納付受託者制度
- 筒井

- 7月30日
- 読了時間: 3分
更新日:8月5日
ここでは納付受託者制度についてお伝えします。
【国民年金|納付受託者制度まとめ】
<納付受託者とは>
本来、国民年金保険料は被保険者本人が納める義務があるが、特別な事情がある場合には、
一定の者が「納付受託者」となって本人に代わって保険料を納めることができる制度
<納付受託者になれる者(例示)>
① 被保険者と生計を一にする親族
・例:家族や親が本人の代わりに払うケース
② 被保険者が勤務する事業主
・例:会社が従業員(第1号被保険者)の保険料を肩代わりして払う
③ 国民年金基金連合会
・例:基金加入者に代わって、拠出金と一緒に保険料を納付
④ 国民年金事務組合(国民年金法第88条第1項第4号)
・例:中小企業の事業主や配偶者などの保険料をまとめて納付
・資格取得・喪失・変更等の届出も代行可能な団体
⑤ 厚生労働大臣が認めた法人等
・例:信託会社・生命保険会社・農協連など、制度上認可された団体
<納付受託者を利用するには>
・被保険者が「納付受託申出書」を提出する
・提出先は、住民登録地の市区町村役場または年金事務所
・書面には、受託者の氏名・続柄・住所・連絡先などを記載し、受託者の同意が必要
<利用のメリット>
・本人の事情(多忙・障害・未成年など)で納付が困難な場合でも、確実に納付ができる
・口座引き落としや一括管理が可能になるケースもある
<注意点>
・納付義務自体はあくまで被保険者本人にある
・納付受託者は善意で代理納付しているため、強制義務はない(ただし合意があれば支払い義務あり)
<備考>
・納付受託者が納付した保険料も、原則として「本人が納めた」とみなされる(老齢基礎年金などにカウントされる)
【国民年金|納付受託者の記録保存(3年間)】
<根拠規定>
・国民年金法施行規則 第10条の8
<記録保存が義務づけられている人>
・納付受託者(保険料を預かって納める者)
<保存すべき記録内容>
・保険料の金額
・納付年月日
・対象となる被保険者(氏名など)
・納付の事実を証明する書類等
<保存期間>
・記録を作成した日から3年間
<補足ポイント>
・行政機関ではなく、納付受託者が自ら記録を保存する義務がある
・保存を怠った場合、調査時に不利となる可能性があるため注意
【納付受託者の報告義務|国民年金法 第92条の4 第1項】
<報告義務が発生する場面>
・被保険者から納付受託者が保険料を受け取ったとき。
<報告の内容>
・以下の2点を厚生労働大臣に報告する必要がある。
・保険料を受け取った旨
・受け取った年月日
<報告の期限>
・「遅滞なく」報告しなければならない(=できるだけ速やかに)。
<報告の目的>
・政府(厚生労働大臣)が、保険料の納付状況や納付受託者の受領実績を把握し、
納付責任の所在を明確にするため。
<報告の方法(具体的手続き)>
・「国民年金保険料納付受託者報告書」という専用様式を使用する。
・報告書には以下の情報を記載:
・被保険者の氏名・基礎年金番号
・受け取った保険料の金額
・受領した年月日
・納付受託者の氏名・住所 など
・提出方法:
・原則:書面で年金事務所に提出
・一部:電子申請(e-Gov)も可
・提出時期:
・「遅滞なく」の原則に従い、受領後速やかに(月内など)提出する
<根拠法令>
・国民年金法 第92条の4 第1項
この記事では納付受託者制度についてご紹介しました。
次回に続きます!


