社会保険審査会・社会保険審査官
- 筒井

- 4月23日
- 読了時間: 4分
ここでは社会保険審査会・社会保険審査官についてお伝えします。
【社会保険審査会と地方厚生局】
<社会保険審査会>
・社会保険審査会は、社会保険の不服申立て(審査請求・再審査請求)を扱う国の機関。
・厚生労働大臣のもとに置かれる独立性のある合議制の機関。
<社会保険審査官>
・審査官は、厚生労働省の職員のうちから厚生労働大臣が命じて任命する。
・任命された審査官は、各「地方厚生局」(地方厚生支局を含む)に置かれる。
・船員保険法および石炭鉱業年金基金法の規定による審査請求の事件も取り扱う。
<地方厚生局とは>
・地方厚生局は、厚生労働省の地方支分部局(=地方の出先機関)。
・全国に8つあり、地域ごとの保険医療、福祉、薬事、年金、監査業務などを担当。
・さらに、地方厚生「支局」もあり、これは地方厚生局の下部組織。
<役割のイメージ>
- 厚生労働省(本省)・・・制度の設計・法律の整備
- 地方厚生局・・・現場の監督・申請受付・審査官配置などの実務担当
【社会保険審査会|合議体と役割】
<合議体の意味>
・複数メンバーで構成し、合議により意思決定を行う
・1人の独断を防ぎ、公平性・客観性を確保
・裁判の合議制と同様の仕組み
<構成>
・委員長および委員5人で組織
・委員長および委員は、人格が高潔で社会保障に関する知識を有し、かつ法律又は社会保険に関する学識経験を有する者のうちから、両議院の同意を得て厚生労働大臣が任命
・任期:3年
・補欠の委員長および委員の任期は、前任者の残任期間
<審理体制>
・再審査請求等の事件は、審査会が指名する3名で合議体を構成
・当該3名が審理・判断を行う
<会議の公開>
・原則非公開(合議は公開しない)
<役割>
・健康保険・厚生年金保険等の不服申立て(再審査請求)を審理
・社会保険審査官の決定に対する二審的機関
<審査請求の期間制限>
・被保険者または加入員の資格、標準報酬または標準給与に関する処分については、原処分があった日の翌日から起算して2年を経過すると審査請求はできない
【審査請求と原処分の執行停止】
<基本ルール>
・審査請求は、原則として原処分の執行を停止しない。
<例外:執行停止が認められる場合>
・審査官は、原処分の執行により生ずることのある
・償うことの困難な損害を避けるため
・緊急の必要があると認めるとき→職権でその執行を停止することができる。
<執行停止の効力の期限>
・審査請求があった日から「2か月以内」に決定がない場合→執行停止は「審査請求を棄却する決定があったもの」とみなされる。
→ その効力を失う
<補足>
・この規定により、無制限な執行停止を防ぎつつ、急を要する損害を防止できる仕組み。
【公示送達|概要と流れ】
<定義>
・送達すべき相手の住所・居所・所在地が不明で、通常の送達ができない場合に行う送達方法
・官報や掲示板などで公告し、一定期間経過後に送達したものとみなす
<典型的なケース>
・引っ越し後に住所変更届をしていない
・郵便物が「宛所不明」で返送される
・長期海外渡航や留学で連絡が取れない
・災害や失踪で所在不明
・意図的に連絡を絶っている(夜逃げなど)
<実務での頻度>
・非常に少数(大半は普通送達で対応可能)
・裁判や審査会でごく一部のケースで使用
<流れ>
① 送達すべき人の所在地が不明と確認
② 公示送達の決定
③ 官報や掲示板などに公告
④ 一定期間経過後(公告日から2週間など)、送達したものとみなす
<試験の要注意点>
・公告送達は、相手が実際に見なくても効力が発生する
・効力発生日=公告から一定期間経過後(制度ごとの期間を暗記)
・「住所が不明な場合でも送達できる制度」があることを押さえる
【審査請求への参加制度】
<概要>
・「審査請求への参加」とは、自分で新たに審査請求を起こすのではなく、他人が既に行っている審査請求の手続に、利害関係のある第三者として加わることを指す。
<参加の条件>
・審査会が「必要がある」と認めた場合に限る。
・申立てによって、または審査会の職権により、参加を認めることができる。
・参加できるのは、その審査請求に利害関係を持つ第三者。
<代理人の可否>
・審査請求・再審査請求・審査請求への参加のいずれも代理人によって行うことができる。
・ただし、取り下げには特別委任状が必要。
<情報入手の現実>
・全ての審査請求案件が公開されているわけではない。
・通常は、利害関係がある場合に通知や告知を受けて知ることが多い。
・関係がない案件については、調べても分からないことがほとんど。
<ポイント>
・「審査請求をする」=新たに不服申立てを開始する行為。
・「審査請求に参加する」=他人の審査請求に第三者として加わる行為(別制度)。
この記事では社会保険審査会・社会保険審査官についてご紹介しました。
次回に続きます!