■健康保険法(強制・任意・特定適用事業所の一括・廃止)
更新日:8月11日
ここでは強制・任意・特定適用事業所の一括・廃止についてお伝えします。
【適用事業所・被保険者等まとめ】
<強制適用事業所・法3条3項>
・次のいずれかに該当する事業所は、健康保険の強制適用事業所となる。
・適用業種である事業の事業所であって、常時5人以上の従業員を使用するもの。
・国、地方公共団体又は法人の事業所であって、常時従業員を使用するもの。
・外国人経営の事業所であっても、要件を満たせば強制適用事業所となる。
<法人代表者が被保険者となる場合・法3条1項、法3条3項>
・常時1人以上の従業員を使用する法人の事業所は、原則として適用事業所となる。
・法人の代表者であっても、その法人から労働の対価として報酬を受けている場合には、その法人に使用される者として被保険者となる。
・そのため、法人代表者のみの法人であっても、報酬を受けていれば適用事業所となり得る。
<季節的業務に使用される者の取扱い・法3条1項>
・季節的業務に4か月以内の期間を限って使用される者は、一般の被保険者とならない。
・当初から継続して4か月を超える予定で使用される者は、使用開始の日から一般の被保険者となる。
<在日大使館の取扱い・法3条1項、法3条3項>
・在日大使館は、日本の国又は地方公共団体には該当しない。
・また、日本の共済組合制度の適用対象ともならないため、共済組合による医療給付は存在しない。
・そのため、在日大使館が日本国内で労働者を使用する場合には、事業主として健康保険法の適用を受けることがある。
<従業員数の算定・法3条3項>
・常時5人以上の従業員を使用するかどうかの判断にあたっては、被保険者となるべき者だけでなく、適用除外の規定により被保険者とならない者であっても、当該事業所に常時使用される者であれば算入する。
<適用業種・法3条3項1号>
・健康保険の適用業種には、製造業、建設業、鉱業、運送業、卸売業、小売業、金融保険業、倉庫業、媒介周旋業、集金案内広告業、教育研究調査業、医療業、通信報道業、社会福祉事業、法律又は会計に係る業務を行う事業等が含まれる。
【任意適用事業所】
<任意適用事業所・法31条>
・強制適用事業所以外の事業所の事業主は、厚生労働大臣の認可を受けて、当該事業所を任意適用事業所とすることができる。
・この場合、当該事業所に使用される者のうち、被保険者となるべき者の2分の1以上の同意を得なければならない。
<任意適用の擬制・法32条>
・適用事業所が、使用労働者の減少や業種変更により強制適用の要件を欠くに至った場合には、自動的に任意適用事業所の認可があったものとみなされる。
<任意適用事業所の取消し・法33条>
・任意適用事業所の事業主は、厚生労働大臣の認可を受けて、当該事業所を適用事業所でなくすることができる。
・この場合、当該事業所に使用される者のうち、被保険者である者の4分の3以上の同意を得て申請しなければならない。
【適用事業所の一括・届出】
<適用事業所の一括・法34条>
・2以上の適用事業所の事業主が同一である場合には、厚生労働大臣の承認を受けて、当該2以上の事業所を1の適用事業所とすることができる。
・この承認があったときは、当該2以上の事業所は、適用事業所でなくなったものとみなされる。
<適用事業所に関する届出・法48条、則35条>
・事業主は、厚生労働大臣又は健康保険組合に対し、適用事業所に関する届出を行わなければならない。
・新規適用届、適用事業所全喪届、名称又は所在地変更届、事業主変更届は、原則として事実発生の日から5日以内に提出する。
・事業主が健康保険に関する事務を処理させる代理人を選任又は解任したときは、あらかじめ届け出なければならない。
<廃止・休止等の場合の届出>
・適用事業所の事業主は、廃止、休止その他の事由により適用事業所に該当しなくなったときは、任意適用事業所の取消しの申請をする場合を除き、当該事実があった日から5日以内に、所定の事項を記載した届書を厚生労働大臣又は健康保険組合に提出しなければならない。
・当該届書に併せて雇用保険法施行規則の規定による事業所の廃止に係る届書を提出するときは、所轄公共職業安定所長を経由して提出することができる。
【特定適用事業所】
<特定適用事業所の意味・法3条1項9号>
・特定適用事業所とは、一定規模以上の適用事業所について、通常の労働者の所定労働時間及び所定労働日数の4分の3未満で働く短時間労働者にも、健康保険及び厚生年金保険の適用を拡大する制度である。
・特定適用事業所に該当するかどうかを判断するため、厚生年金保険の被保険者数が常時50人を超えるかどうかを判定する。
<特定適用事業所・法3条1項9号>
・特定適用事業所とは、事業主が同一である1又は2以上の適用事業所で使用される厚生年金保険の被保険者の総数が、常時50人を超える適用事業所をいう。
・「常時50人を超える」とは、原則として、厚生年金保険の被保険者数が1年のうち6か月以上50人を超えることが見込まれる場合をいう。
・法人の場合は、同一の法人番号を有するすべての適用事業所の厚生年金保険の被保険者数を合算して判定する。
・個人事業所の場合は、適用事業所ごとに判定する。
<任意特定適用事業所・平成24年改正法附則46条>
・特定適用事業所以外の適用事業所であっても、労使の合意に基づき事業主が申出をすることにより、任意特定適用事業所となることができる。
・この場合、短時間労働者について、特定適用事業所と同様に健康保険及び厚生年金保険が適用される。
・法人の場合、任意特定適用事業所とするための申出は企業単位で行い、同一法人格に属するすべての適用事業所について一体として取り扱う。
・個人事業所の場合は、適用事業所単位で取り扱う。
<短時間労働者への適用・法3条1項9号>
・特定適用事業所に使用される短時間労働者は、週の所定労働時間が20時間以上であり、2か月を超えて使用される見込みがあり、学生でない場合には、健康保険及び厚生年金保険の被保険者となる。
・短時間労働者については、通常の労働者の所定労働時間及び所定労働日数の4分の3以上という基準を満たさなくても、上記の要件を満たせば被保険者となる。
<特定適用事業所となった場合の届出・法48条>
・初めて特定適用事業所となった適用事業所の事業主は、その事実があった日から5日以内に、特定適用事業所該当届を厚生労働大臣又は健康保険組合に提出しなければならない。
・特定適用事業所に該当したことにより新たに被保険者となる短時間労働者がいる場合は、その者について被保険者資格取得届も提出する。
<見込みによる届出後の取扱い>
・「常時50人を超える」とは、過去に50人超の月が6か月確定した場合だけでなく、今後1年間のうち6か月以上50人を超えることが見込まれる場合も含む。
・常時50人を超えると見込んで特定適用事業所該当届を提出し、適用された後、実際には常時50人を超えなかった場合でも、特定適用事業所への該当は遡及して取り消されない。
・特定適用事業所を不該当とする場合は、通常どおり労使の同意を得て、特定適用事業所不該当届を提出する必要がある。
<特定適用事業所の不該当>
・厚生年金保険の被保険者の総数が常時50人を超えなくなった場合でも、自動的に特定適用事業所でなくなるわけではない。
・特定適用事業所でなくするためには、被保険者等の4分の3以上の同意を得て、特定適用事業所不該当届を提出しなければならない。
この記事では強制・任意・特定適用事業所の一括・廃止についてご紹介しました。
次回に続きます!
