★社会復帰促進等事業まとめ
- 筒井

- 6 日前
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ここでは社会復帰促進等事業についてお伝えします。
【社会復帰促進等事業】
<目的>
労働者の社会復帰・介護・遺族支援、事業主による安全衛生確保を促進するための事業。
<社会復帰促進等事業の内容>
・被災労働者の再就職支援、職業訓練、社会復帰支援
・被災労働者・遺族への相談支援、補装具の支給
・事業主による安全衛生の確保、労働災害防止の指導
・未払賃金の立替払事務(一定の範囲で)
・療養に関する施設(労災病院など)の設置および運営も含まれる
(社会復帰促進の一環として、治療や手術、リハビリ支援を行う役割)
【特別支給金】
<概要>
特別支給金は「保険給付とは別枠」で支給される金銭で、性質は慰謝料に近い。
そのため保険給付と異なり課税対象にならない。
支給額の決め方は次の二つに分類される。
・あらかじめ額が定められているもの
・保険給付(年金・一時金)の額を基礎として算定するもの
<事務取扱>
特別支給金に関する事務は、労働基準監督署長が行う。
(独立行政法人 労働者健康安全機構ではない)
<休業特別支給金の申請手続>
休業特別支給金を受けようとする者は、申請の際に次の書類を所轄労働基準監督署長へ提出する。
・当該休業特別支給金の特別給与の総額を記載した届書
・事業主の証明を受けたもの
<ポイント>
・“特別給与の総額”とは、休業特別支給金の基礎となる特別給与(休業期間中に支払われた賃金等)の合計額
・事業主証明が必須であり、労働者単独で申請することはできない
【休業特別支給金(定率・定額)】
<休業特別支給金>
休業(補償)給付を受ける日に対して、
・算定基礎日額の60%が休業(補償)給付として支給される
・さらに、その額(給付基礎日額)の20%相当額が「休業特別支給金」として上乗せ支給される
<休業支援特別支給金>
休業特別支給金に加算して支給されることがある。
(一定の要件に該当する場合に追加で支払われる特例的な支給金)
<支給請求の期限(時効)>
休業特別支給金・休業支援特別支給金の支給請求権は、 「支給原因が生じた日の翌日から2年」で時効消滅する。
(保険給付と同様に、2年以内に請求しないと権利がなくなる)
【傷病特別支給金】
<傷病特別支給金(一時金)>
傷病(補償)年金の受給権者に対し、申請に基づいて支給される一時金。
その額は「算定基礎日額 × 所定日数」で決まり、所定日数は傷病等級ごとに異なる。
<等級ごとの支給日数>
・第1級:313日分
・第2級:277日分
・第3級:245日分
(参考:実際に支給される金額は、算定基礎日額に上記日数を乗じた額となる)
【障害特別支給金】
<障害特別支給一時金>
障害(補償)一時金の受給権者に支給される特別支給金で、
一時金として支給される。
<障害特別年金>
障害(補償)年金の受給権者に支給される特別支給金で、
額は「等級 × 算定基礎日額 × 所定日数」で決まる。
年金形式で継続支給される。
<障害特別年金差額一時金>
すでに受け取った障害特別年金との差額を精算するための特別支給金で、
一時金として支給される。
<加重障害の場合の取扱い>
現在の障害等級に応じた障害特別支給金の額から、
以前の等級に応じた額を差し引いた“加重分”のみが支給される。
【労災|遺族特別支給金の全体整理】
<遺族特別支給金(年金)>
遺族(補償)年金の受給権者に支給される特別支給金。
人数に応じて算定基礎日額×所定日数で支給される。
<遺族特別一時金(1000日分)>
遺族(補償)等年金の受給権がない場合などに支給される一時金。
額は算定基礎日額の1000日分。
<遺族特別支給金(定額300万円)>
遺族(補償)等給付の受給権者に対して支給される一時金。
額は一律300万円で、複数受給権者がいるときは人数で按分される。
【特別支給金の通則事項】
<給付調整>
特別支給金は保険給付との併給調整を行わない。
<費用徴収>
特別支給金は、事業主からの費用徴収の対象とならない。
<譲渡・差押等>
特別支給金は、保険給付のような譲渡・担保・差押禁止規定(法12条2項)の適用を受けない。
したがって、差押え・譲渡が禁止されていない。
<不服申立て>
特別支給金は不服申立ての対象外(法38条1項の対象外)。
<海外派遣者等>
特別給与を算定基礎とする支給金の規定は、派遣労働者等には適用されない場合がある。
<スライド制の適用除外>
特別支給金は年金給付ではないため、物価スライド・賃金スライド等の改定の対象とならない。
【社会復帰促進等事業と特別支給金の事務】
<社会復帰促進等事業の実施主体>
社会復帰促進等事業のうち、政府はその一部を
独立行政法人 労働者健康安全機構に行わせることができる。
<特別支給金の支給事務>
特別支給金の支給に関する事務は、都道府県労働局長の指揮監督を受けて、
所轄労働基準監督署長が行う。
この記事では社会復帰促進等事業についてご紹介しました。
次回に続きます!


