■老齢厚生年金(繰上げ繰下げ・失権)
更新日:8月12日
ここでは繰上げ繰下げ・失権についてお伝えします。
【老齢厚生年金支給繰上げ(法附則7条の3)】
<要件(法附則7条の3)>
・60歳以上65歳未満であること
・厚生年金の被保険者期間が1月以上あること
・受給資格期間が10年以上あること
<内容(法附則7条の3)>
請求により、老齢厚生年金を65歳前に前倒しで受給できる。
繰上げにより減額され、その減額は生涯続く。
<老齢基礎年金との関係(法附則7条の3)>
老齢厚生年金の繰上げは、原則として老齢基礎年金の繰上げと同時に請求しなければならない。
<雇用保険の基本手当との調整(法附則7条の4、法附則11条の5)>
65歳になるまでの老齢厚生年金の受給権者が、雇用保険の基本手当を受けるために求職の申込みをしたときは、老齢厚生年金は支給停止される。
求職の申込みをした月の翌月から、基本手当の受給期間が経過した日の属する月又は所定給付日数分の基本手当を受け終わった日の属する月まで、老齢厚生年金は支給停止される。
【老齢厚生年金支給繰下げ(法44条の3)】
<要件(法44条の3)>
老齢厚生年金の受給権を取得した日から起算して1年を経過した日前に老齢厚生年金を請求していない者は、支給繰下げの申出をすることができる。
<基本ルール(法44条の3)>
支給繰下げは、75歳に達するまで行うことができる。
老齢厚生年金の繰下げの申出は、老齢基礎年金と別に行うことができる。
※特別支給の老齢厚生年金には、支給繰下げの規定は適用されない
<できない場合(法44条の3第1項)>
老齢厚生年金の受給権取得時に、他の年金たる給付の受給権者であるときは、繰下げの申出はできない。
老齢厚生年金の受給権取得日から起算して1年を経過した日までの間に、他の年金たる給付の受給権者となったときも、繰下げの申出はできない。
※老齢基礎年金、付加年金、障害基礎年金の受給権者である場合は、老齢厚生年金の繰下げの申出ができる
<他の年金の受給権がある場合の整理>
・障害厚生年金の受給権者:繰下げできない
・遺族厚生年金の受給権者:繰下げできない
・老齢基礎年金の受給権者:繰下げできる
・障害基礎年金の受給権者:繰下げできる
・遺族基礎年金の受給権者:繰下げできない
<開始時期(法44条の3)>
繰下げの申出があった月の翌月から支給される。
<効果(法44条の3)>
繰下げ加算額が加算される。
繰下げ加算額=老齢厚生年金の額×増額率
増額率=7/1000×繰下げ月数
※増額の算定対象となる年金額には、経過的加算額が含まれる
※加給年金額は、繰下げによる増額の対象とならない
<加給年金額との関係(法44条)>
支給繰下げの申出をしても、配偶者加給年金額は増額されない。
繰下げ後に老齢厚生年金の支給が開始されるときから、要件を満たせば配偶者加給年金額が加算される。
<5年経過後の請求(法44条の3)>
老齢厚生年金の受給権取得日から5年を経過した日後に請求し、繰下げの申出をしないときは、5年前に支給繰下げの申出があったものとみなす。
<支給繰下げの申出があったものとみなされる場合(法44条の3第1項・2項)>
老齢厚生年金の受給権取得日から起算して1年を経過した日前に老齢厚生年金を請求していなかった者が、その1年を経過した日後に他の年金たる給付の受給権者となった場合は、当該他の年金たる給付の受給権者となった日に、老齢厚生年金の支給繰下げの申出があったものとみなされる。
※老齢基礎年金、付加年金、障害基礎年金の受給権者となった場合は除かれる
<みなされる・みなされない>
みなされる:遺族厚生年金、遺族基礎年金、障害厚生年金など
みなされない:老齢基礎年金、付加年金、障害基礎年金
<その他(法44条の3、法附則12条)>
特別支給の老齢厚生年金を受けていた者であっても、65歳以後の老齢厚生年金について、繰下げの申出ができる。
障害基礎年金の受給権者であっても、老齢厚生年金の繰下げの申出ができる。
【老齢厚生年金の失権(法45条)】
<失権事由(法45条)>
老齢厚生年金の受給権は、受給権者が死亡したときに消滅する。
※65歳到達により失権するのは、特別支給の老齢厚生年金(法附則10条)
この記事では繰上げ繰下げ・失権についてご紹介しました。
次回に続きます!
