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日雇労働被保険者

  • 執筆者の写真: 筒井
    筒井
  • 2024年8月22日
  • 読了時間: 7分

更新日:8月17日

ここでは日雇労働被保険者についてお伝えします。



雇用保険に加入しており、失業した場合下記条件を満たしていれば日雇労働被保険者の求職者給付を受けることができます。


日雇労働被保険者

②失業状態にある ※労働の意思があるが職に就けていない

離職日前の2ヶ月のうち26日以上の被保険者期間があること

※日雇労働被保険者手帳に雇用保険印紙が26枚以上貼ってある事で証明します



●日雇労働求職者給付金

日雇いの仕事が無い日にハローワークに出頭し、そこでも仕事が無かった場合は

1日分の日雇労働求職者給付金をもらう事ができます。



①日雇労働求職者給付金(普通給付)|支給要件と限度日数


<概要>

・日雇労働被保険者が失業した場合に支給される給付。

・失業の認定を受けた日について、その月の前2か月間に納付された「印紙保険料」の通算日数により、支給可否と限度日数が決まる。


<支給条件>

・前2か月間に納付された印紙保険料が通算26日以上であること。


<支給限度日数>

・通算26日以上 → 7日分を限度に支給。

・通算36日以上 → 12日分を限度に支給。

・通算44日以上 → 17日分を限度に支給。

・通算26日未満 → 支給なし。


<ポイント>

・支給限度日数は「7日 → 12日 → 17日」と段階的に増える。

・限度日数は「その月の前2か月間」の通算日数で判定する。

・「44日以上 → 17日分」という表現だけでは不十分。26日・36日ラインも押さえること。



【雇用保険|日雇労働求職者給付金の特例給付】


<基本ルール>

・日雇労働被保険者が離職した場合に支給されるのが「日雇労働求職者給付金」。

・その中に「特例給付」が設けられている。


<特例給付の支給限度>

・失業の認定ごとに「24日分」が支給限度。

・24日を超えての支給は行われない。


<ポイント>

・「24日」という数字を押さえておくこと。

・他制度(健康保険の傷病手当金や出産手当金など)の日数と混同しやすいので注意。

・日雇労働求職者給付金=日雇い版の失業手当、と覚えると整理しやすい。

・普通給付(最大17日分)を受けた後でも、なお失業が継続している場合は、特例給付としてさらに24日分まで追加で受けられる。


区分

普通給付

特例給付

受給資格者

日雇労働被保険者(印紙保険料の納付がある者)

