■確定拠出年金法(DC・iDeCo)
更新日:8月20日
ここでは確定拠出年金法についてお伝えします。
【確定拠出年金の基本】
<制度の目的 法1条>
・国民の高齢期における所得の確保に係る自主的な努力を支援し、公的年金の給付と相まって国民の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とする。
・あらかじめ拠出された掛金を加入者等が自ら運用し、その運用成果に基づいて将来の給付額が決定する。
・拠出された掛金と運用益の合計額によって将来の給付額が決定するため、拠出額は確定しているが、給付額は確定していない。
・資産の運用は加入者等の自己責任で行われ、運用成果によって給付額が増減する。
<制度の創設時期>
・平成13年6月に確定拠出年金法が制定された。
・平成13年10月1日から施行された。
<確定拠出年金の種類 法2条>
・確定拠出年金には、企業型年金と個人型年金がある。
・企業型年金とは、厚生年金適用事業所の事業主が、単独で又は共同して、確定拠出年金法第2章の規定に基づいて実施する年金制度をいう。
・個人型年金とは、国民年金基金連合会が、確定拠出年金法第3章の規定に基づいて実施する年金制度をいう。
<企業型確定拠出年金(企業型DC) 法2条2項・6項・9条・19条>
・厚生年金適用事業所の事業主が実施する確定拠出年金制度である。
・原則として、企業型年金規約に定められた実施事業所に使用される第1号等厚生年金被保険者が企業型年金加入者となる。
・第1号等厚生年金被保険者とは、第1号厚生年金被保険者及び第4号厚生年金被保険者をいう。
・60歳以上であっても、原則として企業型年金加入者となることができる。
・企業型年金規約により一定の資格を定めた場合に、その資格を有しない者及び企業型年金の老齢給付金の受給権を有する者又はその受給権を有していた者は、企業型年金加入者とならない。
・原則として、事業主が掛金を拠出する。
・企業型年金規約に定めがある場合には、企業型年金加入者も事業主掛金に上乗せして加入者掛金を拠出することができる。これをマッチング拠出という。
<個人型確定拠出年金(iDeCo) 法2条3項・62条・68条>
・国民年金基金連合会が実施する確定拠出年金制度である。
・加入者自身が掛金を拠出する。
・国民年金の第1号被保険者、第2号被保険者、第3号被保険者及び一定の任意加入被保険者が加入することができる。
・自営業者、会社員、公務員、専業主婦等が加入対象となる。
・国民年金の被保険者種別及び企業年金制度への加入状況等によって拠出限度額が異なる。
<2以上の企業型年金の加入資格を有する者の選択 法13条1項>
・同時に2以上の企業型年金の企業型年金加入者となる資格を有する者は、確定拠出年金法9条の規定にかかわらず、その者が選択する1つの企業型年金以外の企業型年金の企業型年金加入者としないものとする。
・その選択は、2以上の企業型年金の企業型年金加入者となる資格を有するに至った日から起算して10日以内にしなければならない。
【確定拠出年金に共通する事項】
<確定拠出年金運営管理機関>
・確定拠出年金の運営管理業務を行う機関である。
・運営管理業務には、運用関連業務と記録関連業務がある。
・運用関連業務では、運用方法の選定・提示や運用方法に関する情報提供などを行う。
・記録関連業務では、加入者等に関する事項や個人別管理資産額の記録・管理などを行う。
・加入者に代わって資産を運用するのではなく、加入者自身が行う運用を支援・管理する。
<運用 法23条・70条>
・加入者等は、提示された運用方法の中から運用方法を選択し、個人別管理資産の運用の指図を行う。
・運用商品の中には元本が確保されていないものがあり、運用成果は加入者等に帰属する。
・運用益には、運用期間中、所得税及び住民税が課されない。
<給付 法28条・73条>
・確定拠出年金の給付には、老齢給付金、障害給付金及び死亡一時金がある。
・一定の要件を満たす場合には、脱退一時金が支給される。
・死亡一時金と脱退一時金は異なる給付であり、確定拠出年金の給付として定められているのは死亡一時金である。脱退一時金は、当分の間、一定の要件に該当する者が請求することができる。
・老齢給付金は、年金又は一時金として受け取ることができ、規約に定めがある場合には年金と一時金を併用することもできる。
<老齢給付金の受給開始 法33条・73条>
・老齢給付金は、原則として60歳から受給することができる。
・60歳から受給するためには、通算加入者等期間が10年以上必要であり、10年未満の場合は受給開始可能年齢が段階的に繰り下げられる。
