雇用保険の傷病手当
- 筒井

- 8月9日
- 読了時間: 3分
更新日:8月17日
ここでは雇用保険の傷病手当についてお伝えします。
●傷病手当
受給資格者がけがや病気で継続して15日以上就職できない場合、
ハローワークに傷病手当支給申請書を提出し「傷病認定日」が決定されると、支給対象となる。
※申請は、通算して7日以上就職できないと見込まれる段階から可能。
※医師の証明が必要で、離職前からの傷病は対象外。
※完治後に申請しても支給されないため、「治る前に」申請が必要。
<支給額> 基本手当と同額 ※ただし基本手当の所定給付日数から差し引かれるため給付総額が増えるわけではない
【雇用保険における傷病手当と他制度との調整】
<ポイント>
・雇用保険にも「傷病手当」は存在するが、支給には条件がある。
<支給されないケース>
・以下のいずれかの制度から「傷病に関する給付(手当金や補償など)」を受けられる場合は、雇用保険の傷病手当は支給されない:
・健康保険法による傷病手当金
・労働基準法による休業補償
・労災保険(労働者災害補償保険法)による休業(補償)給付
・その他、これらに相当し政令で定める給付(公務員制度など)
<理由>
・傷病に対する重複給付を防ぐため。
・たとえ雇用保険の傷病手当の額が他制度の給付より高くても、他制度から給付が受けられるなら雇用保険の傷病手当は支給されない。
<まとめ>
→ 雇用保険の傷病手当は「他制度から何ももらえないときの補完的な制度」として位置づけられている。
【傷病関連給付の整理(健康保険・雇用保険・労災)】
<健康保険|傷病手当金>
・対象:在職中の健康保険被保険者(任意継続は対象外)
・事由:業務外の病気やケガで労務不能
・支給:標準報酬日額の3分の2
・労基法休業補償との関係:調整あり(差額支給または不支給)
<雇用保険|傷病手当>
・対象:退職後、基本手当の受給資格者
・事由:病気やケガで15日以上求職活動ができない
・支給:基本手当日額と同額(本来の基本手当が傷病手当に振替)
・労災との関係:調整なし(失業手当の別名だから)
<労災保険|休業補償給付>
・対象:業務上または通勤途上の事故・病気
・支給:給付基礎日額の60%+特別支給金20%
・健康保険との関係:業務上の場合、健康保険の傷病手当金は支給されない(調整あり)
<ポイント>
・在職中 → 健康保険(業務外) or 労災(業務上)
・退職後 → 雇用保険(基本手当と同じ扱い、名前が変わるだけ)
・労災と調整あり=健康保険、労災と調整なし=雇用保険
この記事では雇用保険の傷病手当についてご紹介しました。
次回に続きます!