日雇労働被保険者(普通給付対象者)で失業継続者

支給条件

直近2か月の印紙保険料の通算日数が26日以上

失業の認定を受け、失業状態が継続していること

限度日数

26日以上 → 7日分36日以上 → 12日分44日以上 → 17日分

認定ごとに最大24日分

判定基準

「印紙保険料の納付日数」による段階制

「失業の継続」による一律上限制

性格

基本的な失業給付

普通給付に加えて失業が長引いた場合の上乗せ的給付



【一般保険料控除計算簿と賃金台帳の兼用ルール】


<根拠>

・労働保険徴収法施行規則 第60条第2項

・日雇労働被保険者が負担すべき額を賃金から控除する場合、事業場ごとに「一般保険料控除計算簿」を備えなければならない。


<例外(兼用可)>

・形式は問わず、必要事項(控除額、対象者、控除日など)が記載されていれば、賃金台帳でこれに代えることができる。


<ポイント>

・専用帳簿を必ずしも作成する必要はない。

・賃金台帳が法定の記載事項を満たしていればOK。

・帳簿管理の省力化が可能。



【日雇労働求職者給付金|週の最初の不就労日は不支給】


・日雇労働求職者給付金(普通給付・特例給付共通)では、

 各週(日曜〜土曜)の「最初の不就労日」は支給しない。

 → 基本手当でいう「待期」に相当。


・その週の2日目以降の不就労日から支給対象となる。


・毎週1日しか不就労日がない場合、

 その1日は常に「週の最初の不就労日」となるため、

 支給は受けられない。


<目的>

・働いていない日が少しだけある場合に、

 毎回すぐ給付が発生しないよう調整する仕組み。



【基本手当と日雇労働求職者給付金の関係】


<法律上のルール(雇用保険法46条)>

・同一日に両方の給付は受けられない(相互排除)。

・基本手当を支給した日の分 → 日雇労働求職者給付金は支給しない。

・日雇労働求職者給付金を支給した日の分 → 基本手当は支給しない。

・「優先して支給」という文言は法律にはない。


<実務上の傾向>

・多くの場合、基本手当の方が金額が高いため、重複日は基本手当を選ぶ運用が多い。

・この運用を説明するため、教材によっては「基本手当を優先して支給」と書かれている。



【日雇労働求職者給付】


<支給要件>

・日雇労働被保険者が失業した場合に支給

・失業の日が属する月の前2か月間において、その者について労働保険徴収法第10条第2項第4号の印紙保険料が通算して26日以上納付されていること

・上記のほか、他の要件も満たす必要あり


<特例給付(雇用保険法第53条)>

・日雇労働求職者給付金を受けられる期間および日数は「基礎期間の度数」とする

・雇用保険法第54条において、日最終の月の翌月以後4か月の期間内に失業している日において、通算して60日分を限度とする



【雇用保険印紙の変更時の買戻しルール】


<概要>

事業主は、雇用保険印紙が変更された場合、変更された日から一定期間内に買戻しを申し出ることができる。


<期間>

6か月以内


<手続き先>

・日本郵便株式会社の営業所


<必要書類>

・雇用保険印紙購入通帳


<根拠>

・雇用保険印紙取扱規則 第43条第2項第3号


<ポイント>

・買戻しを申し出る期限は6か月以内。期限を過ぎると買戻しはできない。

・事業主が保有している旧印紙が対象。



【日雇労働被保険者|印紙保険料納付計器による納付】


<概要>

・日雇労働被保険者の保険料は、原則「雇用保険印紙」で納付する。

・事業主は、厚生労働大臣の承認を受けて「印紙保険料納付計器」を設置できる。

・計器を使うことで、労働者の被保険者手帳に「納付印」を押すだけで納付が完了する。


<納付の仕組み>

1. 事業主は、事前に所轄労働局(都道府県労働局歳入徴収官)から承認を受ける。

2. 納付計器を使用するために必要な「始動票札」を交付してもらう。

3. 始動票札を受ける際、あらかじめ印紙保険料に相当する金額を納付しておく。

4. 労働者に賃金を支払う際、その日数分だけ納付計器で「納付印」を押す。

5. 納付印を押した時点で、既に前払い済みの保険料を消費したことになり、納付完了。


<ポイント>

・納付印を押す=事前購入済みの印紙保険料を使用したことになる。

・後から別途納付する必要はない。

・「押印は記録、購入時に納付済み」という考え方。



<日雇い労働被保険者の印紙保険料|納付・消印怠慢時の措置>


① 納付・消印義務

・事業主は、日雇労働被保険者手帳に印紙保険料を貼り、消印して納付しなければならない。


② 義務違反の罰則(徴収法46条)

・印紙保険料を貼らなかった、または消印しなかった場合

 → 6か月以下の懲役 または 30万円以下の罰金


③ 納付を怠った場合の追徴金

・正当な理由なく納付を怠った場合

 → 納付すべき印紙保険料額の25%を追徴金として徴収

 → 1,000円未満の端数は切り捨て

 → 追徴金は罰金とは別に徴収される



【雇用保険|日雇労働被保険者の任意加入・任意脱退】


<基本ルール>

・日雇労働被保険者は、原則として強制適用。

・ただし、例外的に「任意加入」「任意脱退」の制度がある。


<任意加入>

・一般被保険者として扱われている日雇労働者は、希望すれば日雇労働被保険者として加入できる。

・加入申請は、日雇労働被保険者任意加入申請書に「住民票の写し」または「住民票記載事項証明書」を添えて提出する。

・提出先は、その者の住所地または居所地を管轄する公共職業安定所長。


<任意脱退>

・日雇労働被保険者に該当する労働者でも、本人が希望すれば「一般被保険者」として取り扱うことができる。


<一般被保険者の要件>

・任意脱退して一般被保険者になる場合は、以下の要件を満たす必要がある。

 - 週所定労働時間が20時間以上

 - 31日以上の雇用見込みがある

・この要件を満たさない場合は、一般被保険者になることはできない。


<試験対策ポイント>

・「日雇労働被保険者=原則強制適用」だが、例外として任意加入・任意脱退がある。

・一般被保険者になるには、当然「一般被保険者の加入要件」を満たすことが前提。

・「日雇いに任意加入なんてない」と思うと×。実際は存在する制度。




この記事では日雇労働被保険者についてご紹介しました。

次回に続きます!










 


 
 

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