・原則として、老齢給付金の受給開始前に個人別管理資産を途中で引き出すことはできない。
<75歳到達時の老齢給付金の支給 法34条>
・企業型年金加入者又は企業型年金加入者であった者のうち、当該企業型年金に個人別管理資産がある者が、老齢給付金の支給を請求することなく75歳に達したときは、資産管理機関は、その者に、企業型記録関連運営管理機関等の裁定に基づいて、老齢給付金を支給する。
<個人別管理資産 法2条12項>
・企業型年金又は個人型年金において、企業型年金加入者等又は個人型年金加入者等のみに支給する給付に充てるべきものとして、個人ごとに積み立てられている資産をいう。
・個人型年金だけでなく、企業型年金にも個人別管理資産がある。
【企業型確定拠出年金】
<企業型年金加入者掛金 法19条3項>
・企業型年金加入者は、政令で定める基準に従い企業型年金規約で定めるところにより、年1回以上、定期的に自ら掛金を拠出することができる。
<掛金の納付 法21条>
・事業主は、事業主掛金を企業型年金規約で定める日までに資産管理機関に納付するものとする。
・企業型年金加入者が加入者掛金を拠出する場合、事業主は、企業型年金規約で定める日までに事業主を介して加入者掛金を資産管理機関に納付するものとする。
・事業主は、加入者掛金を給与から控除することができる。
<拠出限度額 法20条・令11条>
・企業型DCのみに加入している場合の拠出限度額は、月額5万5,000円である。
・確定給付企業年金等の他制度に加入している場合は、月額5万5,000円から他制度掛金相当額を控除した額が拠出限度額となる。
・企業型DCの事業主掛金額及び加入者掛金額の合計額は、拠出限度額を超えることができない。
【iDeCo】
<掛金の拠出限度額>
・自営業者等は、国民年金基金の掛金又は国民年金の付加保険料との合計で月額6万8,000円まで拠出することができる。
・企業年金のない会社員は、月額2万3,000円まで拠出することができる。
・企業年金のある会社員及び公務員等の拠出限度額は、加入する企業年金制度等に応じて異なる。
・国民年金の第3号被保険者は、月額2万3,000円まで拠出することができる。
<中小事業主掛金納付制度 法55条2項4号の2・68条の2第1項>
・中小事業主とは、企業型年金及び確定給付企業年金を実施していない厚生年金適用事業所の事業主であって、その使用する第1号厚生年金被保険者の数が300人以下のものをいう。
・事業主は、次の全ての要件を満たす場合には、その使用する個人型年金加入者に係る掛金に上乗せして、中小事業主掛金を拠出することができる。
①事業主が中小事業主であること。
②その使用する第1号厚生年金被保険者である個人型年金加入者に係る掛金であること。
③当該第1号厚生年金被保険者の過半数で組織する労働組合等の同意を得ていること。
④当該個人型年金加入者に係る掛金を、当該事業主を介して納付していること。
<加入年齢>
・iDeCoには、原則として国民年金の被保険者が加入することができる。
・国民年金の第1号被保険者及び第3号被保険者は、原則として20歳以上60歳未満の者が加入することができる。
・国民年金の第2号被保険者及び国民年金に任意加入している者は、一定の要件の下で65歳未満まで加入することができる。
<個人型年金加入者の届出 法66条1項>
・個人型年金加入者は、氏名及び住所その他の事項を、国民年金基金連合会に届け出なければならない。
・当該個人型年金加入者が指定した運用関連業務を行う確定拠出年金運営管理機関に届け出るのではない。
<個人型年金規約の見直し 法59条>
・国民年金基金連合会は、少なくとも5年ごとに、個人型年金加入者数の動向、企業型年金の実施状況その他の事情を勘案して、個人型年金規約の内容について再検討を加えなければならない。
・再検討の結果、必要があると認めるときは、個人型年金規約を変更しなければならない。
<通算・移換制度>
・企業型DCの加入者が転職又は退職した場合には、企業型DCの個人別管理資産をiDeCo等へ移換することができる。
・転職又は退職後、所定の期間内に移換手続を行わない場合には、個人別管理資産が国民年金基金連合会へ自動移換される。
<税制上の取扱い>
・拠出した掛金は、全額が小規模企業共済等掛金控除の対象となる。
・運用益には、運用期間中、所得税及び住民税が課されない。
・老齢給付金を年金として受け取る場合には、公的年金等控除の対象となる。
・老齢給付金を一時金として受け取る場合には、退職所得控除の対象となる。
この記事では確定拠出年金法についてご紹介しました。
次回に続きます!
