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業務上疾病認定基準・評価期間

  • 執筆者の写真: 筒井
    筒井
  • 11月20日
  • 読了時間: 3分

ここでは業務上疾病認定基準についてお伝えします。



【急激な血圧変動などの「異常な出来事」と評価期間・完全統合版】


<根拠>

・R3.9.14 基発0914第1号(脳・心臓疾患の認定基準)

・R5.10.18 基発1018第1号(追加の補強通知)


<医学的背景>

・急激な血圧変動、血管収縮、強度の精神的負荷などによる

 「異常な出来事」に起因する脳・心臓疾患は、

 通常「負荷を受けてから24時間以内」に発症するとされている。


<評価期間>

・上記の医学的背景から、

 「異常な出来事」の評価期間は

 発症直前から前日までとされる。


<他の評価期間との比較>

・長期間の過重業務:発症前おおむね6か月間

・短期間の過重業務:発症前おおむね1週間

・異常な出来事:発症直前〜前日(24時間以内の発症を前提)


<誤り例(頻出ひっかけ)>

・「異常な出来事の評価期間は発症前1週間」とするのは誤り。

・短期間の過重業務(1週間)と取り違えやすいため注意。



【心理的負荷による精神障害の認定基準(R5改正)】


<根拠>

・令和5年9月1日付 基発0901第2号

・対象疾病は、労働基準法施行規則 別表第1の2 第9号に規定する

 精神および行動の障害(Fコード)など。


<認定の3要件>

次の①②③のいずれの要件も満たす必要がある。


① 対象疾病を発症していること。


② 発症前おおむね6か月間に、業務による強い心理的負荷が認められること。

 (6か月=評価期間の目安)


③ 業務以外の心理的負荷や個体側要因のみで発症したとは認められないこと。

 (業務起因性の確保)


<ポイント>

・「強い」心理的負荷の有無は、職場の出来事ごとに評価(出来事表)。

・6か月はあくまで目安。出来事の性質によっては短縮される場合あり。

・③は“排他的要件”で、業務以外のみではダメ=業務の影響が必要。


<ひっかけ注意>

× 6か月 → 1か月/3か月 とするのは誤り。

× ①②③の「いずれか」ではなく「すべて満たす」が正しい。



【精神障害の労災認定における対象疾病】


<根拠>

・労働基準法施行規則 別表第1の2 第9号(精神および行動の障害)


<主な対象疾病(業務による心理的負荷が原因になりうるもの)>

・うつ病などの気分(感情)障害(F3系)

 例:うつ病、反復性うつ病、気分変調症


・急性ストレス反応・PTSD・不安障害(F4系)

 例:外傷後ストレス障害(PTSD)、適応障害、不安障害


・非器質性睡眠障害(心理的負荷により医学的関連性が認められるもの)


<原則として対象外>

・統合失調症(器質的・先天的要因が大きい)

・アルコール依存症・薬物乱用(自己誘発的要因が強い)

・認知症、てんかん、知的障害(業務起因性が弱い)

・躁うつ病(双極性障害)※原則対象外だが、

 強い業務負荷との関連が明確な例のみ例外的に認められる場合あり


<まとめ>

精神障害の認定では、

①対象疾病であること

②発症前6か月以内に強い心理的負荷

③業務以外の負荷のみで発症とは言えないこと

この3要件とセットで判断する。




この記事では業務上疾病認定基準についてご紹介しました。

次回に続きます!










 


 
 

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