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■厚生年金保険法(離婚時の標準報酬の分割)

  • 執筆者の写真: 筒井
    筒井
  • 4月16日
  • 読了時間: 4分

更新日:17 時間前

ここでは離婚時の標準報酬の分割についてお伝えします。



【離婚時の年金分割】

<合意分割(法78条の2・78条の3)>

・当事者は、標準報酬改定請求をするため、按分割合について合意するための協議を行う

・協議が調わないとき又は協議をすることができないとき

→ 当事者の一方の申立てにより、家庭裁判所が按分割合を定める

・按分割合は、第2号改定者の対象期間標準報酬総額が当事者双方の対象期間標準報酬総額の合計額に占める割合を超え、2分の1以下の範囲で定める

・2分の1は按分割合の下限ではなく上限である

・当事者間の合意が成立しない場合でも、年金分割が行われないわけではない

・第1号改定者又は第2号改定者が、対象期間の全部を年金額の計算の基礎とする障害厚生年金の受給権者であっても、合意分割に係る標準報酬改定請求をすることができる



<対象期間標準報酬総額の算定(法78条の3第1項、令3条の12の5)>

・対象期間標準報酬総額は、対象期間に係る被保険者期間の各月の標準報酬を、再評価率により現在価値に換算して合計した額である

・平成15年4月1日前の被保険者期間

→ 各月の標準報酬月額に1.3を乗じた額に、再評価率を乗じて算定する

・平成15年4月1日以後の被保険者期間

→ 各月の標準報酬月額及び標準賞与額に、それぞれ再評価率を乗じて算定する


<合意分割に係る情報提供(法78条の4・則78条の7)>

・第1号改定者及び第2号改定者又はその一方は、実施機関に対し、標準報酬改定請求に必要な按分割合の範囲等について情報提供を請求できる

・すでに情報提供を受けた場合、その情報提供を受けた日の翌日から起算して3月を経過するまでは、再び同じ情報の提供を請求できない

・標準報酬改定請求をした後又は離婚等をした日の翌日から起算して2年を経過した後は、原則として情報提供を請求できない



<障害厚生年金の300月最低保障(法78条の10第2項)>

→ 妻が300月最低保障による障害厚生年金を受給中に合意分割を受けても、分割によって得た記録は障害厚生年金額には反映されない

→ ただし、将来の老齢厚生年金額の計算には反映される


<合意分割後の在職老齢年金(平成16年改正法附則48条)>

・合意分割後の在職老齢年金 → 妻(夫)自身が働き、在職老齢年金の支給停止額を計算される場合でも、合意分割によって得た標準賞与額は収入として扱われない → 総報酬月額相当額には、妻(夫)が実際に受け取った分割前の標準賞与額を用いる


<離婚時みなし被保険者期間と遺族厚生年金(法58条1項4号・78条の11)>

→ 妻(夫)自身に厚生年金保険の被保険者期間がなくても、合意分割によって得た離婚時みなし被保険者期間がある場合

→ 妻(夫)が、保険料納付済期間と保険料免除期間を合算して25年以上あるなど、遺族厚生年金の長期要件を満たして死亡したとき

→ 妻を厚生年金保険の被保険者であった者とみなし、一定の遺族に遺族厚生年金が支給される




<3号分割の対象期間(法附則49条)>

・3号分割制度は、平成20年4月1日から施行された

・平成20年4月1日前の期間

→ 3号分割に係る請求の対象となる特定期間には算入しない

・平成20年4月1日以後の第3号被保険者期間のみが、3号分割の対象となる



<夫(妻)が障害認定後の離婚による分割(法78条の14第1項ただし書)>

・夫(妻)の障害厚生年金額の計算に使われた被保険者期間

→ 妻(夫)は、その期間について3号分割を請求できない

・障害認定日の属する月の翌月以後に、夫(妻)が厚生年金に加入して働いた期間

→ 夫(妻)に新たな標準報酬記録が生じるため、妻(夫)が第3号被保険者であれば3号分割の対象となる

※夫(妻)が障害認定後に退職した場合は、分割できる新たな標準報酬記録は生じない


<特定被保険者(夫・妻)が死亡後の場合の3号分割(令3条の12の14)>

・特定被保険者(夫・妻)が被扶養配偶者(妻・夫)との離婚等の後に死亡した場合

・特定被保険者(夫・妻)が死亡した日から起算して1月以内に、被扶養配偶者(妻・夫)から3号分割の請求があったとき

→ 特定被保険者(夫・妻)の死亡日の前日に3号分割の請求があったものとみなす



<3号分割による老齢厚生年金額の改定(法78条の18)>

・老齢厚生年金の受給権者について、3号分割により標準報酬の決定又は改定が行われたとき

→ 決定又は改定後の標準報酬を基礎として年金額を改定する

・年金額の改定時期

→ 3号分割の請求があった日の属する月の翌月から改定する



<年金分割の請求期限(法78条の14・則78条の17)>

・3号分割の請求は、原則として、離婚した日等の翌日から起算して2年を経過した後は行うことができない

・合意分割の請求期限も同様である


<年金分割の効力(法78条の6第4項・78条の14第5項)>

・年金たる保険給付の受給権者について、合意分割又は3号分割により標準報酬が改定又は決定された場合、その効力は将来に向かってのみ生じる

・分割前にすでに支給された年金額を遡って改定することはない




この記事では離婚時の標準報酬の分割についてご紹介しました。

次回に続きます!










 


 
 

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