■雇用保険法(育児休業給付金)
更新日:8月14日
ここでは育児休業給付金についてお伝えします。
【育児休業等給付(雇用保険法61条の6第1項)】
<育児休業等給付の構成>
育児休業等給付は、次の給付から構成される。
・育児休業給付
・出生後休業支援給付
・育児時短就業給付
育児休業給付は、次の2種類からなる。
・育児休業給付金
・出生時育児休業給付金
出生後休業支援給付として、出生後休業支援給付金が支給される。
育児時短就業給付として、育児時短就業給付金が支給される。
【育児休業給付金(雇用保険法61条の7)】
<制度の趣旨>
一般被保険者又は高年齢被保険者が、1歳未満の子を養育するために育児休業をした場合に、休業中の所得を保障するため支給される。
<支給対象者>
一般被保険者又は高年齢被保険者。
<支給対象となる育児休業>
原則として、1歳未満の子を養育するための育児休業が対象となる。
保育所等に入所できないなど一定の理由がある場合は、1歳6か月又は2歳に達するまで延長される。
同一の子について、原則として3回目以後の育児休業は支給対象とならない。
ただし、厚生労働省令で定める特別の事情がある場合は支給対象となる。
<みなし被保険者期間の要件>
育児休業開始日前2年間に、みなし被保険者期間が通算して12か月以上あることが必要である。
みなし被保険者期間の算定に当たり、教育訓練休暇給付金に係る休暇開始日前における被保険者期間であった期間は、算定対象となる期間に含まれる。
疾病、負傷その他厚生労働省令で定める理由により、引き続き30日以上賃金の支払いを受けることができなかった場合は、その日数を2年間に加算する。
加算後の期間は、最長4年間とする。
<基本手当の算定基礎期間との関係(雇用保険法22条3項)>
育児休業中も雇用関係が継続している限り被保険者であるが、育児休業給付金又は出生時育児休業給付金の支給に係る休業期間は、基本手当の所定給付日数を決定するための算定基礎期間には算入しない。
したがって、「被保険者であった期間」と「所定給付日数の算定基礎期間」は必ずしも一致しない。
<支給単位期間>
育児休業を開始した日から起算して1か月ごとに区分した期間を支給単位期間という。
育児休業が終了した日の属する最後の支給単位期間は、その支給単位期間の初日から育児休業終了日までの期間とする。
<各支給単位期間の支給要件>
支給単位期間の初日から末日まで継続して被保険者資格を有していること。
就業していると認められる日数が10日以下であること。
就業日数が10日を超える場合は、就業時間が80時間以下であること。
最後の支給単位期間が1か月未満の場合は、就業日数が10日以下であり、かつ、育児休業による全日休業日が1日以上あること。
就業日数が10日を超える場合は、就業時間が80時間以下であり、かつ、育児休業による全日休業日が1日以上あること。
<支給額>
育児休業開始日から通算180日までは、休業開始時賃金日額×支給日数×67%を支給する。
181日目以後は、休業開始時賃金日額×支給日数×50%を支給する。
支給日数は原則として30日とし、最後の支給単位期間はその期間の日数とする。
<賃金との調整>
育児休業開始日から通算180日までの期間は、支給単位期間中に支払われた賃金が休業開始時賃金月額の13%以下であれば、原則として減額されない。
賃金が13%を超え80%未満である場合は、賃金と育児休業給付金の合計が休業開始時賃金月額の80%となるように減額して支給される。
181日目以後は、賃金が休業開始時賃金月額の30%以下であれば、原則として減額されない。
賃金が30%を超え80%未満である場合は、賃金と育児休業給付金の合計が休業開始時賃金月額の80%となるように減額して支給される。
賃金が休業開始時賃金月額の80%以上である場合は、育児休業給付金は支給されない。
<受給手続>
初回の支給申請は、原則として、育児休業開始日から4か月を経過する日の属する月の末日までに行う。
育児休業給付受給資格確認票、育児休業給付金支給申請書及び休業開始時賃金証明書を、原則として事業主を経由して、所轄公共職業安定所長に提出する。
【育児休業給付金|就業制限】
<就業日数・時間の制限>
育児休業給付金が支給されるためには、支給単位期間において、公共職業安定所長が就業していると認める日数が10日以下であること。ただし、就業日数が10日を超える場合であっても、公共職業安定所長が就業していると認める時間が80時間以下であれば、支給対象となる。
