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■雇用保険法(高年齢雇用継続基本給付金)

1月11日
読了時間: 5分

更新日:8月20日

ここでは高年齢雇用継続基本給付金についてお伝えします。


【高年齢雇用継続給付Ⅰ|高年齢雇用継続基本給付金(法61条)】

<制度の全体像>

高年齢雇用継続基本給付金は、60歳以後も雇用を継続する者について、60歳到達時等と比べて賃金が75%未満に低下した場合に支給される給付である。


<支給対象者(法61条)>

・60歳以上65歳未満の一般被保険者であること

・短期雇用特例被保険者及び日雇労働被保険者ではないこと

・被保険者であった期間が通算して5年以上あること

60歳到達時に5年未満であっても、その後5年に達した場合は、その時点から支給対象となる。

算定基礎期間を計算する場合、被保険者でなくなった日からその後に被保険者となった日の前日までの期間が1年を超えるときは、それ以前の被保険者であった期間は算入されない。

被保険者であった期間を通算する場合、前の被保険者資格喪失日から次の資格取得日までが1年以内であり、かつ、その間に基本手当又は特例一時金の支給を受けていないことが必要である。

したがって、資格喪失から次の資格取得までが1年を超える場合、又は1年以内であっても基本手当若しくは特例一時金の支給を受けた場合は、それ以前の被保険者であった期間は通算されない。

なお、教育訓練休暇給付金の支給に係る休暇期間並びに育児休業給付金又は出生時育児休業給付金の支給に係る休業期間は、5年以上の被保険者期間を算定する際には除かれる。


<支給対象期間(法61条)>

原則として、60歳に達した日の属する月から65歳に達した日の属する月までが支給対象期間となる。

60歳到達時に被保険者であった期間が5年未満の場合は、5年に達した日の属する月から65歳に達した日の属する月までとなる。


<支給対象月(法61条)>

支給対象期間内の各暦月のうち、次の要件を満たす月を支給対象月という。

・月の初日から末日まで引き続き被保険者であること

・月の初日から末日まで引き続いて、育児休業給付金、出生時育児休業給付金、出生後休業支援給付金若しくは介護休業給付の支給対象となる休業、又は教育訓練休暇給付金の支給対象となる休暇を取得していないこと

月の一部のみこれらの休業又は休暇の対象となった場合は、そのことのみをもって当該月全体が支給対象外となるわけではない。


<60歳到達時等の賃金月額>

原則として、60歳到達前6か月間の賃金総額を180で除して得た賃金日額に30を乗じた額を基礎とする。

60歳到達時等の賃金月額には上限額及び下限額があり、令和8年8月1日以後は、上限額522,000円、下限額96,090円である。


<賃金低下の判定(法61条)>

支給対象月に支払われた賃金額が、60歳到達時等の賃金月額の75%未満であることが必要である。

低下率=支給対象月に支払われた賃金額÷60歳到達時等の賃金月額×100

75%以上である場合は、高年齢雇用継続基本給付金は支給されない。


<みなし賃金>

本人都合の欠勤、疾病・負傷、事業所の休業、争議行為、妊娠・出産・育児、介護等の一定の理由により賃金が減額された場合は、その減額された額が支払われたものとみなして賃金低下率を判定することがある。


<支給額|令和7年4月1日以後に60歳に達した日等を迎えた者(法61条)>

・賃金低下率が64%以下

 → 支給対象月に支払われた賃金額×10%

・賃金低下率が64%を超え75%未満

 → 10%から0%まで逓減する率を賃金額に乗じた額

・賃金低下率が75%以上

 → 不支給


<老齢厚生年金との調整>

65歳未満で特別支給の老齢厚生年金の受給権を有する者が、高年齢雇用継続給付を受給できる場合は、在職老齢年金による支給停止に加えて、老齢厚生年金の一部が支給停止される。

令和7年度以後は、高年齢雇用継続給付の支給率に応じて、最大で標準報酬月額の4%相当額が支給停止される。


<支給額|令和7年3月31日以前に受給資格を満たした者(経過措置)>

・賃金低下率が61%以下

 → 支給対象月に支払われた賃金額×15%

・賃金低下率が61%を超え75%未満

 → 15%から0%まで逓減する率を賃金額に乗じた額

・賃金低下率が75%以上

 → 不支給


<支給限度額(法61条)>

令和8年8月1日以後の支給限度額は、月額397,369円である。

・支給対象月の賃金額が397,369円以上

 → 高年齢雇用継続基本給付金は不支給

・賃金額+算定された給付額が397,369円を超える

 → 397,369円-賃金額が支給額となる

支給限度額は毎年8月1日に変更される場合がある。


<最低限度額(法61条、法17条4項1号)>

高年齢雇用継続基本給付金の最低限度額は、基本手当の算定に用いる賃金日額の法定最低限度額(法17条4項1号)の100分の80に相当する額である。

令和8年8月1日以後は、賃金日額の最低限度額が約3,200円台であり、その80%に当たる高年齢雇用継続基本給付金の最低限度額は2,562円である。

算定された高年齢雇用継続基本給付金の額がこの最低限度額を超えない場合は、不支給となる。

最低限度額は最低保証額ではなく、これ以下なら支給しないという足切り額である。

最低限度額は毎年8月1日に変更される場合がある。


<金額による不支給の整理>

高年齢雇用継続基本給付金は、次のいずれの場合も支給されない。

・賃金低下率が75%以上

・支給対象月の賃金額が支給限度額以上

・算定された給付額が最低限度額以下


<受給手続(則101条の5)>

初回は、雇用保険被保険者六十歳到達時等賃金証明書、高年齢雇用継続給付受給資格確認票・(初回)高年齢雇用継続給付支給申請書等を、原則として事業主を経由して管轄公共職業安定所長に提出する。

初回の支給申請は、最初の支給対象月の初日から起算して4か月以内に行う。



【高年齢雇用継続基本給付金|支給対象月と休業】

<ポイント>

支給対象月とは、

月の初日から末日まで引き続き被保険者であり、

かつ、介護休業給付金・育児休業給付金・出生時育児休業給付金の

支給対象となる休業を「その月全体で」行わなかった月をいう


したがって、

月の一部だけ育児休業・介護休業を取得した場合であっても、

1か月丸ごと休業していなければ、

当該月は高年齢雇用継続基本給付金の支給対象月となる。




この記事では高年齢雇用継続基本給付金についてご紹介しました。

次回に続きます!










 


 
 

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