】


・職員の検査を「拒否・妨害・忌避」した者は、

 → 30万円以下の過料に処される


・根拠条文:国民年金法 第100条の5


<キーワード>

・職員の立入検査や帳簿等の提出を求められたとき、それを妨げた場合に適用



【届出義務違反に関する罰則】


・届出義務があるにもかかわらず、届出をせず、または虚偽の届出をした者は、

 → 10万円以下の過料に処される


・根拠条文:国民年金法 第100条の4


<具体例>

・種別変更届(第1号→第3号など)を怠った

・氏名・住所変更届を出さなかった

・被保険者資格取得届を出さなかった など



📌つまり…

・検査を拒む(妨害・忌避)→「30万円以下」

・届出をしない・虚偽の届出 →「10万円以下」


→ 罰則の重さに差がある点に注意!



[基礎・厚生]

●基礎年金番号の不正利用(共通罰則)


・対象行為:

 ・基礎年金番号を法律に反して利用した

 ・厚生労働大臣からの中止命令に従わなかった


・対象者:

 ・国民年金の被保険者

 ・厚生年金の被保険者(含:第2号被保険者)

 →「基礎年金番号」は共通の番号体系なので、厚生年金にもこの罰則が適用される


・罰則:

 ・1年以下の懲役または50万円以下の罰金(併科あり)


・根拠条文:

 ・国民年金法第104条の4(→共通適用される)




この記事では国民年金の刑罰についてご紹介しました。

次回に続きます!










 


 
 

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