【出生時育児休業給付金(雇用保険法61条の8)】
<支給対象となる出生時育児休業>
子の出生後8週間以内に、同一の子について2回まで、通算28日以内の出生時育児休業を取得した場合に支給対象となる。
【出生後休業支援給付金(雇用保険法61条の10)】
<制度の趣旨>
共働き・共育てを推進するため、子の出生直後の一定期間に、被保険者とその配偶者がともに育児休業を取得した場合に、育児休業給付金又は出生時育児休業給付金に上乗せして支給される。
<出生後休業>
出生後休業とは、被保険者が厚生労働省令で定める対象期間内に、その子を養育するために取得する休業をいう。
<対象期間>
被保険者がその子について労働基準法の規定による産後休業をしなかった場合は、その子の出生の日から起算して8週間を経過する日の翌日までの期間とする。
被保険者がその子について労働基準法の規定による産後休業をした場合は、その子の出生の日から起算して16週間を経過する日の翌日までの期間とする。
<支給要件>
被保険者が、対象期間内に同一の子について出生後休業を通算14日以上取得していること。
被保険者の配偶者も、その子の出生の日から起算して8週間を経過する日の翌日までの期間内に、同一の子について育児休業を通算14日以上取得していること。
配偶者がいない場合、配偶者が就労していない場合その他厚生労働省令で定める場合は、配偶者の育児休業取得要件は適用されない。
出生後休業について、育児休業給付金又は出生時育児休業給付金の支給を受けることができること。
<支給額>
休業開始時賃金日額×支給対象日数×13%とする。
支給対象日数は、出生後休業をした日数とし、28日を上限とする。
育児休業給付金又は出生時育児休業給付金の給付率67%と合わせて、給付率は80%となる。
<制度の施行>
令和7年4月1日から施行された。
【育児時短就業給付金(雇用保険法61条の12)】
<制度の趣旨>
2歳未満の子を養育するために所定労働時間を短縮して就業し、賃金が低下した被保険者に対して支給される。
<支給対象者>
一般被保険者又は高年齢被保険者。
<育児時短就業>
育児時短就業とは、被保険者が2歳未満の子を養育するため、所定労働時間を短縮して就業することをいう。
<受給資格>
次のいずれかに該当することが必要である。
・育児時短就業開始日前2年間に、みなし被保険者期間が通算して12か月以上あること
・同一の子について育児休業給付金又は出生時育児休業給付金の支給を受けた休業に引き続いて育児時短就業を開始したこと
<支給対象月>
育児時短就業を開始した日の属する月から、育児時短就業を終了した日の属する月までの各暦月を支給対象月とする。
支給対象月の初日から末日まで継続して被保険者であることが必要である。
支給対象月の初日から末日まで継続して育児時短就業をしていることが必要である。
支給対象月中に育児休業給付金、出生時育児休業給付金又は介護休業給付金の支給を受けることができる休業をしていないことが必要である。
<支給期間>
原則として、育児時短就業を開始した日の属する月から、その子が2歳に達する日の属する月まで支給される。
育児時短就業を終了した場合、被保険者でなくなった場合又は他の子に係る産前産後休業、育児休業若しくは介護休業を開始した場合は、支給が終了する。
<支給額>
支給対象月に支払われた賃金額が、育児時短就業開始時賃金日額に30を乗じて得た額の90%未満である場合は、支給対象月に支払われた賃金額×10%を支給する。
支給対象月に支払われた賃金額が、育児時短就業開始時賃金日額に30を乗じて得た額の90%以上100%未満である場合は、賃金額の増加に応じて支給率を10%から逓減させた額を支給する。
支給対象月に支払われた賃金額が、育児時短就業開始時賃金日額に30を乗じて得た額以上である場合は、育児時短就業給付金は支給されない。
<支給されない場合>
算定された支給額が、基本手当日額の100分の80に相当する額未満である場合は支給されない。
<受給手続>
育児時短就業給付受給資格確認票及び育児時短就業給付金支給申請書を、原則として事業主を経由して、所轄公共職業安定所長に提出する。
<制度の施行>
令和7年4月1日から施行された。
この記事では育児休業給付金についてご紹介しました。
次回に続きます!
