特別加入制度(労災保険)
- 筒井

- 2025年12月11日
- 読了時間: 4分
更新日:2025年12月19日
ここでは特別加入制度(労災保険)についてお伝えします。
【特別加入制度(労災保険)まとめ】
<対象区分>
・中小事業主等(第1種特別加入)
・一人親方等(第2種特別加入)
・海外派遣者(第3種特別加入)
<中小事業主等>
・中小事業主および家族従業者が対象
・規模要件
金融・保険・不動産・小売業:常時50人以下
卸売業・サービス業:常時100人以下
上記以外の事業:常時300人以下
・労災保険の保険関係の成立が必要
・労働者と同種の業務に常態として従事していること
・複数事業でも基準を満たせば加入可能
・特別加入するには「労働保険事務組合に事務処理を委託すること」が必要
<一人親方等>
・建設業、自動車運送業、タクシー、林業、水産採取業などが対象
・労働保険事務組合に事務処理を委託することが必要
・政府の承認が必要
・同一の種類の事業・同一の種類の作業については、重複して特別加入できない
・異なる種類の事業・作業であれば、重ねて特別加入できる
<海外派遣者>
・国内企業から海外の事業場に派遣され業務に従事する者
・有期事業への派遣は対象外となる場合あり
・保険料は派遣元事業主が負担
・海外の企業に「現地採用」された者は特別加入できない
(日本企業との雇用関係がないため)
・国内で「有期事業(建設工事など期間限定の事業)」を行う事業主から
海外へ派遣される者は特別加入できない。
(有期事業からの海外派遣は適用外)
<特別加入の効果>
・業務災害については労働者と同様に保護される
・通勤災害も原則対象となる
・ただし「自動車を使用する旅客・貨物の運搬事業の従事者(第2種特別加入)」は
通勤災害についての保険給付は行われない
・業務遂行性・業務起因性は労働者と同様に判断
・給付基礎日額は平均賃金ではなく定額制
<支給制限>
・中小事業主の重大な過失による事故は支給制限の対象となる
・承認前や保険料滞納期間中の事故についても支給制限を行うことができる
<包括加入・脱退>
・中小事業主団体等は包括加入が可能
・海外派遣者は包括脱退の必要なし
<不服申立て>
・通常の労災給付と同様に不服申立てが可能
【特別加入|給付基礎日額と保険料の関係】
<給付基礎日額の選択>
特別加入者は、給付計算の基礎となる「給付基礎日額」を
3,500円〜25,000円の範囲で自分で選べる。
家内労働者およびその補助者は 2,000円〜25,000円。
<行政の承認>
提出された希望額に基づき、所轄都道府県労働局長が決定する。
年齢階層別の最低限度額・最高限度額の規定は適用されない。
<業務災害・複数業務要因災害・通勤災害の認定基準>
特別加入者に係る業務災害、複数業務要因災害及び通勤災害の認定は、
厚生労働省労働基準局長が定める基準によって行われる。
<保険料(納付額)との関係>
労災保険料は「給付基礎日額 × 労災保険料率」で算定される。
給付基礎日額を高く選ぶほど保険料は高くなる。
給付基礎日額を低く選ぶほど保険料は安くなる。
つまり、保険料そのものを自由に決めるのではなく、
選んだ給付基礎日額に応じて結果的に納付額が変わる仕組み。
<給付額の調整に関する特則>
・特別加入者の保険給付は、最低限度額・最高限度額の規定の適用を受けない。
(=自分が選択した給付基礎日額に直接連動する)
・一方で、物価スライド・賃金スライドなど「スライド制」の規定は適用されない
(=特別加入に係る給付基礎日額は固定される)
<支給事由の共通点>
特別加入に係る保険給付は、
業務災害・複数業務要因災害・通勤災害のいずれについても、
原則として「労働不能」であることを支給事由としている。
<健康診断給付の取扱い>
特別加入者は、二次健康診断等給付の対象とはならない。
二次健康診断等給付は、一般の労働者を対象とした制度であり、
特別加入者には適用されない。
この記事では特別加入制度(労災保険)についてご紹介しました。
次回に続きます!


