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日雇特例被保険者

  • 執筆者の写真: 筒井
    筒井
  • 7月8日
  • 読了時間: 5分

更新日:8月5日

ここでは日雇特例被保険者についてお伝えします。



●日雇特例被保険者(健康保険)


<定義>

・適用事業所に使用される日雇い労働者のうち、所定の要件を満たす者

・通常の被保険者とは別に、特例的に加入する制度


<対象とならない者(除外者)>

後期高齢者医療の被保険者

・以下のいずれかに該当し、かつ厚生労働大臣の承認を受けた者


 - 引き続く2月間に通算して26日以上使用される見込みがない者

 - 任意継続被保険者

 - その他特別の理由がある者(例:本業が農業・漁業・商業など)

 - 学生(昼間)でアルバイトとして雇用されている者

 - 主婦などが余暇時間に短期的に働いている場合


<加入手続き>

・日雇特例被保険者となった場合は、その日から起算して5日以内に

 厚生労働大臣に「日雇特例被保険者手帳」の交付を申請しなければならない

・申請者は、被保険者本人


【保険料】


<納付の原則>

・日雇特例被保険者は、日ごとに保険料を納付する(=日額制)

・保険料額は、介護保険の該当区分により異なる


<賞与が支給された場合>

・賞与額(上限40万円)×(平均保険料率+介護保険料率)で計算


【療養の給付】


<支給要件>

・以下のいずれかを満たすこと


 - 初めて給付を受ける日の前2ヶ月間に通算して26日分以上の保険料を納付

 - または、前6ヶ月間に通算して78日分以上の保険料を納付


<手続き>

・医療機関等で「受給資格表」を提示することで、療養の給付を受けることができる


【補足】

・日雇特例は通常の被保険者と異なるため、保険料の扱いや資格管理が独特

・制度の目的は、短期・不定期労働者にも一定の保障を与えることにある



<有効期間の発生要件>

パターン

要件

補足

🗓️ 短期型

直近2か月間に26日以上の印紙貼付があること

=ほぼ毎日働いてるような人

🗓️ 長期型

直近6か月間に通算78日以上の印紙貼付があること

=たまに働いてるけど、トータルではしっかり払ってる人



<日雇い労働者の給付>

制度

被保険者区分

給付の有無

補足ポイント(重要)

健康保険

日雇特例被保険者

✅ 原則すべて支給

・傷病手当金、出産手当金、療養給付などあり・給付日数に応じて「有効日数」必要

雇用保険

日雇労働被保険者

✅ 失業給付あり

・「日雇い失業給付金」=通算26日以上の印紙記録が必要・求職申込みも必要

厚生年金

―(対象外)

❌ 給付なし(加入しない)

そもそも被保険者ではない

労災保険

雇用形態問わずすべて対象

✅ 業務災害等の給付あり

日雇いであってもフルで保障される



<日雇特例被保険者給付の財源>

区分

内容

ポイント

① 保険料(本人)

日雇特例被保険者本人が支払う保険料

通常の被保険者と同じく負担する(印紙で納付するケースが多い)

② 保険料(事業主)

日雇特例被保険者を使用する事業主が支払う保険料

本人と同額または一定割合を負担

③ 拠出金(健保組合)

日雇特例被保険者を使用する事業主が設立した健康保険組合が支払う拠出金

これがちょっと特殊なポイント!



●日雇特例被保険者の傷病手当金


<対象者>

・日雇特例被保険者


<支給期間の原則>

・同一の疾病または負傷およびそれによって発した疾病については

 支給開始日から起算して「6か月以内


<例外>

・厚生労働大臣が指定する結核性疾病に関しては「1年6か月以内」


<ポイント>

・「支給開始日」から起算される(就労不能が連続していなくても通算で計算)

・原則は6か月と短く、通常の被保険者(1年6か月)とは異なる点に注意

結核性疾病は例外的に1年6か月の支給が認められる



●特別療養費

療養の給付要件を満たす前に療養が必要となった場合に支給される。



【健康保険|日雇特例被保険者の出産給付まとめ】


<本人が出産した場合>

◆支給される給付:出産育児一時金

※出産手当金は支給対象外


◆支給要件(印紙貼付=就労日数)

・出産日前6か月間に通算して78日以上就労していること

(=印紙が78日分以上貼られている)


・やむを得ない理由がある場合、保険者の判断で支給されることもある


◆補足

・印紙1枚=1日分の就労かつ保険料納付としてカウントされる

・出産手当金は支給されない(報酬の有無に関係なく)



<被扶養者が出産した場合>

◆支給される給付:家族出産育児一時金


◆支給要件(2つとも必要)

① 出産日の属する月の前2か月間に通算して26日以上の就労(印紙貼付)

② 上記2か月を含む継続した6か月間に通算して78日以上の就労(印紙貼付)


◆補足

・どちらか一方だけでは不支給となる

・就労日数は「日雇健康保険被保険者手帳」で確認される



<共通ポイント>

・給付額は年度ごとの定額(例:令和6年度は50万円+産科医療補償制度加算)

・就労実績は印紙貼付日数で判断される

・出産手当金は日雇特例被保険者には支給されない



【日雇特例被保険者が1日に2事業所で働く場合の保険料納付】


<対象>

日雇特例被保険者が、1日に2か所以上の適用事業所に使用された場合


<保険料の納付者>

初めにその者を使用した事業主が納付を行う


<標準賃金日額の決定方法>

午前中に働いた適用事業所から受ける賃金額により標準賃金日額を決定する


<具体的な手続き>

初めに使用した事業主が、日雇特例被保険者手帳に健康保険印紙を貼り、これに消印して保険料を納付する




この記事では日雇特例被保険者についてご紹介しました。

次回に続きます!










 


 
 

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